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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第10章 動き出した五神教会

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第231話 モーゼス、到着

 今回はいつもより短いかもしれません。


 モーゼス・ビショップが帝都に来る。


 その話は瞬く間に帝都中に知れ渡り、帝都の住人達は言い知れぬ不安に苛まれた。 


 当然、春風も不安が拭いきれない時を過ごしていたが、


 「大丈夫、いざとなったら僕がそいつら滅ぼすから」


 と、冬夜が冗談なのか本気なのかわからない発言をしたので、それを聞いて、春風は若干落ち着きを取り戻した。ただ他の人達は、


 『冗談でもそういう事言っちゃ駄目ぇ!』


 と、思いっきり冬夜をどついていたが。


 それから数日後、ギルバートが言っていた通り、数人の配下の信者とセイクリア王国の騎士を引き連れて、五神教会教主モーゼスが帝都に到着した。


 モーゼス達は帝都に着くと、帝都内にある教会の支部に向かった。最初はその支部に泊まる予定だったのだが、そこは今では新たに発足された「アレス教会」の本部となっていた為、予定を変更して教会の息がかかった宿に泊まり、その翌日に帝城に来る事になったと、春風はギルバートからそう話を聞いた。


 そして翌日、遂にモーゼス達が帝城前に来たと、ギルバートのもとに報告が入った。


 「まずは俺達皇族が奴の話を聞く」


 というギルバートの提案に従い、今、謁見の間にはギルバート、エリノーラ、レイモンド、セレスティア、エドマンド、オズワルド、アンジェリカ、そして数人の臣下と騎士がいて、春風達は別室……と言うより、それぞれの自室で待機している。その時ギルバートから、


 「()()()で話を聞くように」


 と、盗聴用魔導具の受信部分を手渡された。


 その後、一通りの準備が終わると、謁見の間の扉が開かれて、モーゼスと信者が2人、そして「歴戦の猛者」を思わせる風貌の男性騎士が1人の、合わせて4人が入ってきた。


 「お久しぶりです、ギルバート皇帝陛下」


 モーゼスがギルバートの前に出てそう挨拶すると、


 「フン。遠路はるばるご苦労だな」


 と、ギルバートは玉座から相手を見下す感じの太々しい態度でそう返した。


 その態度に信者2人はイラッとなったが、モーゼスはスッと右手を上げて、


 「落ち着きなさい」


 と、小さい声でそう命令した。


 「いやぁ、これはこれは手厳しいですな」


 モーゼスは穏やかな笑みでそう言うと、


 「あー、前置きとかそういうのいらねぇから率直に聞くが、現教主のあんたが何しにここに来た? 見たところ王国の騎士もいるようだが、あんたがここに来る事をウィルフは知ってんのか?」


 と、ギルバートは太々しい態度を崩さずにそう尋ねた。


 信者2人はその言葉を聞いて更にイラッとなったが、そこでもモーゼスは穏やかな笑みを崩さずにスッと右手を上げて、


 「落ち着きなさい」


 と命令した。信者と騎士達は、無言で全員それに従った。


 それを確認した後、モーゼスはギルバートに向かって口を開く。


 「そうですねぇ。まず一つ目の答えですが、今回この国への訪問はウィルフレッド国王陛下とは無関係の完全な私用です。まぁ、私が国を出た時点で、もう国王陛下に報告が入ってるでしょうが」


 「ほう、てっきりイブりん迎えに来たのかと思ってたんだがな」


 「イブりん……ああ、イブリーヌ姫様ですか。勿論、イブリーヌ姫様の迎えも含まれておりますよ」


 「ふーん、そうかい」


 「で、二つ目……というより、こちらが本題なのですが、今回私自らがここに来た理由はと言いますと、こちらに滞在している、我がセイクリア王国が誇る『勇者』達と……


 「勇者達と、何だ?」


 ギルバートが尋ねた瞬間、モーゼスは穏やかな笑みを僅かに歪ませて答える。


 「『半熟賢者』幸村春風殿を、我々に返して欲しいのです」

 


 




 

 


 


 

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