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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第14章 更なる「力」を求めて

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第500話 春風編61 そして、セイクリアへ

 第14章、最終話です。


 「ふふ、とても良い雰囲気だね」


 『っ!?』


 と、不意にそんなセリフが聞こえたので、春風達はビクッとなって一斉にそのセリフが飛んできた方へと振り向くと、


 「やぁ」


 そこには、同じ顔をした2人の幼い少女、クロエルとシロエルに支えられているフリードリヒがいた。


 「フリードリヒさん、もう動いて平気なんですか!?」


 と、春風がフリードリヒに駆け寄りながらそう尋ねると、


 「おいおい春風君、『始まりの悪魔』とも呼ばれたこの僕を舐めてもらっては困るなぁ」


 と、フリードリヒは「フフン」と鼻で笑いながら答えた。


 だが、


 「……よく言うよ、私達に支えてもらわないと立つことすらままならないくせに」


 「そうだよそうだよ!」


 と、クロエルとシロエルは「ムゥ!」と頬を膨らませながらそう言ったので、フリードリヒは「うっ!」と冷や汗をタラリと流し、春風は「ええ?」と呆れ顔になった。


 すると、


 「あのぉ、ハルッち……」


 と、恵樹が「ハイ」と手をあげたので、


 「ん? どしたのケータ?」


 と、春風が尋ねると、


 「その女の子達、どちら様?」


 と、ケータがクロエルとシロエルを交互に見ながらそう尋ね返してきたので、春風は「え? ああこの子達は……」と仲間達にクロエルを紹介しようとしたが、それよりも早く、


 「……はじめまして、私はクロエル。この世界の『闇』そのもの」


 「そして、双子の妹のシロエルです! この世界の、『光』そのものです!」


 と、本人達がそう自己紹介したので、それを聞いた仲間達は一瞬フリーズした後、


 『おい! どういうことだ!?』


 と、一斉に春風を見て説明を求めた。


 そのあまりの剣幕に圧倒された春風は、


 「あー、それはぁそのぉ……」


 と、しどろもどろになりながらも、2人のことや「ランクアップ」に至るまでについて説明を始めた。


 それから数分後、一通り説明が終わると、


 「……はー、なるほどねぇ。そういうわけか……」


 と、凛依冴をはじめとした仲間達は納得の表情を浮かべた。一部、あまりの内容にポカンとしている者達もいるが。


 するとそこへ、


 「じ、じゃあ、ハル兄さんの、中には、[暴食]の、裏スキルが、あるってことなんだよ、ね?」


 と、ルーシーが表情を暗くしながらそう尋ねてきたので、春風は何処か申し訳なさそうにしながらも、


 「……うん、ちゃんとこの身に宿ってるよ」


 と、ハッキリと答えたので、ルーシーは「そう……ですか」と悲しさと心配が入り混じった複雑な表情でそう返事した。


 それを聞いて、今度はフィオナがフリードリヒ向かって質問する。


 「あの、ハル兄さんにスキルを渡して、あなた方は何ともないのですか?」


 その質問に対して、フリードリヒは答える。


 「ああ、体の方なら、特に問題はないよ。元々、僕自身『不老不死』だからね。それに……」


 「それに?」


 「その『力』はもう、僕には必要ないものだしね」


 そう言うと、フリードリヒは「ハハハ」と明るい表情で笑った。


 その様子を春風達は、「えぇ……?」とジト目で見ていると、


 「で、これからどうするつもりだい春風君?」


 と、急に真面目な表情になったフリードリヒがそう尋ねてきた。


 不意に尋ねられた春風は「え?」となったが、


 「……そんな決まってるでしょ」


 すぐに真剣な表情でフリードリヒを見て口を開く。


 「セイクリア王国に行きます。ウィルフレッド陛下や、他のクラスメイト達、そして、イブリーヌ様を助ける為に」


 「どんな『危険』が待っているのかわからないのに?」


 その質問に対して、春風は「ハッ!」と鼻で笑うと、


 「危険(そんなもの)恐れてたら、()()()()を救えるわけないだろ?」


 と、真っ直ぐな目でフリードリヒを見てそう答えた。


 その後、春風は仲間達の方へと振り向くと、


 「えーっと。ごめんみんな、もう少しだけ付き合って」


 と、自信なさそうな表情でそう言った。


 それを聞いて、仲間達は「フ……」と笑い、答える。


 『勿論!』


 その答えを聞いて、春風は少しの間表情を和らげると、「それじゃあ……」と呟いて、


 「リアナ達や水音達に連絡したら、行こう! セイクリア王国に!」


 と、ハッキリとした口調でそう言った。


 その言葉に仲間達は再び「フ……」と笑うと、


 『オウッ!』


 と、全員そう返事した。


 そんな彼らの様子を見て、


 「……ねぇ、お姉ちゃん。春風君、どう思う?」


 と、シロエルが小声でクロエルにそう尋ねると、クロエルは「フフ」と小さく笑って、


 「……うん、間違いない。ハルッち君は、私達の『希望』だよ」


 と、シロエルと同じように小声でそう答えた。




 


 

 どうも、ハヤテです。


 というわけで、かなり長くなってしまいましたが、これで第14章は終了です。


 今回春風君の話のテーマですが、最後にクロエルが言ってたように、『希望』をテーマに書きました。


 そして、この後のことですが、今回は思ったよりも、もの凄く長い話となってしまいましたので、次回からは暫くの間本編をお休みします。


 と言いましても、本編に負けないくらいの面白い話を書いて投稿していきますので、何卒よろしくお願いします。

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