表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第7章 襲来、「邪神の眷属」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

147/609

第135話 そして、彼らは立ち上がる

 お待たせしました。1日遅れの投稿です。


 「オ、オイ、止マレ! 言ウコトヲ聞ケ!」


 ーーグォオオオオオオオッ!


 第3の目からそう叫ぶループスを無視して、異形のものへと変わり果てたループスの分身。


 それを見て、春風を含む多勢の人達が戦慄した。


 そんな中、


 「う、うーん」


 「あ、テツ!」


 と春風が気付いた様に、それまで気を失っていたテツこと鉄雄が目を覚ました。そしてそれに続く様に、恵樹、美羽、彩織、詩織、そしてレイモンドも目を覚ました。


 目覚めたばかりの鉄雄は、ゆっくり体を起こしながら周囲を見回した。


 「あ、アレ、ここは?」


 「ここは外だよ、もう脱出したから安心して……て言いたいんだけど」


 春風はそう言うと、鉄雄に向こうを向く様に促した。


 「あ? 何だよ……」


 そして鉄雄が春風が指差した方を振り向くと、


 ーーグォオオオオオオオっ!


 「うぉおおっ! 何じゃありゃあ!?」


 と、変わり果てたループスの分身を見て、驚きのあまり飛び起きた。樹達も同様の反応だった。そんな彼らに、春風は気まずそうに言う。


 「あー、なんか暴走しちゃったみたい」


 「ハァ!? なんかって何だよ!?」


 ーグォオオオオオオオッ!


 春風と鉄雄のやり取り前にしても、ループスの分身は雄叫びを上げ続けた。それが効いているのか、ハンターや騎士達の中から恐怖のあまり腰を抜かす者が出てきた。


 その状況の中、春風はループスの分身を見て「やかましいなぁ」と小さく呟くと、真っ直ぐループスの分身を見たまま鉄雄に尋ねた。


 「テツ、みんな、動けるか?」


 「え、『動けるか』って、どうする気だよ?」


 「どうする気って、こいつをここで倒すんだよ」


 「『倒す』って、正気かよ!? 勇者(俺達)の攻撃を受けても、ピンピンしてるんだぞ!? そんな奴勝てんのかよ!?」


 鉄雄のそのセリフを聞いた瞬間、春風はピキッとなって、鉄雄の方を向いた。


 「はあ? 何? お前もう諦めてんの?」


 「へ?」


 ポカンとなった鉄雄に向かって、春風はゆっくりとシャーサルを指差して言う。


 「あそこには多勢の人達がいるんだぞ? 今守れるのは俺たちしかいないんだぞ? ましてやお前ら『勇者』なんだろ? だったらここは立ち上がらないといけねぇだろ!? ていうか……」


 次の瞬間、春風は鉄雄の胸ぐらを掴んだ。


 「『退屈だ』って言われた挙句、何も出来ないまま丸飲みにされて、悔しくねぇのかよ!? えぇ!?」


 「う! そ、それは……」


 春風の問いかけに、言葉を詰まらせる鉄雄達。


 「……チッ」


 春風はそんな彼らを見て小さく舌打ちすると、鉄雄の胸ぐらを掴んだ手を乱暴に離して、ループスの分身に向き直った。


 「だったら俺1人でも戦う。君達はイブリーヌ様やレイモンド様、それと動けない人達を守ってくれよ。戦う心が折れても、それくらいなら出来るだろ?」


 そう言うと、春風は腰の彼岸花を鞘から抜いて構えた。


 「良いですよね、ループス様」


 「アア、コウナッテシマッタラ我ニモ止メラレン。スマナイ」


 そのやり取りの後、春風の隣にリアナが近づいて、


 「私も戦うよ、ハル」


 と、愛用の両剣を構えた。


 さらに、


 「私も……」


 と、反対側に歩夢が近づいて、


 「フーちゃんと一緒に、私も戦う。凄く、悔しかったから」


 と、自身の武器である薙刀を構えた。


 「ありがとう、ユメちゃん」


 春風は歩夢にお礼を言った。それを聞いて、歩夢はニコリと笑う。因みに、リアナはそれを見てムッとなったが、春風は無視する事にした。


 ループスの分身を前に武器を構えた3人を見て、鉄雄は、


 「ダァアアアアアアアチクショオオオオオオオ! わかった、わかったよ! 俺だって悔しいよコンチクショー!」


 と、上に向かってそう叫んだ後、春風達の側に近づいて拳を構えた。


 そしてそれに触発されたのか、


 「そうだねぇ。俺達だって悔しいもんねぇ」


 「そうね。『退屈だ』って言われて、凄くムカついたもの」


 「うん。このままで良いわけないよね」


 「よーし、やってやろうじゃん!」


 恵樹も、美羽も、彩織も、詩織も、春風達の側に近づき、それぞれの武器を構えた。

 

 「で、倒すって言ってもどうすんだよハル?」


 鉄雄のその質問に、春風は不敵な笑みを浮かべて答える。


 「そんなの決まってんだろ?」


 そして、真っ直ぐループスの分身を見て言い放つ。


 「『必殺技』だ!」


 『……え?』


 「それも、スキルから生まれたものじゃない、()()()()の、オリジナルのものだ!」


 その言葉を聞いて、リアナも、勇者達も、レギオンメンバーも、イブリーヌも、レイモンドも、ハンターと騎士の連合軍も、そしてループス本人も、


 『な、なんだってぇえええええええ!』


 と、驚きの声をあげるのだった。


 


 


 


 


 


 

謝罪)


 すみません。前回の後書きに、「第7章もいよいよ大詰めとなりました」と書きましたが、もしかしたらそれほど大詰めでもないかもしれません。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ