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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第8章 友との決闘

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第154話 全てを聞き終えて・4

 お待たせしました。1日遅れの投稿です。


 ギルバートの話を聞いて嬉しそうな表情を浮かべたジゼルを見守ると、春風はギルバートに向かって質問した。

 

 「それで、殺された人達を埋葬した後は何をしていたのですか?」


 「それなんだがな。俺らが埋葬を手伝っていた時は、連中は帰った後だったからなぁ、王都からかなり離れた距離にある村だったから、帰るのに一苦労したぜ。で、帰った後はエリーとマギー……あぁ、ウィルフの奥さんのマーガレットな、俺もウィルフも2人にスゲェ叱られたわ。俺なんか暫く外出禁止にされちまったよ」


 (ホントに何してんだこの皇帝()は……)


 トホホとそう話すギルバートを、春風達は呆れた顔で見た。


 その時、


 「ちょっとよろしいですか?」


 と、美羽が「はい」と手を上げた。


 「ん? どうした?」


 ギルバートが尋ねると、


 「今、ギルバート陛下が言った『予言』なんですが、私達がウィルフレッド陛下から聞いたものとはかなり違っているんですけど」


 と、美羽は何処か自身なさそうに答えた。


 ギルバートは「ああ、そういう事か」と納得した表情になると、


 「その事だったら、俺よりも()()に聞いた方が良いんじゃないか?」


 と、ジゼルを指差してそう答えた。


 ハッとなった美羽はジゼルの方に向くと、


 「ええ。今、ギルバート陛下が言った様に、あの『予言』は私が遺したもの。といっても、あなた達が聞いたのは、その後教会によって改変されたものですが」


 と、ジゼルは気まずそうな顔で答えた。


 「『改変』って、どうしてそんなことを?」


 「内容が内容だけに、とても世に出して良いものではないからでしょうね。なにせ『偽りの神々』とか、『残されし人々は新たな未来へと歩み始める』など、どれも教会の連中にとっては不都合なものばかりですから」


 ジゼルが「ハハ」と苦笑いしながらそう説明すると、


 「どうすれば……」


 「?」


 「どうすれば、その『予言』を回避することが出来るのですか?」


 と、ディックに支えられたイブリーヌがそう質問してきた。その質問に対し、ジゼルは申し訳なさそうに答える。


 「残念ですが、あの時私が予言したのは、『どんな事をしても絶対に変えられない未来』です。故に、こちらがどの様な行動をしても、『神の死』どころか、『悪魔の出現と集結』さえも止めることは出来ません」


 「そ、そんな……!」


 ジゼルの答えを聞いて、イブリーヌは更に顔を真っ青にした。


 すると、


 「ちょっとあんた、そんな言い方ないでしょ!?」


 と、ムッとなった詩織が怒鳴り声をあげた。


 側にいる彩織が「落ち着いて」と小さく声をかけるが、詩織は止まることなくジゼルに怒鳴り続ける。


 「黙って聞いてれば、『絶対に変えられない』とか『止めることは出来ない』とか、それこそ誰にもわからなでしょ!? もしかしたら、何か変える方法があるかもしれないじゃない!」


 「……変える方法って、例えば?」


 「え!? そ、そりゃあ……そう、その『悪魔』とかいう奴、出現する前にこっちから探し出して、全員でやっつけちゃう、とか、そいつらに『神様殺すのをやめて』ってお願いするとか……」


 と、なんとも言えない提案を出す詩織に、彩織は「ハァ」と溜め息を吐くと、


 「シオちゃん、幾らなんでもそれそこ無茶だよぉ」


 「ええ!? 何でよイオ姉!?」

 

 「だって何処にいるかもわからない、どんな奴かもわからないそんな存在を、どうやって見つけるっていうの?」


 「うぐ! そ、それは……」


 双子の姉の質問に、言葉を詰まらせる詩織。


 だがそこへ、


 「まぁ、方法はともかく、『悪魔』の()()()なら何とかなるんじゃねぇか?」


 と、ギルバートが助け舟を出した。


 それを聞いて、勇者達とイブリーヌは、

 

 『え、本当ですか!?』


 とギルバートを問い詰めると、ギルバートは冷静な表情で、


 「ていうか、()()()()()()()()ならいるじゃねぇか」

 

 と言うと、ある方向を見て言い放つ。


 「なぁ、七色の綺羅星」


 勇者達とイブリーヌは「え?」とその方向を見ると、そこにはだらだらと滝の様な汗をかきながらそれぞれ別々の方向を向いた春風達七色の綺羅星の姿があった。


 「あの、皆さん、もしかして何か知っているのですか?」


 そう尋ねるイブリーヌに、春風達は


 『え、えーっとぉ……』


 と歯切れが悪そうに答えると……。


 ジリリリリリッ!


 と、春風の持つ零号が大きな音で鳴り出した。


 「え、な、なんだ?」


 「何で、ハルッちのスマホ(?)から音が?」


 と、勇者達が戸惑っていると、春風は零号の画面を見て「ハァ」と溜め息を吐くと、直ぐに零号を通話モードにした。


 その行動に驚いた勇者達が一斉に春風の所に駆け寄ってきたが、春風は気にする事なく、

 

 「はい、もしもし」


 と言うと、


 「春風君、私を呼んで」


 と、女性の声が聞こえた。

 

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