第457話 春風編18 そして、「事件」は起きた2
お待たせしました、1日遅れの投稿です。
そして、今回はいつもより長めで、かなり残酷な話になります。
警備員の1人から放たれた、1発の銃声。
その後すぐに、1人の外国人科学者が倒れ、その人を中心に床が真っ赤に染まり、それと同時に、倒れた外国人科学者の後にいた科学者も、痛そうに右腕を押さえて、その場に膝から崩れ落ちた。よく見ると、押さえている部分から真っ赤に染まっていて、それがその科学者の血と理解するまで時間がかかった。
誰もがこの状況を理解出来ないでいたが、やがてハッとなったのか、
「キ、キャアアアアアアアッ!」
と、1人の女性科学者の悲鳴がその場に響き渡り、それをきっかけに、冬夜や元作をはじめとした科学者達も我に返った。
「オイ、大丈夫か!?」
と、元作が倒れた外国人科学者に近づこうとすると、
「おっとぉ」
と、ブレイン・ロードの使者がそう呟くと、周囲の銃を構えた警備員の1人に合図を送った。
すると、その警備員の持つ銃からも弾が飛び出し、元作の一歩前の床に当たった。
足を止められた元作は、
「貴様……!」
と、撃ってきた警備員を睨みつけると、
「動かないでくださいよ、愛染博士。彼はもう助かりませんし」
と、ブレイン・ロードの使者は穏やかな口調でそう言った。そして、彼に続くように、
「愛染所長、お願いします。どうか、ここは大人しくしてください」
と、アンディこと流も、元作を説得してきた。
元作は視線を流に向けて尋ねる。
「安土博士、こんなことをするような連中だと知っても、お前さんはそちらにつくというのか?」
その問いに対して、流は辛そうな表情になったが、
「……それでも、僕にはどうしても成し遂げたい『目的』がありますから」
と、真っ直ぐ元作を見てそう答えた。
その時だ。
バンっという大きな音と共に、部屋の隅から銃を持った外国人の集団が現れたのだが、
「ーー、ーーーーー?」
と、その中の1人がそう言ったように、彼らはこの状況が理解出来てない様子だった。
そんな彼らを見て、
「ふむ、時間ピッタリのようですね」
と、ブレイン・ロードの使者が小さくそう呟くと、
「殺れ」
と、警備員達に向かってそう命令した。
次の瞬間、警備員達はその銃を持った集団を、1人残らず撃ち殺した。
あまりのことに驚き、動揺を隠せない科学者達。
そんな中、立派な衣服に身を包んだ初老の男性はというと、
「ヒ、ヒィイッ!」
と、その場から急いで部屋の外へと逃げ出した。
そして、そんな状況の中、
「春風、見ちゃ駄目!」
と、雪花が小学生時代の春風を庇うが、それでも一歩遅かったようで、小学生時代の春風は、しっかりと目の前で起きた惨劇を見てしまった。
そんな2人に、
「は、春風、雪花さん……」
と、流が近づいてきたが、
「来ないで、裏切り者!」
と、雪花に怒鳴られてしまい、
「っ! 僕は……」
と、流はその場から動けなくなった。
やがて銃を持った集団の殺害が終わると、
「なんのつもりだ!?」
と、元作が怒りの形相で問い詰めてきたので、
「何って、今からあなた方には一緒に来てもらいますから、ああ勿論、世間には『死んだ』ってことにしますので。で、彼らはその為の『身代わり』みたいなものです」
と、ブレイン・ロードの使者は穏やかな口調を崩さずにそう答えた。
その答えを聞いて、元作は「貴様……」とブレイン・ロードの使者を睨みつけたが、彼はそれに構わず、
「特に光国冬夜博士、あなたには是非一緒に来てもらいますよ」
と、今度は冬夜に向かってそう言った。
冬夜も元作と同じようにブレイン・ロードの使者を睨みつけたが、
「おやおや、奥様とお子様がどうなってもいいのですか?」
と、彼は無言で自身の後ろの仲間2人に視線を送った。
すると、2人は小学生時代の春風達に近づいてきたので、
「や、やめてください!」
と、流が2人に向かってそう叫んだが、それでも2人は止まらず、
「お、お母さん……」
「嫌、来ないで……」
と、小学生時代の春風と雪花が怯えだすと、
「お前らぁ! 僕の家族から離れろぉ!」
と、激昂した冬夜が、懐から何かを取り出しながら突進してきた。
それを見て、すぐに警備員達が冬夜に向かって銃を構え、撃ってきたが、
「冬夜さん!」
「危ねぇ!」
と、冬夜を庇って「リッキーさん」こと御堂力丸と、「ケントさん」こと伊集院賢人が、その銃弾を受けて倒れ、
「ぐぅ!」
と、冬夜も足に銃弾を受けて、小学生時代の春風の目前で倒れた。その際、手に持っていた何かーーナイフを落として。
「お父さん!」
「冬夜君!」
と、小学生時代の春風と雪花が悲鳴をあげ、
「リッキー!」
「ケント! テメェ、よくも!」
と、撃たれた力丸と賢人を見た「アーヤさん」こと丸川綾子と、「キャシーさん」ことキャサリン・早乙女が、力丸達を撃った警備員達に掴みかかったが……。
ーーバァン!
ーーバァン!
と、彼女達も警備員達の銃弾に倒れた。
「アーヤ博士! キャシー博士!」
と、元作はそう叫んだ後、
「貴様ぁ、いい加減に……!」
と、元作も怒りに任せて突撃したが、
「うるさいですよ」
と、ブレイン・ロードの使者は懐から拳銃を取り出して、それで元作の足を撃った。
それを見て、
「や、やめてください!」
と、流は叫んだが、
「いやいや、言うことを聞かない悪い人には、こうでもしなくては……」
と、ブレイン・ロードの使者は笑って更に引き金を引こうとした。
ところが、
「やめろぉっ!」
「何っ!?」
小学生時代の春風が、ブレイン・ロードの使者の腕にしがみつき、持っている拳銃を奪おうとしたのだ。
「この、悪い子だ……!」
と、ブレイン・ロードの使者はすぐに小学生時代の春風を振り解こうとしたが……。
ーーバァン!
と、その拳銃から一発の銃弾が放たれて、科学者達の背後にあるエネルギー発生装置にあたった。
「しまった……!」
と、ブレイン・ロードの使者が驚いた次の瞬間、装置からバチバチと火花が出て……。
ーードォン!
と、大きな爆発音がなった。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。
この話流れを考えていたら、その日のうちに終えることが出来ず、結果1日遅れの投稿的なものとなってしまいました。
また、今回は前書きにも書きましたが、かなり残酷なシーンが入っております。読んで気分を悪くしてしまったら、申し訳ありません。
本当にすみません。




