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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第11章 断罪官の逆襲

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第260話 報告を受けて

 お待たせしました。本編新章、開始です。


 「そうか、帝国(向こう)でそのようなことが」


 ウォーリス帝国で勃発した、春風達と煌良達による戦いから数日後、セイクリア王国の国王ウィルフレッドは、王城の謁見の間にて帝国から戻ってきた騎士と五神教会の信者達から報告を受けていた。当然、その側には小夜子と他のクラスメイト達もいた。


 「それで、ラルフと煌良殿、学殿、麗生殿は向こうにいるのだな?」


 「……はい」


 「モーゼスは今どうしてる?」


 「あれから自室に篭ってしまい、いっこうに出てくる気配はありません」


 「そうか」


 そう返した後、ウィルフレッドは「やれやれ」といった感じで溜め息を吐くと、


 「報告ご苦労だった。下がってくれ」


 と、報告を終えた騎士にそう命令した。


 その後、騎士は「ハ!」と返事をすると、そそくさと謁見の間から出ていった。


 それを確認すると、ウィルフレッドは「フゥ」と一息入れて、スッと玉座から立ち上がると、小夜子の側に近づいて、


 「この度は、我が国の人間が申し訳ないことをした」


 と、頭を下げて謝罪した。


 「そ、そんな、ウィルフレッド陛下、顔を上げてください!」


 その姿を見て、小夜子は大慌てでウィルフレッドに頭を上げるように言ったが、


 「いや、そうはいかない! 今回モーゼス達がしでかしたことは、決して許されないことだ! 其方の大切な教え子の命を、奪う行為なのだから!」


 と、ウィルフレッドは頑なに頭を上げようとしなかった。


 小夜子とクラスメイト達は「どうしたものか」と困っていると、


 「陛下、顔を上げてください。小夜子さん達が困っていますよ?」


 と、王妃マーガレットがウィルフレッドの側に寄ってそう話しかけた。


 ウィルフレッドはその声に反応したのか、ハッと我に返ったかのように顔を上げた。


 小夜子達はそれを見て、ホッと胸を撫で下ろした。


 そんな彼女達を前に、マーガレットは口を開く。


 「ハァ、コレは困った事になりましたね」


 その言葉に続くように、ウィルフレッドも口を開く。


 「ああ、そうだな。春風殿……彼を暗殺しようとした者達も心配だが、こんな話を聞いたら、『あの連中』は黙っていられないだろう」


 「断罪官達、ですね」


 そう言ったマーガレットを見て、ウィルフレッドはコクリと頷いた。


 すると、

 

 「あの……」


 「「?」」


 2人の話を遮るように、小夜子が「はい」と手を上げた。


 「どうかしました?」


 そう言ったマーガレットに、小夜子は尋ねる。


 「その、『断罪官』というのは、どのような人達なのですか?」


 その質問に、ウィルフレッド達は一瞬答えるのを迷ったが、


 「断罪官とは、五神教会が抱える異端者討伐部隊の事だ。一度『異端者』として認定されると、彼らはあらゆる手段を使ってその異端者本人と周囲の人間達を容赦無く、殺す」


 「ええ。それが例え、女子供でも」


 と、小夜子達を見てそう説明した。


 その言葉を聞いて、小夜子は顔を真っ青にすると、


 「じ、じゃあ、まさか、その人達は、幸村を……」


 と、今にも倒れそうな姿勢でウィルフレッドに尋ねた。


 それに対して、ウィルフレッドは、


 「……殺すだろう」


 と、申し訳なさそうに答えた。


 「そ、そんな……」


 そう言って、小夜子はその場に膝から崩れ落ちた。


 『先生ぇ!』


 それを見て、近くにいた生徒達は一斉に小夜子の側に駆け寄った。


 ウィルフレッドはそんな小夜子達を見て、


 「……すまない」


 と、悔しそうに拳をグッと握り、再び謝罪した。


 


 

 というわけで、新しい章の始まりです。本当はもう一度間章を書こうかと思っていましたが、今回はそれをやめて本編を書くことにしました。


 何やら不穏(?)な幕開けになってしまいましたが、今後ともどうぞよろしくお願いします。

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