表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第12章 集結、3人の「悪魔」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

383/609

第347話 vsガスト、決着?


 春風に殴り飛ばされて、地面に激突したガストは、殴られた部分を手で押さえながらどうにか立ち上がると、


 「お、お前ぇ……」


 と、目の前にいる春風をキッと睨みつけた。


 一方、睨まれている春風はというと、


 「フン」


 と、彼岸花の峰で肩をトントンと叩きながら、涼しい表情で真っ直ぐガストを見つめていた。


 そんな春風の態度に、ガストは更に頭に血が昇ったのか、


 「チクショオオオオオッ!」


 と、怒りに任せて何度も風の弾丸を放ってきた。


 その攻撃に対して、春風は身構えようとしたその時、


 「「ハァッ!」」


 「ん?」


 突然、背後から声がしたのと同時に、その声が放ったかのような攻撃が、ガストの風の弾丸を全て打ち消した。


 「そ、そんな……」


 ガストがその出来事にショックで呆然とする中、春風は声がした方へと振り向くと、そこには攻撃を終えたかのような体勢のリアナと水音がいた。


 「助かったよ2人共」


 と、春風がお礼を言うと、


 「全く、『目立つのは嫌い』って言ってた癖に……」


 「ほんとやることは派手なんだから」


 と、2人は呆れ顔でそう返した。


 そんな2人に対して、


 「アハハ、ごめんごめん」


 と、春風は苦笑いしながらそう謝罪した。


 そして2人が春風に合流すると、春風は再びガストの方へと向き直り、口を開く。


 「さて、自称『神様』さん」


 冷たく言い放った春風に、ガストが「ぐっ」と唇を噛むと、リアナと水音も続けて口を開く。

 

 「お父さんとお母さんの『力』を奪ったことと……」


 「僕達異世界人を巻き込んだこと……」


 「そして、エルード(この世界)地球(俺達の世界)に多大な迷惑をかけたこと、償ってもらうぞ」


 そう言って、春風は彼岸花の切っ先をガストに向けた。


 ガストはそれにビビったのか、


 「ゆ、勇者達、僕を助けろ! 目の前に、世界を滅ぼす『悪魔』がいるんだぞ!」


 と、観客席にいる小夜子とクラスメイト達に向かって怒鳴ったが、


 『……』


 小夜子とクラスメイト達の半数は、どうすればいいのかわからずオロオロとし、もう半数ーー歩夢や鉄雄達は、


 『(ツーン)』


 と、皆そっぽを向いていたので、誰もガストを助けようとはしなかった。


 そんな彼を見て、


 「そ、そんな、お前達……」


 と、ガストは顔を真っ青にして絶望した。


 そして、そんなガストに構わず、春風達が一歩を踏み出そうとした、まさにその時、上空から春風達に向かって眩い光が放たれた。


 それに気づいた春風達は、すぐにその場からその場からジャンプして離れると、ドォンという爆発音と共に、その光はその場に大きなクレーターを作った。


 (オイオイ、一体何事?)


 と、春風がそんなことを考えていると、上空から長い金髪の青年が、ガストの側に降り立った。


 「戻るぞ、ガスト」


 と、青年はそう言うと、ガストを脇に抱えた。


 それを見た春風は、


 「っ! 待て!」


 と、金髪の青年を止めようとしたが、


 「邪魔をするな」


 と、金髪の青年は手から先程以上の眩い光を放った。


 (うわっ! 眩しい!)


 と、思わず両手で顔を覆った春風。それは、リアナや水音、更に観客席にいる者達も同様だった。


 そして、光が弱まったのがわかって、春風達は顔から両腕をどかしたが、目の前にいたガストと金髪の青年の姿は、影も形もなかった。


 「く、逃げられたのか!?」


 「ど、どうしよう、ハル!?」


 と、リアナにそう尋ねられた春風は、


 「いや、今はやめておこう、深追いはするもんじゃないよ。それに……」


 「「?」」


 「俺の右腕、今()()()()()だし」


 春風のその言葉に、リアナと水音が「え?」と春風の右腕を見ると、


 「「うわあああああああっ!」」


 もう既に腕全体に、大量の彼岸花の触手が絡みついていた。


 「ちょ、ちょっとハル! 何なのこれぇ!?」


 「だ、大丈夫なの春風!? これ、大丈夫なの!?」


 と慌てた様子のリアナと水音が尋ねると、


 「うーん、このまま行くと全身に絡みついて、最後は体丸ごと彼岸花に取り込まれる……かな?」


 と、春風は苦笑いしながらそう答えたので、


 「「すぐに捨てて! それすぐに捨ててぇ!」」


 と、2人は怒鳴りながら春風に彼岸花を捨てろと怒鳴った。


 「ふ、2人共、落ち着いて……」


 春風はなんとか2人を宥めようとしたその時、彼岸花が視界に入ったので、


 「……よろしくね、彼岸花」


 と、彼岸花に向かって小さくそう言ったが、


 「「早く捨ててぇえええええええっ!」」


 と叫ぶ2人を見て、


 (……うーん、どうしたもんかねぇ)


 と、春風は左手でポリポリと頭を掻き始めた。


 


 


 

 まだ予定ですが、次で第12章は終了です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ