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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第8章 友との決闘

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第152話 零の精霊ジゼル


 「え? えーと、ジゼル、さん?」

 

 「はい、ジゼルです」


 目の前に現れた「ジゼル」と名乗った若い女性の言葉を、春風は理解出来ずにいた。何故なら、春風が知っているジゼルは、67歳の老婆だからだ(正確には享年67歳だ)。だが、現在目の前にいる女性は、どう見ても20代後半の女性で、とても67歳の老婆には見えなかった。


 春風が訳もわからず呆然としていると、


 「ええ!? 嘘!? ジゼルおばあちゃん!?」


 と、それまで春風と同じく呆然としていたリアナが驚きの声をあげた。


 すると、その声に反応したのか、


 「ちょ、ちょっとリアナさん! こんな若い女性の方に『おばあちゃん』はないでしょ!?」


 「そうだよ! 凄く失礼だよ!」


 と、美羽をはじめ、鉄雄達勇者がリアナに詰め寄った。


 その時、漸く冷静になった春風が、


 「ごめん、みんな! ちょっとで良いから落ち着いて!」


 と、その場を静かにさせると、ジゼルの方に向き直って尋ねた。


 「あの、本当にジゼルさんなんですね?」


 「はい、春風様。自分でもびっくりしています」


 「どうしてこんな。一体あなたの身に何があったんですか?」


 「確証はないのですが、恐らく、春風の『ランクアップ』に巻き込まれたのだと思います」


 「え、俺の『ランクアップ』に?」


 「はい」


 (ん? そういえ、ばランクアップした時にそんな事を言ってた声が聞こえたする)


 その後、春風は若くなったジゼルに詳しく話を聞いてみると、それはこんな感じだった。


 春風が「見習い賢者」から「半熟賢者」にランクアップする時、左腕の零号の中にいたジゼルは、周囲の突然の変化に、逃げる間もなく巻き込まれた。その際、自身が細かく分解されていく感覚に襲われて意識を失い、気がついた時には今の姿になっていたという。そしてすぐにこの事を話さなかったの理由は、あまりの出来事に自分でも何が起きたのか理解出来なかったからだそうだ。


 (なるほど、そういうわけか)


 ジゼルの説明に納得した春風は、ジゼルに対して[英知]のスキルを発動した。


 ジゼル・ブルーム 種族:零の精霊


 (アレ? 種族がついてる。何だ『零の精霊』て?)


 春風は早速その項目に触れると、そこにはこう記されていた。


 零の精霊……「魔導スマートフォン零号」の中で誕生した精霊。零号を住処とし、戦闘から情報収集など、様々な形でのサポートを得意とする。零号の持ち主と共にレベルアップし、自身の能力が高くなれば零号以外の魔導具にも入り込む事が出来る。


 (おお、こりゃ凄い……って、あ!)


 「零の精霊」についての説明文を読み終えたその時、春風は周囲の人達が置いてきぼりになっているのに気がついてた。


 (うわぁ、みんな固まってるよぉ……)


 春風とジゼルはお互い顔を見合わせると、


 「あー皆さん。というわけで、こちら、元・固有職保持者のジゼル・ブルームさんです」


 「はじめまして皆さん、元、固有職能『予言者』の固有職保持者の、ジゼル・ブルームと申します。今はご覧の通りの姿ですが、これでも享年67歳のおばあちゃん幽霊です」


 と、何もなかったかの様に周囲の人達に紹介をした。


 すると、


 『ちょっと待てぇえええええええっ!』


 と、周囲の人達はハッとなってそう叫んだ。


 「あー、どうしたのみんな?」


 春風は「あれ?」と言わんばかりの表情で尋ねると、


 「『どうしたの?』じゃないよハルッち!」


 「何が『というわけで』なんだよ!」


 「全然、意味がわかんないんだけど!?」


 「私達、何処に突っ込みを入れたら良いの!?」


 「ていうか、『おばあちゃん幽霊』って何!?」


 と、勇者達にリアナの時以上の剣幕で詰め寄られて、春風とジゼルは2人して「えぇ?」となった。


 するとそこへ、


 「この『偽りの歴史』に濡れた世界『エルード』で……」

 

 と、何処からか発せられたそのセリフを聞いて、春風達が「え?」となって一斉にセリフが発せられた方に向くと、そこにはいつの間にか玉座から立ち上がったギルバートがいた。


 「陛下、何を……」


 隣のエリノーラが尋ねようとすると、ギルバートはそれを遮って、


 「この偽りの歴史に濡れた世界『エルード』で、『許されざる過ち』が犯されし時、3人の『悪魔』現れん。1人は『真の神々』に育てられし『白き悪魔』。1人は『偽りの神々』に逆らいし『青き悪魔』。そして最後は、『異界の神々』と契りを結びし『赤き悪魔』。やがて3人の『悪魔』が集い、並び立つ時、『偽りの神々』の死ぬ未来が決定される。その後、『悪魔』によって全ての『偽りの神々』は滅ぼされ、残されし人々は新たな未来へと歩み始める」


 と語った。


 その後、暫くの間誰もが沈黙していると、


 「そ、その『予言』は」


 と、ジゼルが口を開いた。


 ギルバートは答える。


 「そうだ、ジゼル・ブルーム。17年前にあんたが遺した『予言』だ」


 「ど、どうして陛下が、その『予言』を?」


 ジゼルは恐る恐る尋ねると、ギルバートは真っ直ぐジゼルを見て再び答える。


 「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

謝罪) 


 今回の話で久々に登場したジゼルさんの「予言」。それに合わせて、第30話と第59話に出てきた予言も、誠に勝手ながら、大きく修正しました。


 大変、申し訳ありませんでした。


 しかし多分、こちらの方がわかりやすいと思います。

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