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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第8章 友との決闘

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第147話 謁見の間にて

 遅くなりました。1日遅れの投稿です。


 騎士達に案内されて、ウォーリス帝国帝城の謁見の間に入った春風達。


 セイクリア王国王城の謁見の間とは異なる雰囲気を持つその場所で暫く待っていると、


 「お待たせー!」


 と、元気良くエリノーラ皇妃が入ってきて、更にその後ろに続く様に、


 (うっ!)


 ボロボロになったギルバート皇帝と、その息子レイモンドが入ってきた。パンパンに膨れ上がった頬と、顔中に貼られた幾つもの絆創膏が、エリノーラが言っていた「お仕置き」の凄さを物語っていた。


 やがてギルバートとエリノーラが玉座に座り、その側にレイモンドが立つと、


 「改めて、ウォーリス帝国にようこそ、イブリーヌ姫、異世界の勇者達、そして、レギオン『七色の綺羅星』の諸君。俺がこのウォーリス帝国現皇帝、ギルバート・アーチボルト・ウォーリスだ」


 「その妻の、エリノーラ・アドリアナ・ウォーリスです。よろしくね」


 と、ギルバートとエリノーラが、春風達に向かって挨拶した。


 その後、イブリーヌが、勇者達からは美羽が、そして七色の綺羅星からは春風が、それぞれギルバートとエリノーラの前に並び立ち、


 「セイクリア王国第2王女、イブリーヌ・ニア・セイクリアです」


 「勇者代表、天上美羽です」


 「七色の綺羅星リーダー、幸村春風です」


 と、それぞれ名乗って丁寧なお辞儀をし、それに続く様に他の人達もお辞儀した。


 それを見て、エリノーラは口を開く。


 「まぁ、皆さんとっても丁寧ですねぇ」


 と、喜ぶエリノーラだったが、すぐに申し訳なさそうな表情になって、


 「お話は息子のレイモンドから聞きましたが、皆さん、うちの皇帝がごめんなさいね。特に春風ちゃんは、かなり強引な方法で誘われたんですって?」


 と謝罪した。その際、ギロリとギルバートを睨みつけて、だ。因みに、睨まれたギルバートは皇帝であるにも関わらずシュンとなった。それは、レイモンドも同様だった。


 春風はそんなギルバートの姿を見て、


 「いえ、確かに強引だなと思ってはいるのですが……」


 と、弁明しようとしたその時、バァンという大きな音と共に謁見の間の扉が開かれて、


 「母上、父上と兄上が帰ってきたというのは本当ですか!?」


 と、ギルバートとエリノーラと同じ様な立派な服に身を包んだ2人の少年と1人の少女が入ってきた。


 2人の少年の方は、見た目からして歳は春風と同い年くらいで、髪型は違うが顔はそっくりだった。


 少女の方は、背が低くて大人しそうな表情をしていて、見た目的にはイブリーヌよりも年下に見えた。因みに、イブリーヌは現在15歳だという。


 3人は玉座に座るギルバートを見ると、


 「「チッ!」」


 「ハァ」


 2人の少年は盛大に舌打ちをし、少女は溜め息を吐いた。


 「おいコラお前達、お父さんが帰ってきたのにその態度はなんだい?」


 3人の態度にムッとしたギルバートは文句を言ったが、


 「うるせー、馬鹿皇帝が」


 「仕事を放り投げて数日も国を離れた人間が何を言ってるんだ?」


 「ごめんなさいお父様、私は味方になれません」


 と返されてしまい、ギルバートはショックで玉座の上で縮こまった。


 「こ、こらこら弟達よ、あまり父上を責めないでくれ」


 レイモンドは慌てて3人に向かってそう言ったが、


 「うるせー、馬鹿兄上が」


 「父上を止められなかった人間が、偉そうな事を言うな」


 「ごめんなさいお兄様、私は味方になれません」


 と、こちらも返されてしまい、レイモンドはショックのあまり謁見の間の隅っこで縮こまった。


 その様子を見て、エリノーラはクスクスと笑いながら、


 「こらこらあなた達、お客様の前で失礼ですよ」


 「「「え?」」」


 その瞬間、3人は固まっている春風達を見て、「あっ!」と驚いた表情になり、すぐに身嗜みを整えて「コホン」と咳き込むと、


 「これは失礼した。私は、ウォーリス帝国第2皇子の、エドマンド・ヘクター・ウォーリス。そしてこちらは、双子の弟のオズワルドと、末の妹のアンジェリカだ」


 「第3皇子のオズワルド・チェスター・ウォーリスだ」


 「第2皇女の、アンジェリカ・マリーナ・ウォーリスです」


 と、ギルバートの時と違って礼儀正しい挨拶をした。


 3人の姿勢に周りが戸惑う中、春風は一歩彼らの前に進み、


 「お初にお目にかかります。ハンターレギオン、七色の綺羅星リーダー、幸村春風と申します」


 と、丁寧な挨拶を返した。


 すると、


 「何!? お前が!?」


 「む、君が!?」


 「え、あなたが!?」


 と、エドマンド達は驚いた表情をした後、一斉にエリノーラの方を向いた。


 「ええ、そうですよ、彼が水音ちゃんの言っていた、幸村春風ちゃんよ」


 エリノーラがニコリと笑って3人にそう言うと、


 「この可愛い女の子が!?」 


 「この可憐な少女が!?」


 「こちらの女性の方が!?」


 と、3人はショックを受けた。


 その様子にピキッとなった春風は、


 「俺は男ですっ!」


 と、皇子、皇女相手に突っ込みを入れた。


 

 


 


 

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