表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第8章 友との決闘

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

196/609

第184話 春風vs水音14 そして、2人は並び立った


 水音が覚醒する前に、水音の頭の中で「声」がした。


 「新タナル目覚メガ起キマシタ」


 「個人名『桜庭水音』ノ目覚メヲ確認シマシタ」


 「個人名『桜庭水音』ノ、『強キ魂ノ輝キ』ト、神名『水ノ女神マール』ニ対スル『反逆ノ意志』ヲ確認シマシタ」


 「ソレラノ情報ヲ基ニ、現在ノレベルト所持スキルヲ除キ、新タナ『ステータス』ヲ構築シマシタ」


 「神ヘノ『反逆ノ意志』ノ発現ニヨリ、職能『聖戦士』ト、称号『勇者』ガ消滅シマシタ」


 「職能『聖戦士』ノ消滅ニヨリ、新タナ職能ガ目覚メマシタ」


 「固有職能『戦鬼』ガ目覚メマシタ」


 「専用スキル[鬼闘術]、[鬼人化]、[鬼の威圧]ヲ入手シマシタ」


 「称号『神に逆らいし者』ヲ入手シマシタ」


 「以上ヲモチマシテ、新タナ『ステータス』ノ構築ヲ終了シマス」


 そして、現在。


 「じゃあ、もう『聖戦士』の職能は無くなったの?」


 そう尋ねた春風に、水音はコクリと頷いて、


 「といっても、レベルや能力値、それと今まで身につけてきたスキルはそのままだけどね」


 と答えた。


 春風は早速[英知]を使って、水音の新しい職能を調べた。その結果……。


 戦鬼(固有職能)……戦いに生きる「鬼」の力を操る戦士。あらゆる武術、武器を扱い、体力、魔力とは異なるエネルギー「鬼力(きりょく)」を操る事により、脅威的な戦闘力を発揮する。


 (おお、なんかスゲェな!)


 心の中で驚きの声をあげた春風は、更に詳しく調べようとした。


 ところが、


 「あり得ない!」


 (ん?)


 突然の声に、春風と水音は「何だ?」と声がした方に視線を向けると、そこには今にも「信じられない!」と叫び出しそうな表情になっている、女神マールの姿があった。


 マールは春風達を見て更に叫ぶ。


 「どうして!? どうして私に逆らうの!? しかも、固有職保持者になるなんて!」


 ヒステリックにそう喚き散らすマール。そこへ、


 「わかりませんか?」


 と、地球の神の1柱、アレスが割り込んできた。


 その言葉を聞いたマールは、キッとアレスを睨みつけたが、アレスは怒ることなく冷静になって話す。


 「春風君の『友を信じる』という『想い』と、水音君の強い『意志』が、あなたの悪き呪縛を打ち破ったんです。その結果、水音君は新たな力に目覚めたんです」


 「認めない! そんなの絶対に認めない!」


 アレスは説明しても頑なに認めようしないマールを見て「ハァ」と溜め息を吐くと、春風と水音に向かって、


 「じゃあ、春風君。それに水音君も」


 「「は、はい! えーと、あなたは?」」


 「ああ、申し遅れてしまいましたね。僕はアレス、『戦い』の神です」


 「「あ、これはどうも、よろしくお願いします」」


 「うん、よろしくね。僕は下がっていてるから、()()()の始末は君達に任せるよ。と言っても、こいつ自身『思念体』の様なものだから、本当に殺す事は出来ないけど、それでもぶちのめすくらいなら出来るから」


 「「はい、わかりました!」」


 2人返事を聞いたアレスは、「フフ」と笑うと、そのまま特別席の方へ下がった。


 それを確認すると、


 「春風、『任せる』って言われたけど、僕達どうすれば良いんだろう?」


 と、水音がそう尋ねてきたが、春風はというと、


 「困ったなぁ」


 とボソリと呟いたので、水音は「どうしたの」と尋ねた。


 すると、春風はマールの方を見て、「ハァ」と溜め息を吐くと、


 「俺、女性と女の子は大切にする方なんだけどな」


 「あ、そういえばそうだね……て、いやいや春風、あいつ『悪い奴』なんだから、そんな事言ってる場合じゃないだろ!?」


 と、水音がそう突っ込みを入れると、


 「春風様ぁあああああっ!」


 と、特別席にいるイブリーヌが、大きな声で春風を呼んだ。


 春風は「な、何!?」と驚いてイブリーヌの方を見ると、イブリーヌは更に叫ぶ。


 「わたくしが、許します! ですので……思いっきり、やっちゃってください!」


 その叫びを聞いて、春風は「ハハ」と苦笑いすると、


 「お姫様からオッケー貰っちゃった」


 そう言って、春風は深呼吸して気持ちを落ち着かせると、


 「水音」


 「……な、何?」


 「今から君に、すっごい偉そうな事を言うけど、良いかな?」


 と、自信の無さそうな表情で水音に尋ねた。


 水音はニコリと、笑って答える。


 「良いよ、聞かせて」


 その答えを聞いて、春風は嬉しくなって水音の隣に立つと、


 「それじゃあ……」


 と、スッと水音に右の握り拳を差し出して言う。


 「行こうぜ、()()!」


 それを聞いて、水音は、


 「ああ、行こう!」


 と、春風の握り拳を、グーでコツンと軽く叩いた。

 




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ