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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第9章 出会い、波乱、そして……

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第209話 春風、皆の前で「実験」をする


 結局、その後春風と恵樹は、扉の向こうにいた人達ーークラスメイト達や七色の綺羅星メンバー達、更にウォーリス帝国の皇族達に、


 「「大変ご心配をおかけしました!」」


 と、突っ込みを入れるのをやめて、代わりに説明アンド謝罪をした。


 どうやら皆、朝から様子がおかしかった2人のことを心配していたみたいで、2人の説明を聞いてとても安心していた。


 更にその後、恵樹は歩夢とジゼルに、


 「昨日は本当にごめんなさい!」


 と、頭下げて謝罪した。当然、春風のフォローもあったので、最終的に2人は恵樹を許すことにした。


 そんなわけで、この一件はこれでひとまず終了したわけなのだが、仲間達に心配させてしまったことに申し訳なさを感じた春風は、


 「みんなに何かしたいな」


 と、考え始めたその時、


 「それなら、改めてお前の『力』が見たい!」


 と、皇帝ギルバートがそう提案してきた。


 「え、な、何故ですか?」


 春風は「何故今更?」と言いたげな表情でそう尋ねると、


 「お前、水音との決闘前に、エドとオズに魔導具作ってる所見せたそうじゃねぇか。俺だって見たいんだぞこのヤロー!」


 と、ギルバートは子供みたいな不満顔でそう答えた。そしてそれは、仲間達も同様だった。


 (あー、そういえばジゼルさんの他には、エドマンド様とオズワルド様にしか魔導具製作を見せてなかったっけ……)


 春風は少しの間「うーん」と考え込むと、


 「良いですよ。丁度試したいことがありますし」


 と、何かを決意したかの様な表情で言った。それを聞いて、ギルバート達は皆、


 『いよっしゃあっ!』


 と、喜びの声を上げた。


 そして、場所は帝城の謁見の間へと移った。


 「で、何を見せてくれるんだ?」


 と、玉座に座ったギルバートが、目をキラキラと輝かせながらそう尋ねると、春風は真面目な表情で真っ直ぐギルバートを見て、


 「ちょっと、ある『実験』の為の魔導具を作ろうと思ってます」


 と答えた。それを聞いて、周囲の人達は『おぉ!』と驚きの声をあげた。


 そんな彼らを無視して、春風はポケットから、「あるもの」を取り出した。


 「む、そいつは?」


 ギルバートがそう尋ねると、


 「『魔導スマートフォン零号』。この世界に来る前に、俺が最初に作った魔導具です。今から俺は、こいつを更に()()します」


 そう答えた春風に、周囲は、


 『な、なんだってぇ!?』


 と再び驚きの声をあげた。


 「ふむ。で、どうやって改造するつもりだ?」


 「それはですね、()()()を使います」


 そう言って、春風は再びポケットから「あるもの」を取り出した。


 それは、黄色と紫色をした2つの宝石の様だった。


 「そいつは?」


 「俺がスキル、[魔石生成]で作った、光と闇属性の魔石です。因みに、黄色が光属性で、紫が闇属性です。で、今からこれらを材料に改造を始めます」


 春風はそう言うと、皆の前で[魔導具錬成]のスキルを発動した。


 目の前に現れた青い光を放つ円「サークル」の中心に、今言った2つの魔石と、自身が最初に作った魔導具、魔導スマートフォン・零号ーー以下零号を置いた。


 そして、


 「錬成開始」


 と唱えると、サークル内に置いた3つの材料が、宙に浮いてグルグルと回転し、やがて1つになって、新たな魔導具が誕生した。


 その瞬間、春風の頭の中で「声」が聞こえた。


 「錬成ガ完了シマシタ。『魔導スマートフォン・零号』ハ、『魔導スマートフォン・零号【改】トナリマシタ」


 (よし、出来た!)


 その「声」の後、春風は出来上がった零号【改】を手に取ると、早速それを起動した。


 そして、真剣な表情でそれを操作すると、春風はゆっくりと深呼吸して、最後の仕上げに入った。


 (さぁ、やるぞ!)


 春風は零号【改】の画面にソッと触れると……。


 プルルルルルルル! プルルルルルルル!


 その音を聞いて、


 『え、な、何、何事!?』


 と周囲がざわつくと、やがて音が止んで、春風は画面に向かって口を開く。


 「も、もしもし」


 その言葉を聞いて、水音らクラスメイト達が「え?」と一斉に首を傾げると、


 「()()()()()()()?」


 と、零号【改】の画面から、()()()()()()()()()()()()()()()()がした。


 その声を聞いて、春風は「ハハ」と小さく笑うと、


 「うん、そうだよ、()()()


 と、画面の声の主ーー()()()()に向かってそう返した。

 


 


 


 

 


 


 

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