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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第3章 異世界エルードの真実

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第26話 春風、「神様(本物)」に会う


 「この世界の、『()()()()()』に会わせてあげる」


 リアナにそう言われた春風は、現在、彼女と共にセイクリア王国から少し離れた森の中を歩いていた。


 まだ昼間だというのに、森の中は薄暗く、今にも()()が出てきそうな雰囲気だった。


 暫く歩いていると、


 「よし、この辺りでいいかな」


 リアナそう言ってその場に立ち止まり、


 「おーい、みんなー、出てきていいよー」


 と、周囲を見回しながら誰かを呼び出した。


 春風は「何だろう?」と思って首を傾げると、リアナの周りにピンポン玉くらいの大きさの、赤や青といった様々な色の光の粒が集まってきた。


 「えっと、リアナさん、その子(?)達は一体……?」


 春風は戸惑いながら質問すると、リアナは春風の方を振り向いて笑顔で答えた。


 「大丈夫だよ。この子達は『精霊』っていって、私の大切な『家族』で『友達』なんだ」


 そう言った後、リアナはその精霊達に向き直って、


 「()()()()の所への道をお願い」


 と頼んだ。


 すると、精霊達は空中に小さな光の粒を放った。幾つもの粒はリアナの前で1つに集まり、やがてそれは白い大きな扉になった。


 「さ、行くよ春風」


 そう言って、リアナはその白い扉のノブを掴んで、ガチャリと音を立てて扉を開くと、その向こうへと入っていった。それを見て、春風は若干びびっていたが、すぐにその後を追いかけた。


 扉を潜った先はまた森の中だったが、先程までいた森の中とは違って、どこか神秘的な雰囲気を感じた。


 「えっと、ここも……エルードなんだよな?」


 と、思わずポロッと呟いてしまうくらい、春風はその雰囲気に見惚れてしまっていた。


 「こっちだよ春風」


 腕を振りながらスタスタと歩くリアナの後を追いかける春風。暫く進んでいると、一軒の木造の家ーーログハウスに辿り着いた。


 「ちょっと待ってて」


 そう言って、リアナはログハウスの玄関の扉の前に立つと、トントンと扉をノックした。すると、


 「はーい」


 と、扉の向こうから幼い少女の様な声がした。


 「お母さん、リアナだよ」


 リアナがそう言うと、扉の向こうからタタタっと足音が聞こえて、ガチャリと扉が開いた。


 「おかえり、リアナ」


 そして現れたのは、東洋の民族衣装の様な服を着た、燃え盛る炎を思わせる真っ赤な長い髪と金色の瞳を持つ10歳くらいの少女だった。


 リアナはその少女を見て次の瞬間、


 「ただいま、()()()()

 

 と、笑顔で少女をそう呼んだ。


 (え!? 『お母さん』!?)


 驚きのあまり絶句する春風。当然だろう。目の前にいるどう見ても自分とリアナより年下くらいの少女を、リアナ本人は「お母さん」と呼んでいるのだから。


 リアナはそんな状態の春風を無視して、


 「紹介するね春風。私のお母さんで、この世界の『本当の神様』だよ」


 と、少女を紹介した。


 紹介された少女は、穏やかな表情で、


 「はじめまして、異世界の方」


 と、見た目は幼いのにそれを感じさせない雰囲気を出しながら言った。


 その言葉を聞いてハッとなった春風は、意を決した表情でリアナと少女に近づいた。


 そして、少女の前に立つと、スッと静かに跪いて、

 

 「お初にお目にかかります。自分は、異世界「地球」より参りました、幸村春風と申します。無礼を承知でお尋ねしますが、『太陽と花の女神ヘリアテス』様でよろしいでしょうか?」

 

 と、質問した。


 その姿に少女は驚いたが、すぐに落ち着いた口調で、


 「そんな風に呼ばれたのは、本当に久しぶりですね。そうです、私の名はヘリアテス。この世界『エルード』の『太陽』と『花』を司りし女神(おんな)……と言っても、今の私にはほんの僅かしか『神』としての力を持っていません。あと、恥ずかしいですので、どうか顔を上げてください」


 と、少し恥ずかしそうに言った。


 「はい、わかりました」


 春風はその言葉に従って、顔をスッと上げると、


 「あの、もう1つ無礼を承知で、貴方にお願いしたいことがあります」


 と、真剣な表情で言った。


 「何でしょうか?」


 「お手数ですが、お手を拝借したいのです」


 その言葉に、少女ーーヘリアテスは一瞬「え?」と目が点になったが、すぐに穏やかな表情に戻って、


 「どうぞ」


 と、春風に右手を差し出した。


 「では、失礼します」


 春風がそう言ってヘリアテスの手に触れた瞬間、


 「『エルード』ノ神トノ接触ヲ確認。『地球』ノ神トノ通信ガ出来ルヨウニナリマシタ」


 と、頭の中で声が聞こえた。


 するとーー。


 ーージリリリリリ! ジリリリリリ!


 と、春風のズボンのポケットからそんな音が聞こえた。


 (まさか……)


 そう思った春風はポケットに手を突っ込んで、その音の発生源ーー「魔導スマートフォン零号(以下零号)」を手に取ると、その画面には「とある存在」の名前が表示されていた。


 春風は零号を通話状態にして、


 「はい、もしもし」


 と話しかけた。


 すると、


 「あ、春風君? アマテラスこと天照大神でーす!」


 それは、春風の祖国である日本の主神、「アマテラス」こと「天照大神」の声だった。


 


 

 


 


 


 


 


 

 

 

 女神様は前作では「10歳くらいの少女」としか表記してなかったので、今作ではキチンとした特徴を書きました。これでもわからなかったら申し訳ありません。


 そして、久々の日本の主神様の登場です。

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