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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第14章 更なる「力」を求めて

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第464話 春風編25 混乱する店内

 本日2本目の投稿です。


 「お義父様! あなたの息子さんを、私にください!」


 土下座でそう叫んだ凛依冴を前に、


 『はぁあああああああっ!?』


 と、小学生時代の春風、その養父・涼司、そして「風の家」にいる他のお客さん達は皆、そう絶叫した。


 その後、すぐに我に返った小学生時代の春風が、


 「ちょ、ちょっと待ってくださいよマリーさん! それってあれですか!? 俺にオヤジを裏切って、あなたの家族になれって意味ですか!?」


 と、凛依冴に問い詰めると、


 「半分当たりで、半分外れかな」


 と、凛依冴が顔を上げながら答えると、懐から1枚の紙を取り出して春風に渡した。


 受け取った春風は「何だ?」と思ってその紙を見ると、それは、


 「こ、婚姻届ぇ!?」


 そう、婚姻届だった。しかも、ご丁寧に凛依冴の名前が書かれていた。


 その言葉を聞いた瞬間、涼司もハッと我に返って、


 「ふ、ふざけんじゃねぇぞコラァアアアアアアア!」


 と叫ぶと、小学生時代の春風から婚姻届を取り上げ、ビリビリに破いた。


 その後、


 「ハッハーッ! これでもうふざけた発言は出来ねぇぞ! さぁ、諦めて帰った帰ったぁ!」


 と、涼司は高笑いしながら凛依冴に向かってそう言ったが、


 「あ、問題ありませんよ」


 と、凛依冴は懐から新たな婚姻届を取り出した。


 「何で持ってんだぁ!? てか、あんた歳は一体いくつだ!?」


 「はい! 21です!」


 「10コも離れてるじゃねぇか! ふざけんのも大概にしろや!」


 「そんなこと言わずにお義父様! 春風君を……息子さんを私にください!」


 「その『お義父様』ってのやめろ! 駄目だ駄目だ! 駄目だ! あんたみたいな奴に、春風は渡さねぇ!」


 土下座をしながらそう叫ぶ凛依冴と、全力で拒否する涼司。そんな2人の姿を、小学生時代の春風と他のお客さんは、口をあんぐりとさせながら見ていた。


 すると、


 「ねぇ春風!」


 「は、はい!?」


 「私と結婚は、いや?」


 と、目をうるうるとさせながらそんなことを尋ねてきた凛依冴に、春風は「ふえっ!?」と困ったような表情になると、


 「え、ええっと、お、俺は……こうしてマリーさんにまた会えて嬉しいですし、マリーさんのことは、嫌いじゃないですけど、いきなり『結婚』してと言われましても、どうすればいいのかわかりませんし、ていうか俺、その、()()()()()()()()()()()()()()いますし。ああでも何でだろう? マリーさんのことも裏切りたくないと思ってる自分もいて……あれ? なんか俺、もの凄く最低なこと言ってる? いや、でも……」


 と、何やらぶつくさとそう呟くと、両目を漫画のキャラクターがしているようにグルグルと回転させた。


 そしてその後、顔を真っ赤にして頭のてっぺんからボンっと煙を上げた。


 それを見て、


 「キャアアア、春風ぁ!」


 と、凛依冴は悲鳴をあげ、


 「わー春風! テメェコラ、やっぱ今すぐ帰れ! そんで出禁だ、出禁!」


 と、涼司はそんな彼女を追い出そうとした。


 必死で「嫌よ!」と抵抗する凛依冴と、「いいから来い!」と無理矢理追い出そうとする涼司。


 混沌とした店内で、お客さん達がオロオロとしていると、


 「あー、ちょっといいだろうか?」


 と、その中の1人である男性が、「はい」とてを上げたので、小学生時代の春風、涼司、凛依冴、そして他のお客さん達は「ん?」とその男性を見た。


 皆の視線が集まって、男性は「うぅ」と唸ったが、「負けるものか」と言わんばかりに表情をキリッとさせて、


 「あー、す、すまねぇが、まずはあんた……」


 と、凛依冴を見た。


 「何でしょうか?」


 「あんたは彼のことが本気で好きで、彼と生涯を共にしたいのだな?」


 「勿論!」


 そう答えた凛依冴に、男性は「そうか」と呟くと、


 「で、店主さん」


 と、今度は涼司を見た。


 「何だい?」


 「あんたは、大切な息子をわけのわからない女性などに渡したくない、ということでいいだろうか?」


 「おう、そうだ」


 と、涼司が答えると、男性は、

 

 「で、息子さんや。お前さんは彼女のことは好きなのだが、自分でも最終的にはどうなりたいのかわからない、で、いいだろうか?」


 と、最後に小学生時代の春風を見てそう尋ねた。


 その質問に対して、小学生時代の春風は「あ……」と小さく呟くと、


 「はい、自分でも情けないことを言ってるのはわかっているんですけど……」


 と、申し訳なさそうに答えた。


 その答えを聞いて、老人男性は「そうかい……」と呟くと、少し考え込んで、


 「うん、なら()()は1つしかねぇ」


 と、老人男性は何かを閃いたかのような表情になった。


 そして、


 「なぁ、あんた……」


 と、男性は凛依冴を見て、


 「こいつを、あんたの『弟子』にしたらいいんじゃねぇか?」


 と、小学生時代の春風を指差しながらそう提案してきた。


 それを聞いた瞬間、小学生時代の春風は勿論、涼司、凛依冴、そして他のお客さん達は、


 『……え?』


 と、一斉に頭上に「?」を浮かべた。


 


 

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