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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第14章 更なる「力」を求めて

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第499話 春風編60 天使が去った後


 「天使」となったモーゼスが消えたことで、その場は静寂に包まれた。


 残ったのは、モーゼスが召喚した熊型神獣の死体と、モーゼスに操られ、現在は気を失っている登らクラスメイト4人とルークとダリアの断罪官2人、そして、悲痛な表情の春風と、そんな春風を心配そうに見守る仲間達だった。


 その時だ。


 『う、うぅーん……』


 と、気を失っていた登達がそう呻き声をあげたので、すぐに春風達はハッとなって彼ら側へと駆け寄った。


 その後、ゆっくりと起き上がったクラスメイト達に、


 「みんな、大丈夫か!?」


 と、小夜子が尋ねると、


 「……あ、先生」


 と、舞がゆっくりと小夜子を見てそう返事した。


 「深見、私達がわかるか?」


 と、舞を見て再び小夜子がそう尋ねると、だいぶ意識がハッキリし出したのか、


 「は、はい、わかります!」


 と、舞は首を何度も縦に振りながら答えた。それに続くように、他の3人も首を縦に振るった。


 その答えを聞いて、


 「ねぇ、北の地で別れた後、みんなに一体何があったの?」


 と、今度は美羽がそう尋ねてきたので、


 「……あの後、俺達はセイクリア王国へ帰る途中、乗っていた馬車が変な『光』に包まれて、それで……」


 と、遠山が答えたのだが、何故か途中で止めただけでなく、何処か申し訳なさそうな暗い表情になった。それは、近藤や舞、愛島も同様だった。


 そんな彼らを見て、


 「お、おい、お前らどうしたんだよ?」


 と、鉄雄がオロオロしながら尋ねると、


 「その……気がつくと変な空間みたいなところで動けない状態になって、耳に変なものつけられて……先生達に武器を向けて……!」


 と、遠山は更に表情を暗くしながら答えたので、


 「ちょっと待て、遠山! まさか、()()()()()()()!?」


 と、小夜子が問い詰めてきたので、遠山はビクッとなりながらもコクリと頷き、そんな遠山に続くように、近藤、愛島、舞も、表情を暗くしてコクリと頷いた。


 どうやら全員、モーゼスに操られて小夜子達と戦っていた時のことを覚えていたようで、それでもの凄く罪悪感に襲われているのだと、春風達は理解した。


 そんな中、


 「みんな……」


 と、小夜子がゆっくりと登達4人の前に出て、


 「無事で良かった」


 と言うと、ソッと彼らを優しく抱き寄せた。


 それに登達が「え?」っとなると、


 「ごめんね、駄目な先生で。本当に、ごめんね」


 と、小夜子は穏やかな口調でそう謝罪した。


 その言葉を聞いて、


 「お、俺……ご、ごめんなさい」


 「ごめんなさい、先生」


 「ごめんなさい」


 「ごめんなさい」


 と、近藤達は大粒の涙を流しながらそう謝罪すると、その後は幼い子供のように泣きじゃくった。


 そんな彼を見て、春風が「良かった」と一安心すると、


 「あ、そうそう! みんなハルッにお礼言いなね! みんなを助けたの、ハルッち何だからさ!」


 と、恵樹がそんなことを言ってきた。


 「へ!? 俺!?」


 と、春風は驚いたが、


 「そうだな。お前の活躍のおかげで、みんな元に戻ったんだから」


 と、小夜子がそう言ったので、


 「あー、えー、そのぉ……」


 と、春風が困ったような表情になると、


 「……幸村」


 と、近藤が涙を拭いながら春風を見て、


 「……ありがとう」


 と、お礼を言った。


 そして、遠山、愛島、舞も、


 「「「ありがとう」」」


 と、お礼を言ってきたので、


 「え、えーっとぉ……」


 と、春風は更に困ったような表情になった。


 すると、


 「幸村春風」


 と、不意に呼ばれたので、春風は「ん?」と声がした方へと振り向くと、そこにはユリウスとアリシア達に介抱されているルークとダリアがいた。


 春風はそんな2人を見て、


 (良かった、無事だった)


 と、ホッと胸を撫で下ろすと、


 「……まさか、異端者のお前に助けられるとはな」


 と、ルークが春風を睨みながらそう言ってきたので、


 「あー、もしかして、嫌だったかな?」


 と、春風は「参ったなぁ」と言わんばかりにポリポリと頬をかきながらそう尋ねた。


 すると、ルークはフイッと春風から視線を外して斜め下を向き、


 「……一度しか言わないからな」


 と言ったので、春風は「何だ?」と頭上に「?」を浮かべていると、


 「……感謝する。お前のおかげで、仲間を殺さずに済んだ」


 と、ルークは斜め下を見ながらそう言った。


 その言葉に春風は、少しギョッとなったが、


 「あー、うん。どういたしまして」


 と、顔を真っ赤にして照れくさそうに頭をかいた。


 


 




 


 


 


 


 

 予定ですが、次で今章最終話です。

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