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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第12章 集結、3人の「悪魔」

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第319話 話の後のテント内にて


 話が終わって、アマテラスはもといた場所へと戻り、ウィルフレッドや小夜子とクラスメイト達も、それぞれのテントへと帰っていった。


 本来はその後断罪官達のことやアッシュ達のことについても話し合いが行われる筈だったのだが、


 「いやただでさえこっちは着いたばかりだってのに、あんだけスゲェ話があった後だぞ? もう疲れたから、続きは明日な、明日」


 というギルバートの案に、ウィルフレッドも「そうだな」と納得して、その場は解散することになった。


 因みに、


 「おう、イブりん。お前さんもウィルフと久々に会ったんだ。いっぱいお話ししてこいや」


 と、ギルバートに言われて、イブリーヌも「ハル様、申し訳ありません」と謝罪すると、そのままウィルフレッドに着いて行った。


 それから少しして、ウォーリス帝国の陣地内にある春風達「七色の綺羅星」のテント内では、


 「ああぁ、疲れたぁあああああ」


 と、リーダーの春風が全力でだらけきっていた。その姿は、先程のウィルフレッドにした毅然としたものとは大きくかけ離れていた。


 そんな春風を見て、


 「おいおい、ハルゥ。ちょっとだらけすぎなんじゃねぇか?」


 「そうだよハルッちぃ」


 と、鉄雄と恵樹が文句を言った。


 現在このテントの中は、春風の他に鉄雄や恵樹、更に煌良と学がいる。他のメンバーはというと、皆、自分達のテントでそれぞれ休んでいるそうだ。


 話を戻して、鉄雄達に文句を言われた春風は、


 「しょうがないでしょ、結構精神的に疲れるんだよ本当に……」


 と、だらけきった姿勢を崩さずにそう返した。


 そんな春風の姿に、煌良と学は、


 「やれやれだな」


 「そうだね」


 と言うと、2人して小さく溜め息を吐いた。


 するとそこへ、


 「やぁ、お疲れ様」


 と、水音がテントの中に入ってきた。その手には、木製のジョッキ6つと大きな瓶を持っていた。


 春風は水音が持っているそれを見て、


 「……水音、それ、もしかして酒?」


 と、恐る恐る尋ねると、


 「ハハ、違うよ。陛下が用意してくれた、『ウォーリス印のフルーツジュース』だって」


 と、水音は笑いながらそう答えた。


 その後、水音からジョッキに注がれたジュースを受け取ると、春風は申し訳なさそうな表情で、

 

 「あのさ、みんな。先生達と一緒に行かなくて、本当にいいの?」


 と、水音達に向かってそう尋ねると、

 

 「なぁに馬鹿なこと聞いてんだよ」


 「そうそう。俺達確かにに勇者だけど、同時に『七色の綺羅星』のメンバーなんだから」


 「そういうことだ」


 「うんうん」


 「僕の場合は、『私を置いて行くのか?』ってセレスティア様に聞かれそうで怖いってのもあるかな」


 と、それぞれの答えを聞いて、春風は「そっか……」と小さく呟くと、腰のポーチに手を突っ込んで、そこから大きなケースのようなものを取り出した。


 そして、そのケースのようなものの蓋を開けると、中には大量のサンドイッチや様々なお菓子が入っていた。


 「は、春風、それは一体何なんだい?」


 と、水音が尋ねると、


 「前もって作っておいた『非常食』……みたいなものかな」


 と、春風はニヤリと笑ってそう答えた。


 それを聞いて水音達が、


 『ひ、非常食って……』


 と、呆気に取られていると、


 「ジュースだけじゃ物足りないから、一緒に食べよう」


 と、春風はニヤリと笑ったままそう言った。


 すると、


 「ちょおっとぉ、抜け駆けはずるいんだけどぉ!」


 と、テントの出入り口を開けて、美羽、彩織、詩織、歩夢、麗生、星乃香が入ってきた。


 更に、


 「あぁ、ハル達だけずるい! 私達も入れてよぉ!」


 と、リアナやアデル達も入ってきた。


 また更に、


 「うん。それなら僕達も」


 と、冬夜、雪花、静流も入ってきた。


 またまた更に、


 「あ、ハニー、私も入れてぇ!」


 と、凛依冴も入ってきた。


 そして最後に、


 「あら、では私も」


 と、零号【改】の中からジゼルが出てきた。


 一気に仲間達が入ってきたので、春風は「やれやれ」と困ったような笑みを浮かべると、


 「じゃあ、みんなで楽しみますか」


 と、更にポーチから他の「非常食」という名の食べ物や飲み物を取り出して、それを全員に振る舞った。


 その後、春風達はテントの中で、ちょっとした「パーティ」のようなものを楽しむのだった。


 しかしその様子を、遠くから怪しい「影」が眺めているのを、春風達は知らなかった。

 

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