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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
間章4

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間話26 召喚が終わって

 お待たせしました、1日遅れの、間話26弾です。


 それは、春風が英雄転生召喚を行なった後のことだった。


 死んだ両親と育ての親の妻が、「英雄」としてエルードに転生召喚され、その場が一旦解散になった後、眠れなかった春風は、1人、召喚が行われた帝城の中庭にいた。その手には、とある魔術師の手記を持っていた。


 因みに、服装はそれまで着ていた衣装から普段着になっている。


 「……」


 中庭の中央にしゃがんだ春風は、召喚した英雄達の肉体となった「素体」が入っていた箱の残骸を眺めていた。そして、一通り破片を眺め終えると、その視線を持っている手記へと移した。


 手記を開いてページを捲っていくと、最後のページの隅に、1人の人物の名前が書かれていた。


 「……」

 

 春風は無言で手記を閉じると、スッと立ち上がって、


 「ありがとうございます」


 と、小さく呟いた。


 すると、


 「よう、春風」


 「!」


 不意に名前を呼ばれて、春風は驚いて後ろを振り向くと、


 「……ギルバート陛下」


 そこにいたのは、ギルバートだった。


 「なーにしてんだ? こんな夜遅くに」


 ギルバートが明るい口調で春風にそう尋ねると、


 「……ちょっと、自分がした事を確認しようと思いまして」


 と、春風は視線を箱の残骸に移しながらそう答えた。


 ギルバートも残骸を見て、「ああ」と小さく声を漏らすと、再び春風に尋ねる。


 「で、召喚された『英雄』達は、今どうしてんだ?」


 「お父さん達でしたら、部屋でぐっすり眠ってます」


 「そうかい」


 その後、2人は暫く沈黙していると、先に春風が口を開いた。


 「あの、ギルバート陛下」


 「? 何だ?」


 「今日は、ありがとうございました。召喚が成功したのは、陛下のお陰です」


 「おいおい、神様のサポートがあったとはいえ、成功したのはお前の力だ。俺はただ媒体になりそうなものを用意しただけだぜ? その媒体だって、セレスと水音が手に入れたものだし」


 「ですが……」


 「それにだ、あの素体自体、俺らもどうすれば良いのかわかんなくて持て余してたんだ。それをお前が有効的に使ってくれただけじゃなく、死んだ『家族』との再会っつうスゲェ奇跡まで見せてくれたんだ、寧ろこっちがお礼を言いたいってもんだぜ」


 「それは……」


 顔を下に向ける春風を見て、ギルバートがどうしたものかと考えていると、ふと、春風の持っている手記を見て、


 「あ、そうだ!」


 「?」


 春風は「何だろう?」と首を傾げると、


 「実はまだ言ってなかったんだが、セレス達が見つけた『魔術師』の遺体は、今帝国が所有している墓地に埋葬してあるんだわ」


 「え、本当ですか?」


 「ああ。無事、世界を救ったら、家族みんなでそいつの墓参りに行ってこいよ。で、そん時にお礼を言えば良い」


 ギルバートの言葉を聞いて、それまで沈んだ表情をしていた春風は、少しだけ表情を明るくして、


 「はい」


 と、大きく頷いた。


 ギルバートはそんな春風を見て、


 「うし、良い返事だ!」


 と笑顔になると、


 「じゃあ、この話は終わりとして、実は春風にもう一つ言いてえ事があるんだわ」


 「何ですか?」


 春風は再び首を傾げると、


 「召喚の時の、お前の()()姿()、スゲェ似合ってた!」


 「!」


 「水音の話によれば、お前、過去に似たような格好をしたことがあるそうじゃねぇか!」


 「ぐっ! 水音の奴、そこまで話してたのかよ」


 「だが出来れば、俺はお前の口からも聞きたいと思っている。さぁ、話せ!」


 「い、嫌です! 水音から話を聞いたなら、別に俺が話をする必要ないですよね!?」


 「いいから話せ、これは皇帝命令だ!」


 「ええ、何で俺命令されなきゃならんのです!?」


 「それは、お前がウォーリス帝国(俺達)のものだからだ!」


 「そんな理不尽なぁ!」


 「さぁ、とっとと話せ!」


 「なんでだよぉ、もう!」


 2人がそんなやり取りをしていると、


 「あら、私も是非聞かせてほしいわぁ!」


 「「?」」


 突然の声に2人が振り向くと、そこにはギルバートの妻である皇妃エリノーラがいた。


 「え、ええと、何でエリノーラ様がここに?」


 春風は恐る恐るエリノーラに向かってそう尋ねると、


 「気にしない気にしない、さぁ私にも聞かせて。あ、拒否権は無いからね」


 「あなたも理不尽ですなぁ、おい!」


 その後、結局春風は、ギルバートとエリノーラに、自信の過去のエピソード(主に凛依冴との『旅行』の話)を話す事になった。

 というわけで、今回は、英雄転生召喚が終わってすぐの時の話でした。


 この話の流れを考えるのに時間がかかってしまい、結果1日遅れの投稿になってしまいました。


 本当に申し訳ありません。

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