間話20 春風と女(の子)達
お待たせしました、間話第20弾です。
それは、春風がイブリーヌと入浴してからすぐのことだった。
2人は現在、春風の自室にて、正座させられていた。
そして、そんな2人の前にいるのは、ちょっと怒り顔のリアナ、歩夢、凛依冴の3人だった。因みに、凛依冴が真ん中で、その左右にリアナ、歩夢といった形だ。
(な、何でこうなった?)
春風は一体何故こうなっているのかわからないと言わんばかりの表情になっていると、先に口を開いたのは、凛依冴だった。
「ちょっとハニー、酷いんじゃないかなぁ?」
「な、何がでしょうか?」
春風が恐る恐るそう尋ね返すと、
「勿論、イブリーヌ姫との入浴よ」
と、凛依冴はプンスカと怒りながら答えた。そしてそれに続く様に、リアナと歩夢も「うんうん」と頷いた。
その言葉を聞いた春風は「ゔっ!」と唸ると、
「な、何故、それを!?」
と凛依冴に尋ねると、凛依冴は親指を立てて答えた。
「勿論、しっかり見させて貰ったからよ」
「え、ど、何処からですか!?」
「春風が大浴場に連れてこられてからよ。そして2人して楽しそうにお風呂で話し合ってた所も3人で見させて貰ったわ」
「「ええ!?」」
まさか、見られてたとは思わず、凛依冴の言葉に驚く春風とイブリーヌ。特にイブリーヌに至っては入浴してた時以上に顔が真っ赤になった。
そんな2人を見て、凛依冴は「ハァ」と溜め息を吐くと、
「ま、大方イブリーヌ姫の告白から返事をしない春風に、怒ったエリノーラ様が行動を起こしたって所かしらね」
と、呆れ顔で言った凛依冴に、イブリーヌは気まずそうに「ううっ」と呻いた。
その後、凛依冴は視線をイブリーヌから春風に移す。
「で、春風」
「は、はい」
「大浴場での話は聞いていたけど、敢えて聞くわ。取り敢えず春風の答えとしては、イブリーヌ姫とは先ずはこれから少しずつお互いを理解していこうって事で良いのね?」
「……はい」
「イブリーヌ姫も、それで良いって事に決まったのよね?」
「はい」
2人の答えを聞いて、凛依冴は「わかった」と言うと、
「それじゃあ、明日はここにいるみんなで一緒にお風呂に入ろうか!」
と、真顔で提案してきた。
それを聞いた凛依冴を除く4人は、
『ええぇっ!?』
と、一斉に驚きの声を上げた。
「え、あ、あの師匠、何故そうなりますか!?」
春風は混乱しながらも凛依冴にそう問い詰めると、
「だぁってぇ、久しぶりにマイスウィートハニーとお風呂に入りたいんだもの」
と、凛依冴は頬を膨らませてそう答えた。
更に、
「リアナちゃんと歩夢ちゃんも、春風と一緒に入りたいよね?」
と、凛依冴は呆然としているリアナと歩夢に向かってそう質問した。
「いやいや、ちょっと待ってししょ……」
ハッとなった春風が何か言おうとしたその時、
「「はい、一緒に入りたいです!」」
と、リアナと歩夢は同時にそう返事した。
それを聞いて、春風は
「ちょっと待て……」
と、突っ込みを入れようとした、まさにその時、
「あ、あのぉ、すみません」
ガチャリと扉が開く音と共にルーシーが入ってきたので、春風は、
(やった! これでこの変な流れを変えられる!)
と、内心喜んでいたが、
「わ、私、も、ご、ご一緒させて、下さい!」
まさかの1人追加だった。
また更に、
「それでは、私も一緒に良いかしら?」
と、零号から出てきたジゼルが、参加したいと言ってきた。
(え、いや、ちょっと待って、えぇ?)
まさかの参加者追加に、春風は混乱していると、
「オッケー! じゃ、みんなで入りましょ!」
と、凛依冴はそう叫んでこの場を終わらせた。
(う、嘘でしょ?)
その後、イブリーヌはエリノーラから大浴場の使用許可を貰い、翌日、決闘に向けての準備が終わると、昨日の話し合いの通り、春風と6人の女性、少女達は全員で再び大浴場での入浴となった。
今回で間話は終了です。次回からは本編再開となります。




