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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第14章 更なる「力」を求めて

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第467話 春風編28 「幸村春風」と「新たな出会い」2


 その後、中学生時代の春風は「村長」である老人男性に、その「村」の中を案内された。因みに、凛依冴は来たことがあるというので、この時は別行動になっていた。


 「村」の中自体はとてものどかな雰囲気をしていたが、そこに住む者達は、皆、炎や水、風や植物を操ったりと、様々な特殊能力を持っていた。


 「うわぁ、凄いや!」


 と、目をキラキラと輝かせた春風に、


 「どうですかな? あなたも使えるようになってみませんか?」


 と、「村長」が尋ねてきた。


 「え、それって俺も使えるようになれるってことですか!?」


 と、中学生時代の春風がそう尋ね返すと、


 「ええ。凛依冴殿が言うには、どうやらあなたにはその才能があるようです。もしよろしければ、あなたにその力の使い方を教えますが……」


 と、「村長」がそう答えると、


 「やります! 是非、教えてください!」


 と、中学生時代の春風は「村長」に向かって即答した。


 それから1週間、中学生時代の春風は「村長」をはじめとした「村」の住人達から「力」の出し方や使い方を教わり、その結果、「村」の住人達より弱いが、風を操れるようになった。


 その後、中学生時代の春風は凛依冴と共に「村」を後にして日本に帰ったが、「力」が使えるようになったことを誰にも話さず、ごく普通の一般人としての日常を送った。当然、「力」を使いこなす為の訓練を欠かさずに、だ。


 その後、また眩い光と共に景色が変わった。


 そこは、廃墟となった工場の中のようで、そこには「力」を使いこなす為の訓練をしている中学生時代の春風がいた。


 「さーて、今日はこんなところかな?」


 と、中学生時代の春風がそう言うと、


 「ん?」


 と、何かに気づいたかのように辺りをキョロキョロと見回した。


 「何だろう?」


 と言うと、中学生時代の春風はすぐに廃工場を出て、その周囲を彷徨き始めた。


 すると、


 「あれ? あれは……」


 壁の隅に何かがいるのが見えたので、中学生時代の春風は恐る恐るその何かに近づいた。


 「え、女の子!?」


 と、春風が小声で驚きながらそう言ったように、その正体は、体を震わせながら縮こまっている少女だった。


 「も、もしもーし」


 と、中学生時代の春風がソーッとその少女に話しかけると、


 「ヒィアッ!」


 と、少女はビクッとなって中学生時代の春風の方へと振り向いた。


 それに驚いた中学生時代の春風は、


 「ああ、すみません、驚かすつもりはなくてですね……」


 と、少女に向かって謝罪すると、


 「む?」


 と、再び何かに気づいたかのように辺りをキョロキョロと見回した。


 「……誰か来るのか?」


 と、中学生時代の春風が小さい声でそう呟くと、


 「(ビクッ)!」


 と、少女は再び体を震わせたので、中学生時代の春風は「まさか……」と感じて、


 「ちょっとすいませんよ!」


 と、その少女を抱き抱えて、大急ぎでその場を去った。


 その後、春風は人が大勢いそうな場所の付近でその少女を下ろすと、


 「これでいいですか?」


 と、少女に向かって尋ねた。


 少女はその質問に対して、最初はポカンとしていたが、すぐにハッとなって、


 「あ、ありがとうございます!」


 と、深々と頭を下げてお礼を言った。


 中学生時代の春風はそれを「うん」と頷くと、


 「じゃ、俺はこれにて失礼……」


 と言ってその場を去ろうとした、まさにその時、


 「ま、待って!」


 と、少女が春風の襟首を掴んできたので、中学生時代の春風は思わず、


 「グエッ!」


 と唸った。


 「な、何すんですか?」


 と、中学生時代の春風がジト目で少女にそう尋ねると、


 「ご、ごめんなさい! あの私、1人じゃ帰れないので、一緒に家まで着いてきてください!」


 と、少女は申し訳無さそうに何度も頭を下げながらそう懇願してきたので、中学生時代の春風は「えぇ?」と警戒心をむき出しにしたが、少女があまりにも真剣な表情をしていたので、


 「……ハァ。わかりました」


 と、溜め息を吐きながら了解した。


 その後、再び「ありがとうございます」とお礼を言った少女に、中学生時代の春風は、


 「それじゃあ、俺のことは誰にも言わないって約束してね」


 と、条件のようなもの(?)を出すと、少女は「うんうん」と何度も頷いたので、


 「俺は春風。幸村春風。君の名前は?」


 と、中学生時代の春風は自己紹介しながら少女に尋ねた。


 尋ねられた少女は、


 「め、明華です、山主明華!」


 と、また何度も頭を下げながらそう自己紹介したので、


 「オーケイ、山主明華さんね。じゃ、行きましょうか」


 と、中学生時代の春風がそう言うと、


 「は、はい!」


 と、その少女、明華は何度も頷いたので、中学生時代の春風は「やれやれ……」と頭をかいた。


 そんな2人の様子を見て、春風は呟く。


 「うん。これが、後に俺の『後輩』になった山主明華さんとの出会いだったんだ」


 

 


 


 

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