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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第9章 出会い、波乱、そして……

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第225話 それぞれの職能


 転生召喚された3人の職能を見て、謁見の間にいる誰もが沈黙している中、


 「あー、すまねぇが、英雄さん方」


 先に口を開いたのは、ギルバートだった。


 「はい、何でしょうか?」


 「アンタらの職能が、どういうものなのか説明してくれるとありがたいんだが」


 ギルバートは何処かぎこちなさそうにそう頼むと、3人は「わかりました」と言って、自身の職能を説明した。


 自由騎士(固有職能)……己の「信念」と「守りたい存在(モノ)」を守る為に戦う自由な騎士。あらゆる武器、魔術、そして騎士の技を扱うことによって、敵陣に突っ込む攻撃役にも、仲間を守る防御役にもなれる。

 

 戦巫女(固有職能)……戦闘技術を備えた巫女。武術、魔術を得意とすると同時に、特殊な力を秘めた「舞」を踊ることによって味方をサポートする事を得意とする。


 魔王(固有職能)……魔力の扱いとあらゆる魔術を極めた魔術師の頂点。この世に存在する全ての魔術が大幅に強化され、弱い魔術でも数千の敵を殲滅出来ると同時に、数千の味方を癒す事も出来る。


 「「「とまぁ、こんな感じです」」」


 3人がそう説明し終えると、


 『ちょっとぉおおおおおおおっ!』


 と、勇者(クラスメイト)達が一斉に春風に詰め寄った。


 「うぉっ! どうしたのみんな!?」


 突然の事に春風が驚いていると、


 「お前、なんてもん召喚してんだよぉおおおおおっ!」


 「静流さんと雪花さんは良いとして、冬夜さんのはないでしょおおおおおっ!」


 と、鉄雄と美羽が鬼の様な形相で怒鳴ってきた。それは、他の勇者達も同様だった。


 「お、おい、どうしたんだお前ら、一体何をそんなに怒ってるんだ?」


 ギルバートが恐る恐るそう尋ねると、


 「あのですね、冬夜さんの『魔王』って職能は、僕達『勇者』にとって、宿()()とも言える存在で、物語でいうなら『ラスボス』、つまり『諸悪の根源』とも言える存在なんです」


 と、水音が溜め息混じりにそう答えた。


 それを聞いて、ギルバートは「へぇ、そうなんだ」と呟くと、


 「……て、お前なんてもん召喚してんだよぉおおおおおおおっ!」


 と、勇者達と同じ様に鬼の形相でそう怒鳴った。


 「え、えーとー、その……」


 春風はどう答えたら良いのかわからずオロオロしていると、


 「別に気にしてませんよ」


 と、冬夜があっけらかんとした表情で答えた。


 ギルバートはその答えに、


 「え、良いのか?」


 と尋ねると、


 「ええ、僕自身、この職能っていうの凄く気に入ってますし、何より……」


 「何より?」


 「この力があれば、春風とセっちゃんの敵を()()()に出来るじゃないですか」


 笑顔でそう言った冬夜の言葉に、春風と雪花を含めた周囲の人達は、


 『……え?』


 と、皆一斉にキョトンと首を傾げた。


 誰もが数秒程沈黙していると、


 「ちょっと冬夜君、駄目でしょそんなこと言っちゃ!」


 と、雪花が「メッ!」と子供を叱る感じで冬夜にそう怒鳴った。


 それに対して冬夜はというと、


 「え、何怒ってるのセっちゃん? 僕にとって大事なのはセっちゃんと春風の幸せだけで、その他は本当に()()()()()()()()()


 と、何故怒られているのか本当にわからないといった表情で答えた。


 数秒後、


 「おいハル、お前の親父さんどうなってんだよ!?」


 「そうだよハルッち、なんか凄い重いセリフ吐いてんだけど!?」


 と、鉄雄と恵樹が春風に問い詰めると、


 「……ごめん、お父さんは元々()()()()()なんだよ」


 『うっそだろオイッ!?』


 もの凄く気まずそうに答える春風に、周囲の人達はショックを受けた。


 すると、


 「あ、そうだ、春風」


 と、何かを思いついたかの様に冬夜が春風に話しかけた。


 「何、お父さん?」


 「僕もセっちゃんも静流さんも、こうして転生したわけだから、これを機に思い切って僕達の呼び名を変えてほしいんだ。ほら、君はもう新しい『お父さん』がいるわけだし」


 「え、それは……」


 冬夜のその言葉に、春風は少しだけ悲しそうな表情になるが、


 「大丈夫よ春風」


 「お母さん?」


 「たとえ呼び名が変わっても、私達が『家族』ってことに変わりはないんだから」


 と、優しく話す雪花に、春風は少し考えて、


 「うん、わかった。じゃあ、なんて呼べば良いのかな?」


 と尋ねた。


 それを聞いた冬夜はニコリと笑うと、


 「決まってるだろ、『兄さん』と、『姉さん』だ」


 と、自身と雪花を交互に指差してそう答えた。それに続くように、


 「あら、じゃあ私は『母さん』ね!」


 と、静流も明るい口調でそう言った。


 春風は少しの間目をぱちくりとさせると、


 「ハハ、『英雄』を召喚したと思ったら、『家族』が出来ちゃったよ」


 と、乾いた笑いをこぼしながらそう呟いて、


 「……うん、わかったよ。えっと、よろしく、()()()()()()()()()


 と、恥ずかしそうに顔を赤くして、冬夜達3人の『英雄』をそう呼んだ。


 それを聞いた3人は、


 「「「うん、よろしく!」」」


 と、嬉しそうに同時に春風に抱きついた。


 ギルバートはそんな彼らの姿を見て、


 「ハハハ、こりゃ随分とエライのが召喚されちまったなぁ」


 「ええ、そうですね」


 と、エリノーラと共に笑いながらそう呟くのだった。

 


 


 

 

謝罪)


 大変申し訳ありません。


 本当に勝手ながら、昨日投稿した前回の話を読んで、「ああ、ここは修正した方がいいな」と思い、話の最後の部分と、静流さんと雪花さんの職能を変更しました。


 静流……戦巫女 → 聖重騎士


 雪花……戦乙女 → 戦巫女


 因みに、イメージとしては、静流=前衛・盾役、雪花=中衛・遊撃、冬夜=後衛・魔術役になります。


 そして、それとは別に、次又はその次辺りで、第9章が終わります(予定ですが)。

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