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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第1章 誕生、ユニークな賢者

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第3話 告げられたのは、最悪の事態


 自らを「神」と名乗る男女の突っ込みから暫くして、最初に口を開いたのは、「アマテラス」こと「天照大神」と名乗った女性だった。


 「いやー、まさか髪型を褒められるとは思わなかったわー」


 その言葉に続く様に、「ゼウス」、「オーディン」と名乗った2人の男性も口を開いた。


 「だよな。俺達の服装には何のコメントも無かったのにな」


 「そうだね。僕達が言うのもなんだけど、『神様』ともあろう者が()()()()()()()()()で、おまけに()()だなんて有り得ないって思わなかったのかな?」


 すると、春風は真面目な表情で答えた。


 「ああ、服装についてでしたら、普通に似合ってると思いましたので、何も言いませんでした」


 「「「いや、『何も言いませんでした』って……」」」


 「あと、俺、生まれて初めて『神様』というものを初めて見ましたので、ちょっと反応に困ってしまいました」


 「「「そんな()()()みたいに言うなよ!」」」


 春風の発言に突っ込みを入れる3人……否、3柱の神々だが、このままでは話が進まないと感じたオーディンは、何処からか1冊の本を取り出し、パラパラと捲った。そして、とあるページで手を止めると、そこに書かれているモノを声を出して読んだ。


 「幸村春風。本名、光国春風(みつくにはるか)。4月24日生まれの17歳。常陽学園高等学校に通う高校2年生。家族構成、父・光国冬夜(みつくにとうや)と母・光国雪花(みつくにせつな)は7年前に死亡。その後、父親の友人である幸村涼司に引き取られ、以後、幸村春風として過ごし、涼司と共に喫茶店「風の家」を経営する。趣味はトレーニングと漫画集め。特技は機械いじりと料理。特に豚汁作りを得意とし、その味はご飯がおかずになってしまう程に絶品である。好きな物はお菓子全般。嫌いな物は……」


 すると次の瞬間、


 「もう良いですわかりました! 皆さんの事を信じます! 疑ったりして申し訳ありませんでした!」


 どうやら、オーディンが読んでいたのは春風自身の()()()()()()だったので、春風は物凄い勢いで目の前の神々に土下座した。


 そんな春風を見て、オーディンは「ウンウン」と頷くと、パタンと本を閉じて、また何処かへとしまった。


 その後、気まずい空気が場を包み、これはいかんと思ったアマテラスは、


 「そ、それじゃあ真面目な話をしよっかぁ!」


 と、強引に話を進めた。


 気まずい空気が消えたのを感じた後、アマテラスは未だに土下座している春風に話しかけた。


 「あー春風君、全てを思い出したばかりでなんだけど、体の方は大丈夫かな? 気分とか悪くないかな?」


 その質問に答える為に、春風は頭を上げながらスッと立ち上がった。


 「はい、大丈夫です。何処も異常は無いと思います。アマテラス様……でよろしいでしょうか?」


 「ええ。さっきも言ったけど、私の事は『アマテラス』って呼んでね」


 「わかりました。その、声でわかったのですが、教室で俺を助けてくださった方……ですよね?」


 「ええ、そうよ。私とゼウスとオーディンで、君をあの『光』から引っ張り上げたて、この空間に連れてきたの」


 「あの、ここって一体何処なんですか?」


 「ここは世界から隔離された特殊な空間でね、本当は私達神が住む『神界』に連れてきたかったんだけど、今ちょっと緊急事態でゴタゴタしちゃってて、急遽こっちに変更したっていうわけなんだ」


 「そうだったのですか……と、遅くなりましたが、助けてくださってありがとうございました」


 そう言うと、春風はアマテラス達に深々と頭を下げた。


 しかし、アマテラス達は、何処か申し訳なさそうな表情で、


 「いいえ、私達はお礼を言われる様な事をしていないわ」


 「ああ、あの時助けることが出来たのは、お前1人だけだったしな」


 「うん、残念だけど、他の人達は無理だったよ」


 と言うと、今度はアマテラス達が春風に「ごめんなさい」と言わんばかりに深々と頭を下げた。


 「そ、そんな……」


 ショックを受けた春風だが、すぐに冷静になってアマテラス達に質問した。


 「あの、一体俺達に何が起きたのですか?」


 その質問に答えたのは、アマテラスだった。


 「春風君、君は『異世界召喚』というものを知っているかな?」


 「え? ええ、そのての漫画は読んでいますので、知ってますが……」


 一瞬キョトンとなりながらもどうにか答えた春風に、今度はゼウスが口を開いた。


 「実はな……『異世界召喚』は現実に存在している」


 「……へ?」


 「そしてその『異世界召喚』によって、お前の担任教師とクラスメイト達は、『エルード』っていう世界に召喚されちまったんだ」


 「……マジですか?」


 「ああ、マジだ」


 ゼウスのその言葉に、春風が呆然とした状態で固まっている中で、さらにオーディンが続いた。


 「そして、ここからが大事な所だから、落ち着いて聞いてほしい」


 ゴクリと固唾を飲んだ春風に、意を決したオーディンが口を開いた。


 「実は、その『エルード』という世界に住む連中が行った『異世界召喚』によって……地球が()()の危機に陥ってしまったんだ」


 真剣な表情のオーディンの言葉に、少しの間固まった春風は、


 「……はあ、はい?」


 と、何とも間抜けそうな返事をするのだった。


 


 


 

 

 


 


 


 


 


 

 

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