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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第9章 出会い、波乱、そして……

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第197話 春風vsアデレード

 お待たせしました、1日遅れの投稿です。


 そんなわけで、春風とアデレードの勝負は、帝城の中に設置された簡易闘技台で行われることになった。


 「また闘技場でやってほしかった」


 と文句を言っていたギルバートら皇族達であったが、肝心のアデレードはというと、


 「まぁ、戦えるなら何処でも一緒だから」


 と、全く気にしていなかったので、場所の事で揉め事が起こることはなかった。


 そして現在、リアナら仲間達やギルバートら皇族達、帝国騎士や兵士達、そして、何故か来ていたアレス教会の信者達に見守られながら、春風とアデレードは対峙していた。


 「やると決めたからには、本気(マジ)でいかせてもらいます」


 「良いよ、何処からでもかかってきなさい!」


 2人はそれぞれの武器を構えて、真剣な眼差しでお互いを見ている。そんな2人を誰もがゴクリと固唾を飲みながら見守る中、


 「それでは……両者、始め!」


 と、審判役の男性が高々に叫んだ。


 次の瞬間、先に動いたのは……アデレードだった。


 「はぁっ!」


 素早く春風の側まで近づいたアデレードは、謁見の間の時と同じ様に持っていた大剣を、春風に向かって振り下ろした。


 「……っ」


 しかし、彼岸花を構えていた春風は、刃が当たる瞬間にそれを回避した。その後、大剣の柄を握るアデレードの手首めがけて、彼岸花の峰を振り下ろした。


 「おおっと!」


 驚いたアデレードだったが、咄嗟に柄から手を離して後ろに跳んで回避した。


 だがそうなる事を予測していたのか、春風はすかさずアデレードに向かって突進する。


 「ぬおっ!?」


 アデレードは前方に向かってジャンプし、突進したを避けた後、再び大剣を手にした。


 それを追う様に、春風はアデレードに向かって再び突進。今度は先程のアデレードと同じように、彼女めがけて彼岸花を振り下ろした。勿論、刃ではなく峰の方を、だ。


 「こんのぉ!」


 アデレードは大剣を力強く引いて、その大きな刃で振り下ろされた彼岸花を防御した。その時の衝撃によるものか、春風は背後に少しだけ吹っ飛ばされた。


 (くっ!)


 春風は体を回転させてなんとか闘技台の上に着地すると、彼岸花を構え直してアデレードを睨みつけた。


 2人は暫くの間見つめ合っていると、


 「凄いね君、固有職能とはいえ後衛職だってのに、ここまで接近戦が出来るなんて」


 と、アデレードはニヤリと笑って春風をそう褒めた。


 それに対して、春風は表情を変える事なく、


 「……まぁ、ちょっとユニークですから、俺」


 と返事した。


 「ハハ、面白いことを言うね。じゃあ……」


 アデレードは笑いながらそう言うと、大剣の柄をカチリと鳴らした。


 (ん? 何だ今の音?)


 と春風がそう思った次の瞬間、


 「これなら、どうかな!?」


 アデレードの大剣の刃が幾つものパーツに分かれて、まるで鞭の様になった。


 そして変形させたその刃を、春風めがけて思いっきり振るった。


 「!?」


 春風は紙一重の所でそれを避けるが、蛇の様に動くその刃は、容赦なく春風に襲いかかってくる。


 「どう? これが私の武器、『大蛇剣ビッグヴァイパー』だよ! 以下に固有職保持者と言っても、こいつのしつこさに勝てるかな!?」


 笑いながらその剣を振るうアデレード。春風が何度避けても、彼女の攻撃は止まることはなかった。


 「確かに、これはしつこいな」


 ボソリとそう呟いた春風。


 (それなら、()()かな)


 そんな彼の次の行動は……、


 『え?』


 何と、避けるのをやめてその場に留ることだった。


 「何のつもりかわかんないけど、これで私の勝ちだ!」


 アデレードがそう叫ぶと同時に、襲いかかってくるビッグヴァイパーの刃。


 「危ない!」


 誰かがそう悲鳴をあげた、まさにその時、春風は息を吸い込んで……、


 「カァッ!」


 腹の底から、思いっきり叫んだ。


 次の瞬間、叫んだ春風を中心に衝撃波が発生した。


 「んなぁっ!?」


 そして、その時丁度春風とはそれほど離れてない位置にいたアデレードは、その衝撃波をまともに受けて体勢を崩した。


 (ここだ!)


 と、そう確信した春風は、アデレードに向かって左手を突き出し、


 「求めるは“風”、『ウインド』!」


 自身が作った風の魔術を発動した。


 魔力で作られた風が、アデレードめがけて放たれた。このままいけば、間違いなく直撃するだろう。


 だが、


 「く、おんどりゃあああああああっ!」


 そう叫んだアデレードはどうにか踏ん張った後、ビッグヴァイパーを鞭の形態から大剣に戻し、その刃に自身の魔力を纏わせると、春風の「ウインド」を、真っ二つに両断した。


 「ふぅ。やってくれるねぇ」


 アデレードは春風に向かってそう言うと、再びニヤリと笑って、


 「それじゃあ、こっちも本気でいくよ!」


 その時、アデレードの雰囲気が変わったのを感じて、春風と周囲の人達が、


 「何だ?」


 と「?」を浮かべていると、


 「スキル[狂人化]、発動!」


 アデレードがそう叫んだ瞬間、アデレードの体が、春風の彼岸花の刃よりも禍々しい、真っ赤なオーラの様なものに包まれた。


 すると、それまでちょっと筋肉がついていた肉体がムキムキと音を立てて、まるでボディビルダーを思わせる体格になり、その両目も体を包むオーラと同じ禍々しい赤に染まった。


 そんな、見るからに「ヤバそう」な見た目になったアデレードが、赤く染まった両目を春風に向けて言い放つ。

 

 「ヒャッハーッ! さぁ、第2ラウンドといこうじゃないか!」



 


 


 

 


 



 


 


 


 

謝罪)


 大変すみません、本日はこの場を借りて謝罪します。


 勝手ながら誠に申し訳ございませんが、アデレードさんの身体的特徴につきましては、「金髪」からに「銀髪に」、ニックネーム(?)を、「アデル」から「アーデ」に変更しました。また、彼女の祖国も「ブルック王国」から「グレイシア王国」に修正しました。


 本当にごめんなさい。

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