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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第7章 襲来、「邪神の眷属」

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第110話 食堂内にて


 クラスメイト達、イブリーヌ、そして、ウォーリス帝国の第一皇子とその従者を拠点内に招き入れた春風は、リアナ達レギオンメンバーにその事を話すと、全員を食堂に通した。


 「さて、色々と聞きたいことがありますが、まずは……」


 そう言って、春風は皇子レイモンドの方を向いて、


 「お初にお目にかかります。自分は、レギオン『七色の綺羅星』リーダーの……」


 と言って丁寧にお辞儀をして自己紹介しようとした、まさにその時、


 「()()()()……だろう?」


 と、レイモンドがそれを遮って尋ねてきた。


 「……何のことでしょうか?」


 春風は冷静を装って尋ね返すと、


 「おっと、シラを切っても無駄だよ。君に関する情報は、既に我々ウォーリス帝国も入手しているんだ。と言っても、全部というじゃないけどね」


 (マジっすか……)


 春風はなんとか誤魔化せないかと考えたが、すぐに「無理」という結論に至り、


 「ええ、そうです。自分は幸村春風、こちらにいる勇者達と同じ異世界の人間です。先程も言いましたが、今はハンターの「ハル」として、ハンターレギオン『七色の綺羅星』のリーダーをしています」


 と、正直に名乗る事にした。


 それを聞いて、レイモンドは「ふむ」と言うと、


 「メンバーは、そちらにいる子達で全員かな?」


 と、春風の後ろにいるリアナ達を見て、そう尋ねた。


 「はい。順番に、リアナにアデルにルーシー、ケイトにクレイグ、フィナとその姉のアリアさん。メンバーはこれで全員です。そして、『家族』的な存在の、イアン、ニコラ、マークです。」


 春風はレイモンドだけでなく、クラスメイト達やイブリーヌにも、リアナ達レギオンメンバーを紹介すると、レイモンドは「ふむふむ」と言って、再び春風に尋ねた。


 「随分と若いのが多いな。これだけの大きさの拠点となると、一緒に暮らしているのかい?」


 「はい、結成からずっと、一緒に暮らしてます」


 「ちゃんと親の許しとか貰ってるのかな?」


 「それは……」


 レイモンドの質問に、春風はどう答えようか迷っていると、


 「親はいません」


 と、春風に代わってアリアが答えた。


 「『いません』とは、どういう意味かな?」


 レイモンドはアリアに向かってそう尋ねると、アリアはさらに答えた。


 「言葉の通りです、私達に親はいません。私達の親は、私達を残して、全員死にました」


 その答えに続く様に、アデル、ルーシー、ケイト、クレイグ、フィナは表情を暗くしながら下を向いた。イアン、ニコラ、マークに至っては今にも泣きそうな表情になった。


 レイモンドはそれを見ると、


 「……すまない、辛いことを思い出させてしまったね」


 と、アリア達に向かって謝罪した。因みにクラスメイト達とイブリーヌはというと、全員アリアの話にショックを受けた様な顔をした。


 暫くの間、食堂内が重苦しい雰囲気になると、


 「立ち話もなんでしょうから、取り敢えず、座って話をしましょうか」


 と、春風はこの場の空気を変える為にそう提案した。

 

 その後、フィナとアリアにお茶の用意をお願いして、全員を用意した椅子に座らせると、


 「で、皆さんどうやってここまで来たんですか?」


 と、春風はクラスメイト達に、ここまで来た経緯について尋ねた。


 数分後、


 「えぇ? 皆さん黙って向こうを出てきたんですか?」


 春風は盛大に頬を引き攣らせてそう質問すると、


 『うん、そう!』


 「はい、そうです!」


 と、クラスメイト達とイブリーヌ姫が笑顔で答えたので、春風は「ハァ〜」と深い溜め息を吐いた。


 その後、すぐに気持ちを切り替えて、今度はレイモンドに向かって質問した。


 「あの、レイモンド様……で、よろしいでしょうか?」


 「ああ、構わないよ」


 「わかりました。ではレイモンド様、あなたは先程、『俺に関する情報を入手している』と言ってましたが、具体的にはどれくらい入手しているのですか?」


 「ああ、それなら、君が勇者召喚が行われた日に()()()()()()()と……」


 「ことと?」


 「元の世界で「師匠」と呼ぶ女性の弟子として、いろんな冒険を繰り広げているってことかな」


 レイモンドのその答えに、春風はピクっとなって、


 「それは、誰に聞いたのですか?」


 と質問すると、


 「君の弟弟子である、()()()()、からだよ」


 と、レイモンドは不敵な笑みで答えた。


 春風はレイモンドに鋭い視線を送りながら、


 「桜庭くんが……」


 と言おうとしたその時、


 「おっとっと、『()()』、だろう? 知っているよ。君と彼……水音は、プライベートでは名前で呼び合う関係なんだってね」


 と、レイモンドは話を再び遮った。


 春風は俯いて「内緒にしてって言ったのに……」と小さく呟くと、レイモンドに視線を戻した。


 「……何故、そこで()()の名前が出てくるのですか?」


 春風は真剣な表情でそう尋ねると、


 「あれ、知らなかったのかな? 彼は今、()()()()()()()にいるんだけど」


 「……何ですって?」


 その後、春風はギロリとイブリーヌを睨んだ。当然、イブリーヌはビクッとなって「ヒィ!」と小さく悲鳴をあげた。


 「こらこら、そんな怖い顔をしないでくれ、今から説明するから。あ、勇者達も手伝ってくれ。君達も関係あることなんだから」


 レイモンドはクラスメイト達にそう頼むと、全員「は、はい」と返事をした。


 その後、レイモンドとクラスメイト達は、水音に何が起きたのか、説明を開始した。

 次回から、主人公はお休みです。

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