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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第14章 更なる「力」を求めて

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第469話 春風編30 「幸村春風」と「新たな出会い」4

 今回は、いつもより短めの話になります。


 (あぁ、そういえばこんな感じだったよなぁ……)


 目の前で起きた中学2年の春風と、同じく中学2年の美羽との記憶を見て、春風は遠い目をしながら心の中でそう呟いていると、また眩い光と共に景色が変わった。


 気がつくと、今度は何処かの住宅街の中に立っていて、「今度はどの記憶だ?」と春風が辺りを見回すと、


 (あ、これも中学2年の時の記憶だ)


 と、思い出した。


 するとその横を、


 「ったく、師匠ったら一体どういうつもりなんだよ」


 (あ、中学2年の時の俺だ)


 愚痴をこぼしながら自転車を走らせる、中学2年の春風が通り過ぎた。


 途中止まってスマホの画面を見ながら自転車を進ませる中学2年の春風が向かった場所、そこは、大きな和風の屋敷の前で、その玄関についている表札には、「桜庭」と書かれていた。


 「でっか! え、ほんとにここでいいのか?」


 と、頭上に「?」を浮かべた後、中学2年の春風はピンポーンとインターフォンを鳴らして、


 「すみませーん!」


 と叫んだ。


 すると、玄関の扉が開かれて、


 「いらっしゃい、マイスウィートハニー!」


 と、その向こうから現れた凛依冴に、思いっきり抱きしめられた。


 「あの、師匠。恥ずかしいのでその呼び方やめてほしいんですが」


 と、中学2年の春風がジト目で凛依冴を見ながらそう言うと、


 「えー? いいじゃん、春風は私の愛しい弟子で、私の愛しいハニーなんだから」


 と、凛依冴はギュッと中学2年の春風を抱きしめたままそう返した。


 その時だ。


 『……どちら様ですか?』


 と、その屋敷の住人と思われる人達がそう尋ねてきたので、


 「紹介するね。この子は春風。私の弟子兼、愛しのマイスウィートハニーよ」


 と、凛依冴がそう答えた。


 その後、屋敷の住人達はというと、


 『……』


 と、中学2年の春風をジッと見つめていた。全員、顔を赤くしながら無言で突っ立っていたので、


 「あの……はじめまして、幸村春風といいます。『スウィートハニー』は余計ですが、間凛依冴の弟子をしております」


 と、中学2年の春風はそう自己紹介した。


 すると、それを聞いてハッとなったのか、


 『は、はぁ、どうも』


 と、屋敷の住人達は顔を更に赤くした。


 そんな彼らを、中学2年の春風は「なんだぁこの人達は?」と言わんばかりの表情になると、凛依冴はクスクスと笑いながら、


 「あ、因みにこの子、()()()だからね」


 と、凛依冴がそう付け加えたので、住人達は皆、「え?」と一斉に頭上に「?」を浮かべてポカンとなった。


 それを見た中学2年の春風は、「ハァア」と盛大に溜め息を吐いた後、


 「……はい。俺、顔はこんなですが、男です」


 と、何処か自嘲気味にそう言った。


 それを聞いた住人達は、次の瞬間、


 『な、何だってぇえええええええっ!?』


 と、皆、一斉に驚愕の声をあげた。


 そんな住人達を見て、


 「アーハハハハハハハッ!」


 と、凛依冴は腹を抱えて爆笑し、


 「なんなんだよったく。俺は一体、何の為にここに呼ばれたんだよ」


 と、もの凄く不機嫌そうな表情になった。


 そんな異様な光景を見て、


 「そう、これが俺と水音……いや、桜庭さん達との『出会い』だったんだ」


 と、春風は再び遠い目をするのだった。


 


 


 

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