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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第8章 友との決闘

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第161話 その女、異界を渡る者


 「え、えっと、何ですか? その、『異界渡り』って」


 「ああ、春風君、それはね……」


 いまいち状況が理解出来ない春風に、アマテラスが説明しようとすると、


 「あら、アマテラス様いたの?」


 「ちょっと、私神様なんだけど!?」


 いきなり凛依冴が割って入ってきたので、アマテラスはギョッとなって突っ込みを入れた。


 しかし、


 「まぁ、いいや。じゃ、ここからは私が説明するね」


 凛依冴はそんなアマテラスの突っ込みを受け流すと、春風達に向かって説明を始めた。その時、凛依冴の背後で「おいコラ、無視するな!」と喚くアマテラスがいたが。


 「あのね、春風。『異世界召喚』の『ルール』については知ってるよね?」


 「はい、アマテラス様達から聞きました」


 「なら話は早いわね。確かに、他の世界の住人を召喚する『異世界召喚』には絶対に守らなきゃいけないルールが存在している。そしてそのルールは、他の世界に行く『異世界転移』にも適用されるわ」


 「そうだったんですか!?」


 「あ、そこは知らなかったのね。まぁ、なんにせよ、他の世界の住人を召喚する『異世界召喚』も、他の世界に行く『異世界転移』にも、その『ルール』は絶対に守らなきゃいけないんだけど、たった1つだけ『例外』があるの」


 「例外?」


 「そう、それは神様によるもの凄く厳しい審査や試練に合格し、かつ神々との『約束』を守ると誓った者のみがなれるという特別な存在。それが『異界渡り』。『ルール』に縛られずに、あらゆる異世界を渡り歩く事が出来る旅人。つまり、私のことね」


 と、それっぽいポーズをとってそう説明する凛依冴に、春風達は開いた口が塞がらなかった。そして暫くの間呆然としていると、


 「春風、水音、お前らは知ってたのか?」


 と、ギルバートが質問してきたので、


 「し、知りませんよそんなの!」


 「そうです! 僕も初めて聞きました!」


 と、2人はかなり動揺した様子で答えた。


 そんな2人を見て、凛依冴は「アハハ」と笑うと、


 「うん。2人にはもう少し時が経ってから説明したかったけど、まさかこんな形で話す事になるとはねぇ。2人共、黙っててごめんね」


 と、申し訳なさそうに頭を下げて謝罪した。


 春風と水音は「気にしないでください」と言うと、


 「えっと、じゃあ師匠は、その『異界渡り』としてこれまでにもいろんな異世界を旅してきたのですか?」


 と、春風が凛依冴にそう質問した。


 「ええ、もう数えきれないほど旅をしてきたわ。といっても、そのほとんどは神々からの『依頼』というか、『お願い』みたいなものを引き受けてだけど」


 「どういうことですか?」


 「さっきの説明に出した『神々との約束』なんだけど、それはいくつもあってね、その内の1つが『神々からのお願いは、事情がない限り必ず引き受ける』というものなの。だから、『旅人』なんて言ったけど、実際には神々からの仕事を引き受ける『なんでも屋』みたいなものなのよね」


 「そうだったんですか」


 「そうなの。そして今年に入ってからも神々から依頼を引き受けて異世界を旅してたんだけど、まさかその間にルール無視の異世界召喚なんてものが発生して、しかもその被害者が春風と水音のクラス。これだけでもショックなのに、地球消滅を阻止するために春風が、マイスウィートハニーがオーディン様と契約して原因作った異世界に旅立ったなんて、聞いた時はショックで卒倒しかけたわ」


 「そ、それは、本当にすみません」


 「いいよいいよ、春風は悪くないわ、悪いのはルール無視した連中なんだから」


 凛依冴のその言葉に、それまで黙って聞いていたイブリーヌはビクッと肩を震わせた。


 その後、今度は水音が凛依冴に質問した。


 「あの、大体の事はわかりましたが、それで師匠はなんの目的でこの世界に来たのですか?」


 「決まってるでしょ。春風達を手助けする為よ」


 「「え、本当ですか!?」」


 「勿論よ。当然、ゼウス様達の許可も貰ったわ。あと、ついでに地球から役立ちそうなものを色々持ってきたわ」


 「「それは頼もしいですね!」」


 「フフン! ただ、その前に」


 「「その前に?」」


 「この世界に来る前にゼウス様達と一緒にさっきの会話を聞いたわ。2人共、決闘するのよね?」


 真面目な表情でそう尋ねた凛依冴に、春風と水音も、


 「「はい!」」


 と、真面目な表情ではっきりとそう返事した。


 それを聞いて凛依冴はニコリと笑うと、


 「じゃ、2人の成長ぶり、師匠としてしっかり見てあげるから、存分にやりなさい」


 と言ったので、2人は再び、


 「「はい!」」


 と再び真面目な表情で返事した。


 すると、


 「あー、スマン。俺らの事忘れないでほしいんだが」


 と、それまで黙っていたギルバートが声をかけてきたので、3人はすぐに、


 「「「あ」」」


 となった。


 更に、


 「あと、そいつらの事も忘れないでほしいんだが」


 と、ギルバートがリアナ達を指差してそう言ったので、3人はこちらもすぐに


 「「「あっ!」」」


 となった。


 この後、3人はひたすらギルバートら皇族やリアナ達に謝罪した。

 


 


 


 

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