表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第3章 異世界エルードの真実

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/609

第34話 「これから」について

今回は前作26話の後半部分になります。


 その後、ログハウスの中で春風達は、これからどうするのかについて話し合った。


 途中休憩を挟みながら行われたその話し合いは、約1時間くらいに及び、その頃にはある程度の計画が出来上がった。


 そして、


 「それじゃあ、今後のことについて確認するぜ」


 とその場を仕切るゼウスに、春風達の視線が集まった。


 「春風」


 「はい」


 「わかっていると思うが、今のお前は『力』に目覚めたばかりで、思いっきり弱い。だからお前には今日から1週間ここに滞在して、『力』の使い方や戦い方、そんでその他の知識や技術を身に付けて貰うぞ」


 「わかりました」


 「ヘリア嬢ちゃんと精霊王達は、春風にその辺りの事を教えるってことで」


 『お任せください』


 「で、その間リアナ嬢ちゃんは、外でハンター業だっけか? そっちの方に勤しんで貰う。くれぐれも、周囲に怪しまれないようにな」


 「は、はい!」


 春風達が納得したの確認すると、ゼウスは「よし」と頷き、


 「じゃ、全員が納得したことで、これで話し合いは終了!」


 と、両手をパンと叩いて終了を宣言し、その後、


 「じゃ、そういうわけで、俺はこの辺で失礼するわ!」


 と言って、春風の零号をゲートにして、もといた場所へと戻った。


 それから少しして、


 「外の空気を吸うか」


 春風はそう言って、再びログハウスの外に出た。今後の事が決まった所為か多少疲れはあったが、最初に外に出た時よりも精神的な余裕が出来ていた。


 湖の前で体をグゥッと伸ばしていると、

 

 「春風」


 と、背後で自分を呼ぶ声がしたので振り返ってみると、そこには申し訳なさそうな表情のリアナがいた。


 「リアナさん、どうしたんですか?」


 春風がそう尋ねると、リアナは表情を崩さずに、


 「ごめん、春風。いきなり別行動になる形になっちゃって……」


 と謝罪した。


 「ああ、そんな気にしないでください。リアナさんにはハンターとしての仕事があるんですから」


 それを見て慌てた春風は、苦笑いをしながらそう言ったが、リアナは表情を変えずに下を向いた。


 春風はどうしたものかと悩んでいると、リアナはスッと顔を上げて、春風を真っ直ぐ見つめると、


 「あのさ、春風」


 「な、何でしょうか?」


 「私達、これから仲間になるわけだよね?」


 「あー、はい。そうですね」


 「その、『さん』付けと敬語、やめて欲しいんだけど……駄目かな?」


 「……はい?」


 リアナからいきなりそう提案されて、春風は思わず「?」を浮かべて首を傾げた。


 わけがわからないと思った春風は、リアナに質問する。


 「えっと、それどういう意味ですか?」


 「ああ、別に深い意味は無いんだけど、ほら、私達、これから一緒に悪い奴らをやっつける仲間になるわけだし、敬語を使う春風も良かったけど、もう少し砕けた感じになっても良いんじゃないかなって……」


 「そ、そんな、『砕けた感じ』って……。ていうか、そんな事言っちゃって良いんですか? ヘリアテス様の許可とかいるんじゃないですか?」


 春風がリアナにそんな質問をした時、


 「良いですよ、私は」


 「「!」」


 突然の発言に驚いた春風とリアナが、声のした方に振り向くと、そこには穏やかな笑みを浮かべるヘリアテスがいた。


 「あの、ヘリアテス様? 『良い』ってどういう意味ですか?」


 春風は恐る恐る尋ねると、ヘリアテスは穏やかな笑みを崩さずに答える。


 「ですから、『良い』って言ったのです」


 「……それ、本気で言ってます?」


 「ええ、本気です。春風さんなら良いと思っています。というか、春風さんはきっと凄く優しすぎる方だと思いますので、少しくらい乱暴なのが丁度良いと思います」


 と、ヘリアテスにそう言われた時、春風は昔、養父である涼司に言われたことを思い出した。


 ーーお前は基本、優しくて良い奴だから、少しくらい不良(ワル)なのが丁度良いんだよ。


 (……オヤジ)


 春風はフッと笑うと、リアナの方を向いて、


 「()()()()()()()()()()

 

 と、言われると、リアナは明るい笑顔になって、


 「それじゃあ、改めて……」


 と言うと、春風の前にスッと右手を出し、


 「『妖獣戦士』のリアナ・フィアンマです。ハンターをやってます」


 と言った。


 それを見て、春風はリアナの側に近づくと、彼女の前に立ち、気の弱そうな笑みを浮かべて、


 「『見習い賢者』の幸村春風。ちょっとユニークな一般人だ」


 差し出されたその右手を掴むのだった。


 


 



 


 

 次回は、第3章のエピローグ的な話を書く予定です。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ