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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第13章 新たな「旅立ち」に向けて

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第378話 ハンクと鍛治師クリフ

 お待たせしました、1日遅れの投稿です。


 それと、今回はいつもより長めの話になります。


 「お話は聞きました!」


 突如テントの中に入ってきた2人の男性。


 その1人の正体は、


 「あなたは……ハンクさん!?」


 そう、シャーサルを代表する巨大レギオンの1つ、「黄金の両手」のリーダー、ハンク・ブレイトンだった。


 「ど、どうしたんですかハンクさん?」


 と、春風が驚いた表情のままハンクに向かって尋ねると、


 「いやぁ、何やら()()()()()()()が起こりそうな予感がしたものでね、ついテントの外で聞き耳を立ててしまったのですよ」


 と、ハンクは「フフ」と笑いながら答えた。


 春風はその答えを聞いて、


 「いや、『面白そうな』って……」


 と、文句を言おうとしたその時、


 「あー、ちょっといいかリーダー」


 と、ハンクの側に立っているもう1人の男性が口を開いた。


 見たところ30代くらいの、大柄で立派な髭と筋肉を持ったその男性は、その後無言でヘファイストスに近づくと、スッとその場に跪いて、


 「お初にお目にかかります。俺……失礼、自分の名はクリフ・グッドソンといいます。レギオン『黄金の両手』に所属する鍛治師です」


 と、いかにもガサツそうな見た目に似合わない丁寧な口調でそう言った男性、クリフを見て、


 「おお、これはご丁寧に。俺の名はヘファイストス、『炎』と『鍛治』を司る地球の神の1柱だ。で、お前さんとそっちのリーダーさんは、一体何の用なんだい?」


 と、ヘファイストスはハンクをチラリと見ながらそう尋ねた。


 するとハンクは「これは失礼」と言わんばかりにハッとなると、


 「ああ、すみません、申し遅れました。私の名はハンク・ブレイトン。ハンターレギオン『黄金の両手』のリーダーを務めております」


 と、クリフの隣で跪いて名乗った。


 それを見てヘファイストスが「あぁこちらも丁寧に」と言って、その後ハンクに続きを話すよう促すと、ハンクは顔を上げて答えた。


 「はい、神様であるあなたを前に無礼なのは重々承知ですが、先ほどお話ししたように、今までのお話は全てテントの外で聞かせてもらいました。その上で、お願いしたいことがあります」


 「ふむ、言っていいぞ」


 ハンクの話を聞いてヘファイストスがそう言うと、


 「ありがとうございます。私がお願いしたいこととは、あなたが持つその剣を生まれ変わらせる役目を、こちらのクリフさんにやらせて欲しいのです」


 と、ハンクはヘファイストスが持ってる刀の方の彼岸花と、自身の隣で跪くクリフを交互に見ながらそう言った。


 それを聞いて、その場はポカンとなったが、


 「……は! ま、まさか、それと交換条件にハンクさんのレギオンの傘下に入れと!?」


 と、ハッとなった春風が慌ててハンクにそう尋ねた。因みにその近くでは「何だと!?」とギルバートも驚いていた。


 しかし、ハンクはそんな春風を見て、


 「いやいや、そんな卑劣なことはしませんよ。そんなことをしてしまったら、私がギルバート陛下に殺されます」


 と、ハンクは「滅相もない」と言わんばかりに笑みを浮かべながらそう答えた。因みにギルバートはそれを聞いて、


 「当然だ」


 と、腕を組んでウンウン頷いていた。


 「えっと。じゃあ、どうして……?」


 と、春風が再び尋ねようとしたその時、


 「それは、俺が説明しよう」


 と、クリフは立ち上がって春風方へと向いた。


 「改めて、初めましてだな。俺の名はクリフ、『黄金の両手』に所属する鍛治師だ。ハンター・ハル……いや、『賢者』春風と呼べばいいか?」


 と、自己紹介したクリフに、春風は真剣な表情になって、


 「どうも、初めまして。レギオン『七色の綺羅星』リーダーの、幸村春風と申します。春風、で構いません。あと、『賢者』ではなくて、半人前の『半熟賢者』ですが」


 と、自身もそう自己紹介した。ただ、最後部分は少々自嘲気味にだが。


 クリフはそれを聞いて、


 「ハハ、半熟……か」


 と、小さく笑うと、すぐに真面目な表情になって、


 「お前のことは、帝国での決闘の時からずっと知っていた」


 と話し始めた。


 「……あれ、見てたんですか?」


 「ああ、お前とそちらにいる水音との決闘から、お前が女神マールを拳骨で潰したところもな」


 クリフの言葉に春風が「うぐっ」と呻くと、クリフはチラリとリアナに抱き抱えられているループスを見て、


 「それだけじゃねぇ、そこの『邪神』との戦いも、その後の風の神ガストとの戦いぶりも、そして、その剣を抜いた瞬間も見させてもらった」

 

 と、最後にチラリと刀の方の彼岸花を見ながらそう言った。


 「……」


 春風はその言葉に何も言えずにいると、クリフは再びヘファイストスの方を向いて、「ちょっと失礼」と言ってその手に持つ刀の方の彼岸花を見つめると、


 「彼岸花、こいつは確かに禍々しいが、同時に『良い剣』だ。とても死体から作られたとは思えねぇ」


 そう言うと、クリフは再び春風に向き直って口を開く。


 「なぁ、春風」


 「何でしょうか?」


 「帝国での決闘の時にお前の『目的』のことも聞いたが……お前は、『大事なもの』を守る為にこの世界に来たんだよな?」


 「はい」


 「で、その為にこの世界の『神』と戦おうとしてんだな?」


 「……はい。この世界人達には申し訳ありませんが」


 と、春風が気まずそうにそう答えると、クリフは小さく「そうか」と呟いて、


 「だったら、俺に打たせてくれねぇか? お前の為の『剣』を」


 と、春風に向かってそう言った。


 「……いいんですか? そんなことをしたら、『悪魔に手を貸した』ってことになりますけど?」


 と、春風が真剣な表情でクリフにそう尋ねると、


 「は! 構わねぇよ、んなもん。それに俺にはわかるぜ、お前は近い将来、ものスゲェ『奇跡』を起こすってな。それも、世界を『良い方向』へと導くくらいの、な。で、そんなスゲェことをやる人物であるお前の為に、最高の『剣』を作るってのは、鍛治師として最高の『名誉』に等しいものだ」


 「クリフさん……」


 「だから頼む、俺に打たせてくれ、『世界』の為に『神』に挑もうとするお前の為の、最高の『剣』を!」


 クリフはそう言うと、春風に向かって深々と頭を下げた。


 春風はそんなクリフに、


 「俺はそんな大層な人間じゃない」


 と言おうしたが、


 (……いや、違うな。ここはそう言うところじゃない)


 と考えて、それを言うのをやめると、少女の方の彼岸花を見て、


 「……良いよね?」


 と、尋ねると、少女の方の彼岸花はニコリと笑って、


 「うん」


 と頷いたので、春風もニコリと笑うと、


 「クリフさん、ハンクさん」


 と、クリフとハンクを交互に見て、


 「俺の方こそ、彼岸花のこと、よろしくお願いします!」


 と、春風も2人に向かって深々と頭を下げた。

 


 


 


 

謝罪)


 大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えていたら、結局1遅れの投稿となってしまいました。


 本当にすみません。


 それと、春風君とハンクさん、そして、「紅蓮の猛牛」リーダーのヴァレリーさんとの関係ですが、こちらにつきましては「別の形」で書いていく予定です。

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