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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第11章 断罪官の逆襲

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第305話 戦いの後、謁見の間にて

 今回は、いつもより長めの話になります。


 星乃香が目を覚ましたその夜、春風達は帝城内の謁見の間に集まっていた。


 皆、何かを待っているかのように、ただ静かにしていた。


 その時、謁見の間の扉が開かれて、


 「みんな、お待たせぇ!」


 と、皇妃エリノーラが、第1皇女セレスティアと第2皇女アンジェリカ、そして、1人の少女を引き連れて、笑顔で入ってきた。


 「オ、エリー。その後ろにいるのがそうか?」


 と、ギルバートが尋ねると、


 「ウフフ」


 と、エリノーラは笑って少女の前を離れた。


 『オォッ!』


 「星乃香ちゃん!」


 それは、赤を基調に最低限の装飾が施されたローブに身を包んだ星乃香だった。


 「うん、中々似合ってるじゃねぇか」


 と、ギルバートが褒めると、


 「あ、ありがとう、ございます」


 と、星乃香は恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。そんな彼女の横では、エリノーラ、セレスティア、アンジェリカは「良い仕事をした」と言わんばかりの表情をしていた。


 周囲が和やかな雰囲気に包まれる中、ギルバートが「ゴホン」と咳き込むと、皆、一斉に静かになった。


 「あー、悪りぃ。こっからはちょいと真面目な話をしていくぞ」


 とギルバートが言うと、その場にいる者達全員がギルバートに視線を向けた。


 「まずは、小日向星乃香といったか?」


 「は、はい!」


 「セイクリアから水音を連れ出して以来だったな。改めてはじめまして。俺はここ、ウォーリス帝国皇帝、ギルバート・アーチボルト・ウォーリスだ。よろしくな」


 「こ、小日向星乃香といいます! あの、この度は助けてくださってありがとうございます! その上、こんな凄い服まで……」


 「オイオイ、俺は何もしてねぇぞ。その服はエリー達が用意したものだし、お前を助けたのは、そこにいる春風なんだからな。礼なら春風に言ってくれ」


 「あ……」


 ギルバートに促されるように、星乃香は春風に視線を向けた。


 「……幸村君」


 「なんですか?」


 「助けてくれて、ありがとう。それと、さっきは取り乱して、ごめんなさい」


 星乃香は春風に向かって深々と頭を下げて謝罪すると、


 「そんな、気にしないでください。元はと言えば、悪いのは俺ですから」


 と、春風は困ったかのような表情でそう返した。


 その後、星乃香がゆっくりと顔を上げると、ギルバートは「ウン」と頷いて、


 「春風。そして、七色の綺羅星達」


 と、春風達に話しかけた。


 その言葉に反応した春風達が、一斉にギルバートに視線を向けると、


 「此度の断罪官との戦い、映像で見させてもらったが、皆とても見事な戦いぶりだった」

 

 と、いつになく真面目な表情で、春風達を褒めた。


 更にギルバートは続けて言う。


 「あれだけの数を相手にしたにも関わらず、全員を返り討ちにしただけじゃなく、()()()()()()()()という偉業を成し遂げた。これは、とても素晴らしいことだと思っている」


 そう、実は今回の断罪官達との戦いでは、春風……というより春風の仲間達は、断罪官の隊員達を一人も殺していなかったのだ。


 隊員達は皆、大小様々な怪我を負ってはいるが、どの怪我も命を脅やかすようなものではなく、彼らは今、帝城内の医務室で治療を受けている。


 ギルバートに褒められて、仲間達が照れ臭そうにしている中、


 「アリシア・ランフォード」


 と、ギルバートがアリシアに話しかけた。


 「はい」


 「かつての仲間達との戦い、辛くはなかったか?」


 その質問に、アリシアは真っ直ぐギルバートを見て答える。


 「辛くはない、と言えば嘘になります。ですが……」


 「?」


 「会えて良かった、と思ってもおります。家族の仇なのは、変わりませんが」


 「……そうか」


 そう言うと、ギルバートは次に、リアナとルーシーに視線を向けた。


 「リアナ・フィアンマ」


 「はい」


 「ルーシー・トワイライト……いや、ルーシー・カーリングって呼べばいいか?」


 「は、はい! る、ルーシー・トワイライトで、いいです!」


 「そうかい。で、今回に戦いなんだが、まさか断罪官の中に、お前達の親の仇がいるとはな。精神的に、キツイものがあったんじゃないか?」


 と、尋ねるギルバートに対し、リアナは「うーん」となんとも言えないような複雑な表情で答える。


 「仇と言われましても、その時まだ私は赤ちゃんでしたし、私としては『えぇ、そうなの?』って感じで、正直反応に困るといった感じですね」


 「そうか。で、ルーシー・トワイライトはどうなんだ?」


 ギルバートに問われて、ルーシーはオロオロとした表情で答える。


 「わ、私も、その……ショックは、受けましたけど、私、自身、ずっと『捨てられた』って思ってましたし、お爺ちゃんや、フィオナ達が、いましたから」


 「……」


 「あぁ、で、ですが!」

 

 「?」


 「わ、私、捨てられていなかったんだってことがわかって、う、嬉しかったです」


 そう答えたルーシーの手には、両親の形見であるペンダントが握られていた。


 2人の表情を見て、ギルバートは「そうか」と穏やかな笑みを浮かべると、


 「水音」


 と、今度は水音に話しかけた。


 「はい」


 「ルーク・アークライト副隊長との戦いで見せた技、見事なものだったぞ」


 「ありがとうございます」


 その返事を聞くと、ギルバートは春風に視線を向けた。


 「最後に春風」


 「はい」


 「ウォーレン・アークライト大隊長との戦い、しかと見させてもらったぞ。自分を殺しに来た相手を、最後は見事に救ったお前の戦いぶりは、実に素晴らしいものだった」


 「ありがとうございます。あの、その後ウォーレンさんは?」


 「安心しろ。奴の両腕だが、帝国の最新の医療技術を駆使すれば、元のように治すことが出来るそうだ」


 「そうですか」


 ギルバートのその言葉に、春風はホッと胸を撫で下ろした。


 その姿に、ギルバートは「やれやれ」と小さく呟くと、


 「で、春風」


 「何ですか?」


 「大きな戦いを終えた直後でなんだが、お前にどうしても聞きたいことがある」


 その質問に、春風が「?」を浮かべると、ギルバートは真剣な眼差しを春風に向けて尋ねる。


 「アッシュ達に与える処罰についてだ」

 

 

謝罪)


 大変申し訳ありません。この話の流れを考えていたら、時間がかかってその日のうちに終えることが出来ませんでした。


 それと、もう少しだけ話が続きそうです。


 本当にすみません。

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