表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第7章 襲来、「邪神の眷属」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

123/609

第111話 水音編1 帝国の使者

 ここからは勇者サイドの話になります。


 それは、水音から春風との関係を聞いてから間もない時のことだった。


 話が終わった後、水音は担任教師の小夜子から、


 「皆の関係がまた悪化しかけている。明日からお前も訓練に参加するんだ」


 と言われたので、翌日から水音も勇者としての訓練に参加した。


 ただ、春風についての話があまりにも強烈だった為か、全員何処かもやもやとしていたが……。


 そんな時、セイクリア国王ウィルフレッドに、ある報告が届いた。それは、「3日後にウォーリス帝国から使者が来る」という内容だった。


 理由はざっくり言うと、「召喚された勇者がどんな奴か見たいから」だそうだ。


 ウォーリス帝国については既に座学で習っていたクラスメイト達は、どんな人が来るのだろうと若干不安になったりもしたが、セイクリア王国以外の国の人間が来るということもあって、ちょっと楽しみに思ってたりもしていた。


 それが、まさか()()()()()になってしまうとは知らずに……。


 そして3日後、報告にあった通り、ウォーリス帝国から3人の使者が来た。


 使者として現れたのは、ウォーリス帝国の第一皇女、セレスティア・ジェニー・ウォーリスと、彼女に仕える騎士の男女2人だ。


 本来は皇帝であるギルバート・アーチボルト・ウォーリス本人が来る筈だったのだが、セレスティア曰く、


 「皇帝としての仕事が忙し過ぎて来れなくなった」


 だそうだ。理由を聞いてウィルフレッドは、


 「ハハ、アイツらしいな」


 と苦笑いした。


 その後、お互い軽く挨拶と世間話をすると、ウィルフレッドはセレスティアに勇者こと小夜子とクラスメイト達を紹介した。


 勇者達の挨拶が終えると、


 「お前達の力を見てみたい」


 と、セレスティアがそう言い出したので、全員訓練場に移動し、それぞれ彼女と手合わせをした。といっても、魔術を扱う術師系の職能を持った者達は、最近の魔術師達の異変をキッカケに、魔術を使う事に躊躇いがあった為、実際に参加したのは前衛で戦うタイプの職能を持つ者達だけだった。


 結果、彼らは見事に惨敗した。


 「どうした! お前達の力はそんなものか!?」


 次々と倒れていった者達を前に、セレスティアは余裕の表情だった。クラスメイトの中でも特に能力の高かった前原翔輝でさえも、彼女の前には全く歯が立たなかった。


 「さあ次は誰だ!? 何処からでもかかってこい!」


 そう叫んで挑発するセレスティアの前に現れたのは、


 「……僕が相手になります」


 水音だった。


 そして、お互い訓練用の武器(セレスティアは槍で、水音は剣)を構えると、審判の「始め!」の合図と共に手合わせが始まった。


 開始から数分後、ダメージを受けても必死に食らいつく水音に、セレスティアは他のクラスメイト達にないものを感じ始めた。


 そして、お互い一歩も譲らない状況が続くと、水音は1つの「賭け」に出た。


 「あなたで試させてもらいます」


 そう言うと、水音は訓練用の剣を右手から左手に持ち替えると、空いた右手で握り拳を作り、それに意識を集中し始めた。


 周囲が「なんだ?」と思った次の瞬間、水音の拳が青く光り、やがてその光は青い炎となった。

 

 それを確認した水音は、


 「いきます!」


 と叫ぶと、素早くセレスティアの前に飛び出し、その青い炎を纏った拳を突きだした。


 (こ、これはまずい!)


 そう感じたセレスティアは、咄嗟に訓練用の槍で防御した。すると……。


 ボォン!


 凄まじい爆発音と共に、槍は真っ二つに折れ、セレスティアは後ろに吹っ飛ばされた。しかし、


 「危ない!」


 と、そこへ使者としてセレスティアと共に来た男性の騎士が受け止めに入った為、背後の壁への激突はなかった。


 一方水音はというと、拳を突き出した状態のままその場にいた。だが、先程まで拳を覆っていた青い炎を消えていて、その拳からは白い煙が立っていた。


 「な、なんだ今のは?」


 クラスメイトの1人がそう呟くが、目の前で起きた出来事に、クラスメイト達だけでなくセイクリアの王族達も呆然としていた為、それに答えられる者は誰もいなかった。


 

 


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ