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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第8章 友との決闘

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第150話 春風、バラします


 「ギ、ギルバート陛下、何を言っているのですか?」


 ギルバートの突然の質問の意味を、イブリーヌは理解出来ないでいた。イブリーヌだけでなく、側にいるディックも、そして、歩夢ら勇者達でさえも、いくつもの「?」を浮かべていた。


 一方、リアナ達「七色の綺羅星」のメンバーは、質問してきたギルバートに対して警戒心剥き出しの表情になっていた。そして、いざという時の為にいつでも動けるような態勢になった。


 しかし、春風はスッと静かに手を上げて「待った」をかけると、「ハァ」と溜め息を吐いて、


 「すみません、質問の意味を聞いてもよろしいでしょうか?」


 と、落ち着いた口調でそうギルバートに向かって尋ねた。


 すると、ギルバートは「おっと」と言わんばかりの表情になって、


 「おぉ、いきなりで悪かったな。水音から聞いた話だが、お前、ウィルフに職能の種類について質問したな?」


 「ええ、しました」


 「で、その答えを聞いた時、お前が僅かに()()()()()()()()()()()をしていたと言ってたんだ」


 (え、マジで!? 俺、顔に出してた!?)


 まさかの自身でさえも知らなかった事実に、春風はショックを受けた。


 だが、そんな春風の事などお構いなしに、ギルバートは話を続ける。


 「で、その後、騎士と神官達をぶちのめしたお前は、何者かと問うたウィルフに対してこう名乗ったそうだな?」


 ーーちょっとユニークな、一般人だ。


 「その言葉を聞いて、俺は考えた。もしかしたら、お前が目覚めたのは何らかの固有職能で、しかもお前自身その事を知っていたのではないかとな」


 真剣な表情で話すギルバートの話を、春風達は黙って聞いていた。そして、


 「で、どうなんだ?」


 と、もう1度質問するギルバートに、春風は再び「ハァ」と溜め息を吐き、


 「ま、いつかは話さなきゃいけねぇもんな」


 と、ボソリと呟いた後、リアナ達の方を向いて「ごめん」と手でそう伝えると、自身のステータスを開いて、職能名だけを残して他を消し、


 「そうです。俺は固有職能『半熟賢者』の固有職保持者です」


 と、職能名をギルバートに見せてそう答えた。


 次の瞬間、


 『えぇーっ!』


 と、春風の周囲の人達は驚きの声をあげた。その後、


 「フーちゃん、それ本当!?」


 「お、おい、嘘だろハル!?」


 「ハルッち、『剣士』じゃなかったの!?」


 「あ、あなた『賢者』だったの!?」


 「ていうか、固有職能とか固有職保持者って何!?」


 「いや、それ以上に……」


 『“()()”って何だぁっ!?』


 と、歩夢ら勇者達に詰め寄られて、春風は「うーん」と考え込んだが、普通に答える事にした。


 「『半人前』って意味だって」


 『半人前!?』


 春風の話を聞いて、再び驚きの声をあげた歩夢達。


 すると、そこへ「?」を浮かべたリアナが入ってきて、


 「あれ、ちょっと待って。ハル、『見習い賢者』だったでしょ!?」


 『見習い賢者!?』


 リアナの質問に、歩夢達はまたも驚きの声をあげると、春風はまた普通に答えた。


 「ああ、ランクアップしたんだ」


 『ラ!?』


 「ランク、アップ?」


 「ほら、ウォーリス帝国(ここ)に来る前に神官達を精神的にボコってきたでしょ? あの後直ぐにレベルアップして、その時に一緒にランクアップもしたんだ」


 「あ! あの時か!」


 「うん、そう。だから、今の俺はハンターとしても賢者としても、漸く半人前になりましたって事さ」


 その言葉を聞いて、リアナとアデル達七色の綺羅星メンバーは「おお!」と拍手をした。拍手された春風は照れ臭そうに顔を赤くした。ー


 一方、歩夢ら勇者達は、意味がわからないのか口をアングリしたまま呆然としていた。それは、イブリーヌとディックも同様だった。


 そして、ギルバートら皇族と水音、そして帝国の騎士達は皆、「ほほう」と好奇心に満ちた目をしていた。中でも第3皇子オズワルドは、特に目をキラキラさせていた。


 誰もが言葉に出来ない雰囲気の中、1人の人物が、

 

 「ちょっと待て。ちょっと待ってくれ!」


 と声を荒げた。


 それを聞いた春風達が「ん?」と声がした方を向くと、そこにいたのは、


 「フーッ! フーッ!」


 と、苦しそうに肩で息をするディックだった。


 


 


 


 

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