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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第15章 激闘、セイクリア王国

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第533話 光の神(偽物)の登場


 「『北の大地』ぶりだな、悪魔共」


 と、突如現れた長い金髪の青年は、春風達に向かってそう言った。


 その言葉を聞いて、春風を除いた面々(主にリアナや水音達)はすぐさま身構えたが、春風だけは落ち着いた表情で、


 「何となくわかるけど、敢えて聞くよ。あんたも『神様』の1人かい?」


 と、金髪の青年に尋ね返した。


 その質問に、天使となった切嗣達は「お前!」と言わんばかりの表情で春風を睨みつけたが、金髪の青年はスッと右手を上げて「よせ」と言うと、


 「キチンと名乗るのはこれが初めてだったな。如何にも、私は『光』を司りし神、ラディウスという者だ」


 と、金髪の青年ーーラディウスはそう自己紹介した。


 その偉そうな態度に、リアナをはじめとした春風の仲間達は、ギュッと武器を握る力を強め、ループスとヘリアテスは歯をギリッとさせてラディウスを睨んだ。


 しかし、春風だけは落ち着いた表情を崩さず、


 「フーン、そうかい。じゃ、早速だけど……」


 と言うと、鋭い眼差しをラディウスに向けて、


 「ループス様とヘリアテス様の力、返してよ」


 と言った。


 それに対してラディウスは、


 「『断る』と言ったら?」


 と、春風と同じように鋭い目つきで尋ねると、


 「ボコった後で奪う。で、『世界』と俺の幸せの為に、お仲間共々この世から退場してもらう」


 と、春風は鋭い目つきのまま彼岸花・神ウチの切先をラディウスに向けながら答えた。


 それを見て戦闘態勢に入ろうとする切嗣達。


 しかし、ラディウスは「フ……」と小さく笑うと、


 「ほう。()()を見ても、まだそんなセリフが吐けるかな?」


 と言って、静かに両腕を広げた。


 次の瞬間、ラディウスの全身が白いオーラに包まれた。


 それは、先ほど切嗣達が見せたものとは格段に大きく、そして、神々しかった。


 しかし、


 (ん? 何だろう。あいつのオーラから、変な音が聞こえる……)

 

 と怪しんだ春風は、耳を澄ましてオーラから聞こえてきたその音を聞こうとすると、


 (これは……沢山の、呻き声?)


 それは、どうやら誰かの呻き声のようで、しかもかなりの多さだった。


 その呻き声を聞いた時、


 (……あ! もしかして!)


 と、春風は何かに気づいたかのような表情になって、


 「あんた。それ、今まで奪ってきた『神々』の力か?」


 と、ラディウスに尋ねた。


 その瞬間、


 「クックック、ご名答。これは我々が今まで集めてきた、あらゆる世界の神々の力だ。で、もう一度聞くが、コレを見てもまだ同じセリフが吐けるかな?」


 と、ラディウスは笑いながらそう答えた。


 その答えを聞いて、春風は更に鋭い視線をラディウスに向けると、


 「安心しろ、今この場でお前達と戦う気はないのでな、悪いが舞台を用意させてもらう」


 と、ラディウスは真面目な表情でそう言った後、右腕をスッと上げて、パチンと指を鳴らした。


 すると、ゴゴゴと辺りが揺れ出して、


 「うわ! 何だ!?」


 『キャア!』


 と、春風達は驚いて思わず膝から崩れ落ちた。


 「お、お前ぇ! 何しやがった!」


 と、地面に突っ伏した状態のループスが、怒鳴るようにラディウスに尋ねると、


 「言った筈だ。舞台を用意させてもらう、とな」


 と、ラディウスはニヤリと笑いながら答えた。


 そして、その答えの後、揺れがだんだん大きくなっていったので、


 「コレは……まずい!」


 と、春風はすぐにフライング・カーペットを広げて、


 「みんな、ここは危険だ! 乗って!」


 と言って、仲間達を全員乗せた後、フライング・カーペットに魔力を流して空に浮かせた。


 それを見て、


 「ま、待て幸村!」


 と、切嗣が口を開くと、


 「ごめん! 仲間達が心配なんで!」


 と、春風は切嗣達に向かって謝罪した。


 その言葉に切嗣達が「なっ!」と驚きの声を上げたが、その後すぐに春風は続けて、


 「でも安心して……テメェらは全員ぶちのめすの決定だからな。せいぜい首でも洗って待ってろや」


 と、「怒り」を込めた鋭い目つきで睨みながら言った。


 その睨みを受けて、切嗣達はその場から動けなくなり、ラディウスは「フン」と余裕のある笑みを浮かべた。


 そんな彼らの様子を見た後、春風は仲間達を乗せたフライング・カーペットを操作して、その場から飛び去った。


 それを見て漸く動けるようになった切嗣達は、すぐに春風を追いかけようとしたが、


 「よせ、追う必要はない」


 と、ラディウスは切嗣達に向かってそう命令した。


 切嗣達はその命令を受けて、皆悔しそうな表情になったが、ラディウスはというと、


 ーーテメェらは全員ぶちのめすの決定だからな。


 という春風の言葉を思い出して、


 「フフフ、楽しみにしているぞ」


 と、再び余裕のある笑みを浮かべた。


 


 


 

 

 

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