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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第15章 激闘、セイクリア王国

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第507話 追いかけた先で


 セイクリア王国王都内の広場。


 春風達が乗り込んできたその時、周囲の建物の中では、そこに住む住人達が、扉や窓の隙間から外の様子をジッと見ていて、彼らに見守られる中、春風の仲間達対勇者&王国兵士達の戦いが繰り広げられていた。


 「ハァ!」


 「フッ!」


 「オラオラ、テメェらの実力はこんなもんかぁ!?」


 国王ウィルフレッドとその妻マーガレットを守りながらの戦いである為、一見春風の仲間達側が不利なように見えているが、断罪官の大隊長&小隊長達も加わっていた為、実際は特に問題なく1人、また1人と兵士が戦闘不能になっていた。


 当然、その中には勇者ことクラスメイトの姿もあった。


 しかし、


 (へぇ、みんな結構強いじゃないか)


 そんな状況の中、1人の人物がニヤリと笑いながらそう呟いていたことに、誰一人気づかなかった。


 一方その頃、


 「待てぇ、モーゼス!」


 「フッフッフ……」


 何処かへと飛んでいったモーゼスを、フライング・カーペットに乗った春風、リアナ、水音、ループス、ヘリアテス、イチが追いかけていた。


 ただ、その最中、


 「あーところで水音」


 「何?」


 「そちらのループス様そっくりの子犬さん(?)は、どちら様かな?」


 と、春風は前を見たまま水音にそう尋ねると、


 「あ、紹介するね。彼はイチ、目的地で出会った新しい『仲間』だ」


 と、水音は横にいるイチを見ながらそう春風に紹介し、それに続くように、


 「んで、俺が昔作った分身第1号だ」


 と、ループスもそう口を開いた。


 そんなループスの言葉に、


 「え、お父さんの分身!?」


 と、リアナも驚いていると、


 「ど、どうも、よろしくお願いします」


 と、イチは気の弱そうにペコリと頭を下げた。


 とまぁこんな感じで、何とも緊張感に欠けるやり取りがあったのだが、暫くすると、春風達はとある場所に辿り着いた。


 その場所を見て、


 「……あ、ここ王城前だ」


 と、水音がそう気づいたように、そこはセイクリア王国王城、その城門前だった。


 城門は大きく開かれていて、モーゼスは飛びながらその向こうへと潜った。


 「っ! 逃がさねぇぞ!」


 そして、春風達もモーゼスを追うようにその城門を潜ると、突然、何かが目の前に現れたので、


 「うわ! 何だ!?」


 と、驚いた春風はフライング・カーペットを急停止させた。


 「みんな、大丈夫!?」


 と、春風が尋ねると、


 「う、うん、大丈夫」


 「こっちもだよ」


 と、リアナと水音はそう答えた。2人に続くように、ループス、ヘリアテス、イチも「大丈夫」と言わんばかりにコクリと頷いた。


 春風はその様子を見て「ホッ」と胸を撫で下ろすと、


 「一体何なんだ?」


 と、目の前を見た。そこには純白の鎧を纏った1人の無表情の少年が立っていて、「んん?」と春風はその少年をよぉく見ると、


 「……前原……君?」


 それは、「勇者」として召喚されたクラスメイトの1人、前原翔輝だった。


 「前原君!」


 春風達はすぐにフライング・カーペットを降りて翔輝のもとへと駆け寄ろうとしたが、


 「……」


 翔輝は無表情のまま、何も言わずに腰の長剣を鞘から引き抜いた。よく見ると、その瞳には光がなく、代わりに闇が広がっていたので、


 「ああ。前原君、君もか」


 と、春風はそう言って辛そうな表情になった。


 するとそこへ、


 「フハハハハハ! 賢者春風よ、その少年はこれまでとは一味違うぞ!」


 と、上空でそう高笑いしたモーゼス見つけて、


 「モーゼス、テメェ……!」


 と、春風はモーゼスに怒りの眼差しを向けた。


 それを見て、モーゼスは「フン」と鼻を鳴らすと、翔輝に向かってスッと右手を差し出した。


 次の瞬間、翔輝の左右に、明らかに翔輝の倍くらい大きさをした、2体の白銀の鎧を纏った異形の騎士が現れた。


 『っ!?』


 驚く春風達を前に、モーゼスは口を開く。


 「さぁ勇者翔輝よ! そして神騎士(かみきし)達よ! 目の前にいる『悪魔』共と『邪神』共を血祭りにあげるのだ!」


 そう命令した瞬間、翔輝は長剣をグッと握りしめて、「神騎士」と呼ばれた2体の異形の騎士達は、それぞれ剣と盾を構えだした。


 春風達はそれを見て、「うぅ……」と唸っていると、


 「……ゆ、幸……村……」


 「え?」


 何と、目の前の翔輝がそう口を開いたので、


 「ま、前原君……!」


 「前原君!」


 と、春風と水音が何か言おうとしたが、それを遮るかのように、翔輝は長剣の切先を春風に向けて、


 「……ほ……本気……で、来い!」


 と、言い放った。


 


 


 


 


 

謝罪)


 前回に引き続き、大変申し訳ありません。


 前回の話で登場した新たなクラスメイト「裏見」君ですが、まことに勝手ながら、苗字を「裏見」から「裏部」に改名しました。なので、以降は「裏部」と表記させてもらいます。


 本当にすみません。

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