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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第14章 更なる「力」を求めて

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第484話 春風編45 激突、2人の「賢者」


 「というわけで、もっといかせてもらいますよ、先輩?」


 「……ああ、かかって来なよ、後輩」


 春風とフリードリヒ。


 2人の「賢者」のやり取りを見て、春風の仲間達はゴクリと固唾を飲んだ。


 見守られる中、静かに睨み合う2人。


 先に動いたのは、


 「んじゃ、いきますか!」


 春風だった。


 春風は先ほどと同じように、右手に火、左手に水属性の魔力を纏わせると、フリードリヒに向かって突撃した。


 「何度やっても無駄だよ」


 そう言うと、フリードリヒは裏スキル[暴食]を発動し、その攻撃を受け止めようとした。


 だが、


 「何!? ()()()!?」


 フリードリヒの目前まで来た春風が、スッと消えたのだ。


 次の瞬間、春風はフリードリヒの背後に、その姿を現した。


 春風は右手をビシッと伸ばして、そこに纏わせた火属性の魔力の形を整えると、フリードリヒの首筋目掛けて、空手チョップをお見舞いしようとした……が、


 「うぐ!」


 「フフ、さっきの()()()だよ」


 それよりも早くフリードリヒ春風の腹に蹴りを入れた。


 吹き飛ばされる……かと思われたが、


 「まだだ!」


 「おや?」


 春風はそれでも、攻撃を止めることはなかった。


 首筋に向かって振り下ろされた炎の空手チョップ。


 しかし、当たる寸前のところで、フリードリヒはその場から飛び退いて、それを回避した。


 その後、フリードリヒは静かに地面に着地すると、春風の様子をジッと見た。


 蹴られた腹を摩っていたが、それほど痛がってはいない様子だったので、


 「へぇ、腹部に魔力を纏わせて、ダメージを軽減したんだ」


 と、フリードリヒはそう声をかけたが、春風はそれに答えず、黙ってフリードリヒを見つめていた。


 再び静かに睨み合う両者。


 動いたのは、


 「じゃあ、今度は僕の番かな?」


 フリードリヒだった。


 フリードリヒは目を閉じて深呼吸すると、春風がやったのと同じように、右手に火属性の魔力を纏わせた。


 それで春風と同じように殴りかかるのかと、春風をはじめ、誰もがそう思った。


 しかし、それだけでは終わらなかった。


 何故なら、フリードリヒはその火属性の魔力を、()()()に変えたからだ。


 「ハァア!」


 そして生み出されたのは、まるで剣のように形を整えられた炎だった。


 「な、何、あれ?」


 「ま、魔術? それともスキル?」


 目の前で起きたことを見て、仲間達が戸惑っていると、


 「……違う。()()は、どちらでもない」


 と、春風は静かにそう答えた。


 その答えを聞いて、


 「その通り。()()は魔術やスキルで作ったものじゃない。スキルを使わない魔力のコントロールは、何も君だけの特権ってわけじゃないってことさ」


 と、フリードリヒはニヤリとしながらそう言うと、その剣状の炎をグッと握って素早く春風すぐ側近づき、それを振り下ろした。


 「っ!」


 春風はすぐにその場から飛び退いて攻撃を回避したが、


 「甘いよ!」


 と、そこへフリードリヒが現れて、再び剣状の炎で攻撃してきた。


 それを見て、


 「春風ぁ!」


 と、冬夜は悲鳴をあげたが、


 「こんちくしょうがぁあああああっ!」


 と、春風はそう叫ぶと、なんと攻撃が当たる前に、フリードリヒに向かってタックルしたのだ。


 「うぉ!?」


 突然のことに驚いてバランスを崩したフリードリヒ。


 春風はそれを見逃さず、


 「求めるは“水”、流水の魔槍、『ウォーター・ランス』!」


 すぐにフリードリヒに向かって、水の魔術を放った。


 名前の通り、槍のように鋭く尖らせた水属性の魔力が、フリードリヒに襲いかかる。


 だが、フリードリヒは驚くことなく、なんと、自身の目の前に、剣状の炎をかざした。


 それを見て、


 「え、まさかあれで防ぐ気か!?」


 「え、火って水に弱いんじゃ!?」


 と、仲間達は誰もがそう思っていたが、


 「それはどうかな?」


 と、フリードリヒはまたニヤリと笑うと、剣状の炎を大きくした。


 そして、その炎に当たった水の槍。


 そのまま消えるのかと思われたが、なんと、消えたのは水の槍の方だった。


 「え、そんな!」


 「フフフ、強い炎というのは、水だって消せるものなのさ」


 驚く春風に向かってそう言ったフリードリヒは、更にそのこの剣状の炎を大きくすると、まるで斧を振り上げるかのように高く掲げて、


 「終わりだ、後輩」


 「っ!」


 と、春風に向かって勢いよく振り下ろした。


 それを見て、


 「ふ、フーちゃあああああああん!」


 と、歩夢は悲鳴をあげた。


 


 

 


 


 


 

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