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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第8章 友との決闘

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第176話 春風vs水音6 決闘再開


 「『蹂躙』する気でかかってこい!」


 春風のその言葉に、観客達は開いた口が塞がらなかった。


 そこへ、それまで呆けていたジョリーンが口を開く。


 「ちょ、ちょっとぉおおおおお! 春風君、文句からの感謝の言葉を述べたと思ったら、美少女の様な可愛い顔でとんでもない事言ってますよぉ! 挑発か!? 挑発のつもりなのかぁ!? ていうか、腕! なんか左腕がゴツくなってんですけど、あれは一体なんなんだぁーっ!?」


 そう叫んだジョリーンを見て、ギルバートが答える。


 「おお! あれは、邪神の眷属との戦いで見せた、『タクティカル・アタッチメント』か!」


 「え、なんですかそれ!?」


 「春風が左腕につけているガントレット。前に見た時よりも少々見た目が変わっているが、あれは、魔術を発動する為の媒体になっているだけじゃなく、ああして武装を追加する事によってさらなる性能を発揮するんだ」


 「そ、そんな装備聞いた事もないですけど!? ていうか、よく知ってますねぇ!?」


 「ああ、奴に直接聞いた」


 「う、羨ましい!」


 ギルバートの説明を聞いて発狂するかの様に叫ぶジョリーン。その一方で、闘技台上の春風はというと、


 (そう。そしてこの『アガートラームMkーⅡ』は、今まで使ってたアガートラームを、この日の為にさらに強化したもの。新たに作った魔術を組み込んで、タクティカル・アタッチメントを召喚し、装着するだけじゃなく、零号なしで魔術を扱える様にもなっている)


 と、心の中でそう呟くと、チラリと特別席の方を見た。


 その視線の先には、予め外しておいた零号を持つ歩夢の姿があった。


 その後、春風は目の前の水音に視線を戻すと、


 「じゃあ水音、決闘再開といこうじゃないか」


 と、不敵な笑みを浮かべながら言った。


 そのセリフを聞いて、水音は、


 「……ああ、やってやるさ!」


 と言って、再び[聖闘気]を発動し、それに続く様に、春風も4属性の強化魔術を発動して自身を強化した。


 強化を済ませた2人が睨み合う。


 歯をギリっとさせて、明らかに怒りの感情が剥き出しになっている水音に対し、春風は何処か落ち着いた雰囲気を出していた。


 実況席、観客席、特別席にいる者達が、皆シーンと静まり返った。


 その中の1人が、緊張している所為か額からタラリと冷や汗を流した。


 そして、その冷や汗がポタンと地面に落ちると……。


 「「……っ」」


 と、お互い無言で目の前にいる相手に向かって飛びかかり、持っている刀と長剣を振るった。


 赤と黒、2つの刃が再びぶつかり合う。その激しさは、決闘開始直後以上だった。


 水音はガッツによる斬撃の他にも、様々な剣技や体術を駆使し、春風も彼岸花による斬撃に加え、タクティカル・アタッチメントを装着したアガートラームMkーⅡによるパンチやチョップ、さらに観客席に当たらないように注意しながら、これまで作ってきたオリジナルの魔術を放った。4つの属性の魔術を操る春風の戦いぶりをみて、観客席にいる魔術師の職能保持者達は、皆キラキラと目を輝かせていた。


 やがて、何度も攻撃を繰り出しているのに、一向に倒れる気配のない春風に痺れを切らした水音は、一旦春風から離れると、


 「()()()を、受けてみろ!」


 と、持っているガッツに魔力を纏わせた。


 それを見た瞬間、


 (あ、水音の奴()()()()ぶっ放す気だ)


 と、春風は冷静に分析した。


 その後、春風は「うーん」と考え込むと、「うん、これだな」と小さく呟いて、持っている彼岸花を、闘技台に突き立てた。


 そして、


 「良いぜ、来なよ」


 と、明らかに誘っているかの様に右手をクイックイと動かして水音を誘った。


 「! 後悔するなよ!」


 水音は両手で魔力を纏わせたガッツを握ると、春風に向かって突進し、


 「くらえ、『豪快・兜割り』!」


 と叫んで、魔力を纏わせたガッツを春風に向かって振り下ろした。


 だが、


 (今だ!)


 ガキィン!


 「な!? 止めた!?」


 春風はその一撃を、アガートラームMkーⅡで防いだ。


 さらに、


 「アブゾーブ」


 と、春風はそう唱え、水音の攻撃を吸収した。


 (これは! ち、力が抜けていく!)


 突然の事に水音が呆然としていると、


 「今度はこっちの番だ」


 と言って、春風は吸収した水音の攻撃エネルギーと自身の魔力を、武器を持ってない右手に集めて、巨大な真紅の拳を作った。


 「な、何だ?」


 そうこぼした水音を無視して、


 「メガトンブロー、()()……」


 春風は、叫ぶ!


 「『メガトンブラスト』!」


 春風はその真紅の握り拳を、水音の腹めがけてぶちかました。


 その瞬間。


 チュドオオオオオオオン!


 「グハァっ!」


 大きな爆発音と共に、水音思いっきりぶっ飛ばされ、何度もバウンドしたが、あと少しで闘技台の外に落ちそうになったところを、間一髪で止めた。


 苦しそうに倒れ伏した水音を見て、


 「無理をするな。大人しく負けを認めてくれ」


 と、静かにそう言い放ったが、


 「ま、まだだ! 僕は、こんなところで負けるわけにはいかない!」


 水音は苦しそうに腹を押さえながらも、必死で立ちあがろうとした。


 「ここで負けたら、僕は何の為にクラスのみんなの下を去ってまで強くなろうとしたのか、わからなくなってくる!」


 そう叫ぶ水音に、春風が声をかけようとした、まさにその時、


 「そうよ。ここで負けてはいけないわ」


 と、何処からともなく若い女性の声が聞こえた。

謝罪)

 

 誠にすみません。第168話の、特別席にいる人達について修正しました。ヒロインのリアナの育ての親であるヘリアテス様を加えました。

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