表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第8章 友との決闘

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

182/609

第170話 決闘開始(今度は本当に)


 「あ、あいつが固有職保持者?」


 「剣士じゃないの?」


 「ていうか、勇者と同じ異世界人?」


 「『異世界の神の使徒』って、どういう事?」


 突然のエリノーラによる暴露に、春風は勿論、観客席にいる者達全員が混乱していた。そしてそれは、エリノーラと同じ特別席に座るリアナをはじめとした七色の綺羅星メンバー、そして歩夢ら勇者達も同様だった。


 「あ、あの、エリノーラ様、それは一体どういう意味なのですか?」


 と、実況席にいるジョリーンがエリノーラにそう質問すると、


 「実は、何を隠そうこの世界は……」


 と、エリノーラは真面目な表情になって話し始めた。


 観客達はゴクリと固唾を飲むと、エリノーラはカッと目を見開いて叫んだ。


 「口にするのも憚られる、とても大変な事態に陥ってるの! それも、放っておけば春風ちゃんと水音ちゃん、そして勇者ちゃん達の世界にまで甚大な被害をもたらしてしまう程のね!」


 その叫びを聞いて、観客達は、


 『な、なんだってぇえええええええ!?』


 と、皆一斉に驚きの声をあげた。


 そんな彼らを前に、エリノーラは話を続ける。


 「それを知った異世界『地球』の神々は、偶然召喚されそうになった所を助けた春風ちゃんに、その事態の原因を調査し、可能ならば阻止する様に依頼し、水音ちゃん達勇者に紛れ込ませる形でこの世界に送り込んだの。当然、この世界で生きられる様に、春風ちゃんの身体を作り変えてね」


 『そうだったんですか!?』


 「ところが、春風ちゃんが目覚めた職能は、この世界では異端視されている固有職能、それも、この世界で最初に生まれた固有職能『賢者』だったのよ。あぁ因みに、名前の前に『半熟』っていうのは、『半人前』って意味で、このまま成長すればいずれは『真の賢者』になるって事よ」


 『そ、そうだったんですか!?』


 衝撃の事実(?)に驚愕する観客達。すると、エリノーラはわざとらしく「あらいけない」と小さく呟くと、


 「おっと、話が逸れちゃったわね。そしてご存じの通り、五神教会は固有職保持者を絶対に認めない。つまりこのまま彼らと一緒にいると、いずれ教会に正体がバレて、何をされるかわかったものじゃないからね。だから、そうなる前に、春風ちゃんは『仲間のもとを離れる』という苦渋の決断をしたというわけよ」


 エリノーラの説明に、一斉に春風に視線を向けた観客達。


 次の瞬間、春風は「くっ!」と言って苦しそうに胸を押さえた。


 それを見た時、観客達はエリノーラが言っていたのが真実であると理解した。


 するとその時、


 「さて皆様、ここで貴方達に質問です」


 いきなりそう言ったエリノーラに、観客達は皆「?」を浮かべて首を傾げると、


 「そんな賢者の力に目覚めた、異世界の神の使徒である春風ちゃんと、そんな春風ちゃんに戦いを挑んだ勇者の水音ちゃん。同じ世界に生まれ、同じ師匠を持つ弟子同士が、それぞれの想いの為に身につけた力と知恵と技をぶつけ合う。こんなすごいビッグイベント、見たいでしょ?」


 と、エリノーラが観客達にそう尋ねると、観客達は皆フッと笑い、叫んだ。


 『見たい! 見たいぞぉおおおおおおお!』


 その叫びを聞いて、エリノーラは「フフ」と小さく笑うと、


 「さぁ、春風ちゃんに水音ちゃん。2人の熱い戦いを、この私と、ここにいる観客の皆様に見せてくださいね」


 と、春風と水音にそう告げた。


 観客達も『ウオオオオオオオオ!』と2人を見て一斉に叫んだ。


 「……水音」


 「……何?」


 「……これ、下手な戦いは出来ないね」


 「……うん」


 観客席の様子を見て、春風と水音は遠い目をしてそう言ったが、

 

 「……ま、言われなくてもそのつもりだけどね」


 「……そうだね」


 と、お互い真剣な表情になった。


 その後、審判役の男性が闘技台にあがると、


 「それでは2人共、武器を構えて!」


 と2人に向かってそう言った。


 男性の指示に従って、春風は腰の彼岸花を鞘から抜いた。真紅に輝く刀身に、観客達は一斉に視線を向けた。


 それと同時に、水音も腰に下げた剣を鞘から抜いた。柄の色は鎧と同じく白銀で、中央に嵌め込まれた青い宝石を除けば、特に飾り気のないシンプルな見た目の西洋の長剣だが、その刀身は柄とは真逆に()()に染まっていた。


 観客席が緊張に包まれる中、男性が春風と水音の間に立ち、


 「それでは……」


 叫んだ。


 「はじめ!」


 次の瞬間、2人は同時にお互いに向かって飛びかかり……。


 ガキィン!


 持っていた刀と剣を振るった。


 

 

謝罪)


 すみません。第149話のギルバート陛下のセリフが一部おかしかったので、修正しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ