表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第12章 集結、3人の「悪魔」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

357/609

第321話 春風、裁判にかけられる


 (えー、皆さんこんにちは、幸村春風です。俺は現在()()()にかけられています)


 と、心の中でそんなことを呟く春風は現在……裁判にかけられていた。


 しかも、


 「判決を言い渡す。幸村春風……有罪!」


 と、何故か裁判長的な立場になっているウィルフレッドから、「有罪判決」を受けてしまった。


 (……どうして? どうしてこうなったぁ!?)


 まさかの有罪判決をくらって、心の中でそう嘆いた春風。


 一体何故こんなことになったのか?


 その説明をする為に、時を少し戻すとしよう。


 それは、遡ること数時間前、再会からの「全て」の説明があった翌日。


 「はい皆さん、そこでその状態をキープしてください」


 未だにループスに動きがない為、春風はいつものように仲間達と帝国兵、騎士、魔術師達に訓練をつけていると、


 「な、何をしてるんだ幸村ぁ!?」


 という悲鳴のような叫び声が聞こえたので、


 「ん?」


 と、春風が声がした方へと振り向くと、そこには驚きの表情になっている小夜子と翔輝らクラスメイト達、そしてウィルフレッドとイブリーヌがいた。


 「あ、あれ? 先生どうしたんですか?」


 と、春風が小夜子にそう尋ねると、小夜子は怒りの表情でズンズンと春風に近づき、


 「一体、何を、しているのかと、聞いているんだ幸村ぁ!」


 と、春風の肩を掴んでブンブンと揺すりながらそう答えた。


 そのもの凄い剣幕に押された春風は、


 「お、お、落ち着いてください先生ぇ! 答えますからぁ!」


 と、少し涙目になりながら、小夜子達に理由を話した。


 「……なるほど、そういうことだったのか」


 春風から理由を聞き終えて、ウィルフレッドは納得の表情を浮かべた。そしてそれは、小夜子達も同様だった。


 春風はそんな彼らの様子を見て、


 「あ、あのぉ……」


 と、恐る恐る話しかけると、


 「よし、では我々セイクリアも訓練に参加させてもらう」


 と、ウィルフレッドが春風を見てそう言ってきた。


 すると、それを聞いたギルバートが、


 「お、オイオイ、ウィルフ、どういうつもりだよ?」


 と尋ねると、ウィルフレッドはギロリとギルバートを睨みつけて、

 

 「どういうつもりだと? 自分達だけでこれほどの訓練をつけてもらうなど、ずるいではないか!」


 と、少々子供じみた文句を言った。


 するとそこへ、


 「へぇ、だったら、私らも訓練をお願いしようかねぇ」


 と、何処か聞き覚えのあるその声に、春風達が


 『ん?』

 

 と一斉に振り向くと、そこにいたのは、シャーサルが誇る2つの巨大レギオンの1つ、「紅蓮の猛牛」リーダーのヴァレリーとその仲間達だった。当然、そこにはアデレードの姿もあった。


 「あ、どうも、お久しぶり……です」


 まさかの再会に、春風は冷や汗を流しながらそう挨拶すると、


 「おう、久しぶりだな。で……」


 と言うと、ヴァレリーは素早く春風の側に近づき、


 「私らも、訓練、つけてくれるよな?」


 と言って、春風の肩をガシッと掴んだ。


 春風はその迫力に押されたのか、


 「……はい」


 と、それからセイクリアの面々(一部だが)と、紅蓮の猛牛メンバーにも訓練をつけることになった。


 数時間後、訓練をつけ終えた春風は、少しの間休憩すると、


 「みなさーん、ご飯ですよー!」


 と、仲間達に食事を振る舞った。

 

 今日のメニューは、春風自身が作った特性の「ハンバーガー」だ。


 仲間達や帝国兵、騎士、魔術師達は春風からそれを受け取ると、皆、美味しそうにそれを頬張った。


 そんな彼らの姿を見て、小夜子達やセイクリア兵と騎士達、そして紅蓮の猛牛メンバーは目が点になった。

 

 さて、そんな状態の小夜子らをよそに、


 「いっぱいありますので、どんどん食べてくださーい」


 と、春風がハンバーガーを配っていると、いきなりスッと誰かの手が現れて、ハンバーガーを1つ掴んだ。


 よく見ると、それは、ウィルフレッドの手だった。


 「ふむ。これは美味いな」


 と、ウィルフレッドはハンバーガーをガブリと頬張ると、


 「これは、其方が作ったものか?」


 と、春風に向かってそう尋ねた。


 「は、はい、そうですけど……」


 と、春風が恐る恐るそう答えると、ウィルフレッドは「そうか」と言って、


 「よし、逮捕だ!」


 と、春風に向かって言い放った。


 突然のことに春風だけでなく周りが「え?」となっていると、突然セイクリアの騎士2人が、春風をガシッと捕まえた。


 「陛下、確保しました!」


 騎士の1人がそう言うと、


 「うむ、では裁判の準備だ!」


 と、ウィルフレッドがそう言い放った。


 そして、そこからはあれよあれよという間に、その場に簡易的な裁判所のようなものが出来上がって、


 「判決を言い渡す。幸村春風……有罪!」


 と、現在に至るのだった。

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ