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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
間章3

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204/609

間話15 リアナと歩夢

お待たせしました、間話第15弾です。


今回はいつもより短めの話になります。


 春風がエドマンドとオズワルドを部屋に招き入れたのと同時刻。


 客室の1つにてリアナは、


 (あああああああ、やっちゃったよぉおおおおお!)


 と、心の中で悲鳴(?)をあげながらベッドの上でゴロゴロと転がっていた。


 何故そんな事になっているのか?


 原因はわかってる。昨夜の春風の部屋での一件だ。


 (うう、私ってば、ハルとユメさんになんてことを! 勢いに任せてベッドに押し倒しただけじゃなくキスまでしちゃうなんて! しかも、イブリーヌ様に至っては『駄目』って言っておきながら、結局ハルにキスと告白までさせちゃうし! 挙げ句最後は自分の気持ちを思いっきりカミングアウトしちゃうし! ううう、すっごく気まずいよぉ。)


 なんて事を考えながら更に激しくゴロゴロしていると……。


 トントン。


 「ふあ?」


 部屋の扉をノックする音を聞いたリアナは、「誰だろう?」と思ってベッドから出てその扉を開けると、


 「おはよう」


 ユメこと歩夢だった。


 「ふひゃあああああああっ!」


 リアナは歩夢の顔を見てそう悲鳴をあげると、


 「ごごご、ごめんなさいいいいいいいい!」


 と言って扉を閉めようとしたが、


 「待って!」


 歩夢は「そうはさせるか!」と言わんばかりに扉押さえて閉めることが出来ない様にした。


 「ゆゆゆ、許してくださいいいいいいい!」


 「落ち着いてリアナさん。私は、あなたと話がしたいの」


 「う?」


 歩夢の言葉を聞いて、リアナは深呼吸して気持ちを落ち着かせると、「どうぞ」と言って歩夢を部屋に招き入れた。


 その後暫く、2人はベッドの上に座って沈黙していると、


 「あ、あの、ユメさん」


 リアナが口を開いた。


 「なあに?」


 「き、昨日の夜のことなんだけど、覚えてる?」


 「うん、ちゃんと覚えてる」


 見事な即答に、リアナは「うう」と呻いた。


 「ご、ごめんなさ……」


 リアナが謝ろうとした、まさにその時……。


 「謝らないで」


 「へ?」


 ガバ!


 「きゃ!?」


 ドサ!


 歩夢はリアナを、ベッドの上に押し倒した。


 そして、


 「むぐ!」


 歩夢はリアナの唇にキスをした。


 「……」


 リアナは突然の事に固まっていると、


 「これで、おあいこだよ」


 と、歩夢は穏やかな笑みでそう言った。


 「う、あ、えっと……」


 リアナは何か言おうとしたが、上手く言葉を出すことが出来なかった。


 そんなリアナに、歩夢は表情を崩さず話しかける。


 「ねぇ、リアナさん」


 「な、何?」


 「リアナさんは、フーちゃんのことが好き。それは今も変わらない?」


 歩夢にそう尋ねられたリアナは、真っ直ぐ歩夢を見つめると、


 「うん、私はハルのことが好き。それは今も同じだよ」


 と答えた。


 それを聞いて、歩夢は「そっか」と小さく呟くと、


 「だったら、一緒にフーちゃんを幸せにしよう」


 と笑顔を崩さずにそう言った。


 まさかの答えに、リアナは「え? で、でも……」と戸惑っていると、


 「大丈夫。きっとフーちゃんなら、次元も常識も超えちゃう凄い『奇跡』を起こしちゃう。そんな気がするんだ」


 と、歩夢はそれでも笑顔を崩さずにそう言った。


 「ゆ、ユメさ……」


 リアナがそう呼ぼうとしたその時、


 「『ユメ』だけで良いよ」


 「え?」


 「言ったでしょ? 『一緒にフーちゃんを幸せにしよう』って。だから、ユメだけで良い。さん付けは、いらないよ」


 「……だったら、私も、『リアナ』で良いよ。さん付けはしなくていい」


 「うん、わかった。じゃあ、よろしくね、リアナ」


 「うん。よろしく、ユメ」


 そう言い合うと、2人は再びキスをした。


 その後、2人はお互いが知ってる春風について語り合った。


 

 


 

 


 

というわけで、今回は前回と同時刻に起きた出来事をテーマに書きました。

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