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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第13章 新たな「旅立ち」に向けて

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第381話 それぞれの占いへ


 「それでは、早速準備を始めますので、皆さん、大変申し訳ありませんが、ちょっと手伝ってください」


 と、エスターはそう言うと、春風達に指示を出しながら、占術師の専用スキルである「占術」の準備に取り組んだ。


 といっても、そこまで大きなものではない。単純に、テントの中央に大きなテーブルを置き、その上にエルードの「世界地図」と、エスターが「占術」に使う道具を配置するというものだった。


 そして、全ての準備が終わると、


 「では、これより『占術』を始めます」


 と、エスターが「占術」開始を宣言した。


 世界地図と「占術」に使う道具、水晶玉と羽ペンが置かれたテーブルに、春風達を含めた大勢の人達が取り囲む。


 そんな状況の中、エスターが最初に指名したのは、


 「まずはあなたです、リアナさん」


 リアナだった。因みに、春風達は既にエスターへの自己紹介は済ませてある。


 エスターに指名されて、リアナは「はい」と一歩前に出ると、


 「失礼します」


 と、エスターはそう言って、左手でリアナの手を握った。


 その後、


 「目を閉じて、意識を集中してください」


 と、エスターに指示されて、リアナはそれに従ってゆっくりと目を閉じた。


 そして、エスターは残った右手で水晶玉に触れると、自身も目を閉じて、


 「専用スキル、[占術]発動」


 と小さく呟いた。


 次の瞬間、エスターが触れた水晶玉が白く光り輝いた。


 それを見て、周囲の人達が「オオ……」と声をあげると、光はスゥッと消えた。


 そして光が消えた後、エスターはゆっくり目を開けると、リアナの方へ向いて、


 「お答えしましょう。あなたがこれから向かうのは、既に滅びた小さな『村』。そこであなたは、とある『再会』を果たし、その後大きな『試練』に挑むことになります」


 「再会と、試練?」


 リアナはそう言って首を傾げると、エスターは水晶玉から手を離し、代わりに側に置いた羽ペンを手にとって魔力を込めた。


 そして魔力を込めたその羽ペンで、


 「『村』の場所は、ここです」


 と、世界地図のとある箇所に印をつけた。


 周囲の人達がその印がついた場所を食い入るように見つめる中、エスターはリアナから左手を話すと、


 「次はあなたです、水音さん」


 と、今度は水音を指名した。


 水音は「はい」と返事をすると、リアナと同じようにエスターに左手で手を握られて、目を閉じるように指示された。


 その後エスターは羽ペンを置いて、再び右手で水晶玉に触れると、目を閉じて「占術」を開始した。


 すると、再び水晶玉が光り輝いた。今度は青い光だ。


 やがて光が消えると、エスターはゆっくりと目を開いて水音の方へと向き、


 「お答えしましょう。あなたが対峙するのは、深い悲しみや怒り、憎しみを宿した、黒い大きな『獣』。その獣と戦うことになった時、あなたは『最も向き合いたくないもの』とも対峙することになります」


 「最も向き合いたくたくないもの?」


 そう言って、水音が頭上に「?」を浮かべる中、エスターは再び水晶玉から手を話して羽ペンを手に取って魔力を込めた。


 そして、

 

 「『獣』がいる場所は、ここです」


 と、エスターはリアナの時と同じように、地図のとある箇所に印をつけた。


 それを見て、


 「オイオイ、帝国(うち)の近くじゃねぇか」


 と、ギルバートがそうぼやくと、


 「最後はあなたです、春風さん」


 と、エスターは最後に春風を指名した。


 「……はい」


 と、春風はそう返事すると、水音と交代する形でエスターに左手で手を握られた。


 そしてゆっくりと目を閉じたのを見て、エスターは右手で水晶玉に触れた後、自身も目を閉じて、「占術」を開始した。


 すると、水晶玉は今度は赤く光り輝いた。


 やがて赤い光が消えると、またエスターはゆっくりと目を開けて、春風を見る。


 「お答えしましょう。あなたが挑むことになるのは、『継承の試練』。その『試練』に挑む際、あなたはご自身の『力』の意味について知ることになるでしょう」


 「力の、意味?」


 と、春風が首を傾げると、エスターは三度羽ペンを手にとって魔力を込めて、


 「『試練』の場所は、ここです」


 と、地図の「とある場所」に印をつけた。


 「……え、()()!?」


 そこは、春風が知っている場所だった。

 

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