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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第8章 友との決闘

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第151話 みんなも、バラします


 「き、君は、固有職保持者だったのか?」


 苦しそうな表情を浮かべてそう尋ねるディックに、春風は真っ直ぐな目を向けて答える。


 「はい」


 「しかも、『賢者』なのか?」


 「ええ。といっても、半人前の『半熟賢者』ですが」


 「だが、『賢者』なのだろう?」


 「……まぁ、そうなんですが」


 春風がそう答えてから暫く沈黙していると、


 「あの、ちょっとよろしいですか?」


 という声がしたので、春風達は「何?」と声がした方に振り向くと、


 「『固有職能』とか『固有職保持者』って何ですか?」


 と、「はーい」と手を上げた美羽がそう尋ねてきた。


 「そ、それは……」


 質問を受けたディックが答えるのを躊躇っていると、


 「『固有職保持者』ってのは、神様の加護を持たねぇ特殊な職能『固有職能』ってのを持つ職能保持者の事で、五神教会からは『悪魔』と呼ばれて異端視されているのさ」


 と、ディックの代わりにギルバートが答えた。


 『あ、悪魔!?』


 その答えに驚く歩夢ら勇者達に向かって、ギルバートは更に説明を続ける。


 「そうだ。そして『賢者』ってのは、この世界で最初に誕生した固有職保持者の職能で、教会からは『始まりの悪魔』と呼ばれている」


 ギルバートの説明に、歩夢達は開いた口が塞がらなかった。春風はそんな彼女達を無視して、ディックに向き直る。


 「そう、俺には『悪魔』の力が宿っている。それで、ディックさん」


 「な、何だ?」


 「俺が『悪魔』だという事を知って、どうする気ですか? 今すぐセイクリア王国に帰って、ウィルフレッド陛下や教会のお偉いさんにでも報告しますか? それとも……」


 ーーゴクリ。


 「今この場で、俺を斬りますか?」

 

 春風のその質問を聞いて、ディックは震えながらも腰の剣に手をかけようとしたが、


 「……やめておくよ、勝てる気がしないからな。それに……」


 「?」


 「そんな事をしたら、君の仲間達に殺されそうだ」


 と、ディックが答えた次の瞬間、勇者6人を除いた七色の綺羅星メンバーが、春風の前に集まってディックを睨みつけた。


 「リアナ、みんなも……」


 春風がちょっとジーンとしていると、リアナがディックに向かって口を開く。


 「ハルに指一本触れさせない」


 「……君は、彼の事を知っていたのか?」


 「知ってるよ。私だけじゃない。ここにいるアデル達もそう」


 「……彼に悪魔の力があると知って、何も思わないのか?」


 「問題ないよ。だって……」


 リアナはスッと右手を出すと、自身のステータスを開き、


 「私も、固有職『妖獣戦士』の固有職保持者だから」


 と、自身の職能名を周りに見せた。


 『な、なんだってぇえええええ!?』


 まさかのカミングアウトに、驚きの声をあげた勇者達とイブリーヌ、ディック、そして皇族達と騎士達と水音。


 更に、


 「わ、私も……」


 『え?』


 首を傾げた人達を前に、ルーシーも、


 「私も、ゆ、固有職『呪術師』の、固有職保持者、です!」


 と、自身の職能名を見せた。


 『えええええええっ!?』


 ルーシーのカミングアウトに再び驚く人達。


 そして更に、


 「私もいますぞ」


 と、何処からか声がしたので、周囲の人達は辺りをキョロキョロと見回した。


 すると、


 「ここですよ」


 と再び声がしたので、全員その声がした方に向くと、


 「どうも」


 と、先程までニコラが抱きかかえていた人形が、右手を上げた状態で床の上に立っていた。


 『???』


 と、周囲の人達がその人形をジッと見つめていると、


 「お初にお目にかかります、ギルバート陛下。私の名は、アイザック・トワイライト。今はこの様な人形ですが、こちらにいるルーシー・トワイライトの祖父にして、固有職能『人形使い』の固有職保持者です」


 と、その人形ーーアイザックは、ギルバートに向かって丁寧なお辞儀をした。


 それを聞いて周囲の人達は、


 『しゃ、しゃべったぁあああああ!』


 と、またも驚きの声をあげた。


 「おいおい、どうなってんだ? その人形(?)を含めて固有職保持者が一気に4人なっちまったぞ?」


 と、ギルバートが「どうしたもんか」といった言った表情でそう言うと、


 「あー、すみません」


 と、春風が申し訳なさそうに手を上げてきたので、ギルバートは「どうした?」と尋ねると、


 「実は、もう1人紹介したい人がいるんです」


 と言って、春風は左腕のガントレットーーアガートラームから零号を外し、画面に向かって、


 「すみませんジゼルさん、ちょっと出てきてもらって良いですか?」


 と声をかけた。


 すると、零号の画面が光って、そこから現れたのは、


 「な、何だ? 若い女性?」


 そう、20代くらいの若く美しい女性だった。


 周囲の人達がその女性に見惚れていると、


 「……誰?」


 と、春風はただ1人首を傾げた。


 周囲が「え?」と言って春風の方を向くと、若い女性は恥ずかしそうに答える。


 「私です。()()()()()()()()です」


 


 



 

 


 


 


 

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