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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第11章 断罪官の逆襲

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第280話 決戦、断罪官13 アリシア、「過去」との戦い3

 今回は、ちょっと短めの話になります。


 アリシア、煌良、学、麗世対ユリウス達断罪官第3小隊。


 煌良達は次々と隊員達を倒していく中、アリシアとユリウスはというと、未だ互角の戦いを繰り広げていた。


 「腕を上げたわね、アリシア」


 「ええ、ハル君達と過ごしてきた日々が、私をここまで強くしてくれました」


 「ハル君……『賢者』幸村春風ね?」


 「はい、本人は半人前の『半熟賢者』だと言っていましたが」


 「半熟? まぁ、随分と面白いことを言う子ね」


 「……えぇ、本当に面白いんですよ、彼は。口では『自分の幸せの為だ』と言ってますが、仲間の為に、他人の為に、目の前の物事に全力で挑んでいく。私は、そんな彼を『仲間』として助けたい、だから……」


 「その為に、私達に勝つ、と?」


 「……はい、すみません」


 「謝らないで。あなたの『想い』は、十分過ぎるくらい伝わってきてるから」


 お互い武器と武器、技と技をぶつけながら、そんな会話をする2人。


 はたから見ると、それはまるで()()()()の会話を思わせるかのような、何処か幸せそうで、何処か悲しそうなものだった。


 しかし、そんなひと時に、終わりの時が来る。


 ーーバキィン!


 「くっ!」


 何度目かの武器の打ち合い後、アリシアの長剣が先に武器が壊れたのだ。


 「流石はウォーリス帝国製の武器、結構良いものだったわ。でも、断罪官小隊長に与えられるこの武器の敵ではなかったようね」


 武器を失ったアリシアに向かって、ユリウスは不敵に笑いながらそう言った。


 そこへ更に追い討ちをかけるかのように、ユリウスはスッと静かに目を閉じると、深呼吸して意識を集中し始めた。


 すると、ユリウスが持つ2本の槍が、オーラのようなものを纏った。


 それを見て、アリシアはユリウスが、「大技」を放とうとしていると確信した。


 「さぁ、これで終わりよアリシア! 私の()()を込めたこの一撃、受けてみなさい!」


 そう言い放ったユリウスに、アリシアは冷や汗を流したが、


 「申し訳ありませんが、私も、負けるわけにはいきません!」


 と、アリシアは真っ直ぐユリウスを見てそう言い返すと、折れた長剣をその場に捨てて、腰の革製のポーチに手を突っ込み、そこから「あるもの」を取り出した。


 「! それは!」

 

 それは、この世界にはない武器にして、春風の祖国「日本」の武器、鞘に収まった一振りの()だった。


 (凛依冴師匠……)


 それは数日前、ウォーリス帝国帝城内の訓練場でのことだった。


 「これを、私にですか?」


 凛依冴から「刀」を受け取ったアリシアがそう尋ねると、


 「うん。私の訓練に耐えきった、まぁ『ご褒美』みたいなものかな」


 と、凛依冴は真面目な表情でそう答えた。


 アリシアは春風だけでなく、凛依冴からも戦闘の訓練を受けていた。そして、今凛依冴が言ったように訓練に見事耐えきったアリシアは、その「ご褒美」としてその「刀」を授かったのだ。


 アリシアは受け取った「刀」を鞘から抜いた。


 「……綺麗だ」


 その刀身の美しさに見惚れていると、凛依冴が話しかけてきた。


 「春風の彼岸花程じゃないけど、そのコも立派な『魔剣』でね、魔力を流すことによって切れ味が強化される優れものよ」


 「それは、凄いですね。でも、どうしてコレを私に?」


 「言ったでしょ? 『ご褒美』だって。それに、()()()を使う気なら、その長剣よりもそっちの方が向いてるしね」


 「凛依冴師匠……」


 そして現在、長剣を失ったアリシアは、凛依冴から授かったその「刀」を手に取る。


 (凛依冴師匠、そして()()()。今こそ、私に『力』を貸してほしい!)


 と、「刀」をグッと握りながら心の中でそう呟くと、アリシアはとある「構え」をとった。


 「その構えは……」


 それは、アリシアが2回ほど見た、春風が使ったとある「技」を放つ為の「構え」だった。


 その姿を、丁度自分達の戦いを終えた煌良達が見つめる。


 「ねぇ煌良。あれって……」


 「あぁ、間違いない。あれは……」


 その「構え」を見て、煌良は答える。


 「()()()()()だ」


 

 

 

 次回、アリシアvsユリウス、決着の時です。

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