プロローグ
久しぶりに書いて見ました…小説書くのって大変だなぁ…
見てくれた方に最大の感謝を!
ポイントくれた方に最大の愛を!!
「皆朝から何を慌ただしくしているのかしら?」
朝、何時ものように起きて私――炎城朱が見た物は…家で雇っている50人以上の使用人…その中でも古株である数人が鬼気迫るように指示を出して私の家……精霊術師の最高峰である炎城家の掃除をしている。
炎城、水鏡、土倉、風祭の四家と言えばこの日本…いや、世界に名だたる精霊術師の頂点。数ある能力者の中でも群を抜いている名家でもあり、例えこの日本の首相が訪問するにしてもここまでの掃除をしているのは見たことがない。
暫くその使用人達の行動を見つめていると
「朱様。おはようございます。御当主様がお呼びになっておられます。至急『雫の間』に来るように。と」
「あ、瑠璃…おはよう。父様が呼んでるのはともかく、この状況は一体何事なの?」
使用人の一人で私専用の使用人である瑠璃が挨拶をしてきたので質問をしてみる
「いえ、私も詳しくは聞いていませんが…どうやらかなりやんごとなき方が訪問するそうです。その為に源之助様…御当主様自らが指揮を取ってお出迎えの準備をしているそうです」
「はぁっ!? 父様自らが? 首相ですらアポがなければ門前払いしたあの父様が自ら指揮を取るって……どれだけの大物が来るのよ?」
想像してみたが仮に残り三家の当主が来たとしてもここまでの対応はしないだろう。それなら海外から?十字騎士団のトップのアリス様? それとも九宝法林の盟主シャオリン様? ……いや、それでも父様なら実力は互角だろし、以前来日した時にもここまでの対応はしていなかった。
「取り敢えず父様の所に向かうわ。 ありがとう瑠璃」
「はい。では私も持ち場に戻ります。…では、また後で」
ペコリとお辞儀をして掃除に戻って行く瑠璃を見送り、取り敢えず父様がいるであろう雫の間に足を向け
…
「至急って言っても軽くご飯食べる位は良いわよね?」
この後何が起こるか分からないが腹が減っては戦はできぬ――そう思った私は調理場に向きを変え、足早に移動した
*****
「遅かったな。朱」
「少し朝食をね。さすがに朝起きて何も食べないでこれからの事を聞くのは体に悪そうだし」
「…わしは食べてもいないがな」
雫の間に到着した私を見た炎城源之助が何時ものように正座をしながら無愛想な顔で私を迎えた――炎の精霊術を扱うものとしては最強の精霊術師と言っても過言ではない。その父様が朝からご飯も食べずにいるとは…本当に何が起こってるのよ一体……
「単刀直入に聞くわ。父様、この状況は一体何? 一体これから誰が来るの?」
私は直球で父様に聞いてみる。変に気を使うよりはこっちの方が私らしい。いや、むしろ好奇心の方が勝ったとしか言いようが無い。すると父様は目を閉じて深く考え込んだように押し黙る
「……何と説明すれば良いか正直解らぬ。ただ……」
そして目を開けて
「……え?」
誰に対しても――私にですら鋭く、厳しい目が徐々に柔らかくなり
「『王』が帰還なされる」
と、まるで逢いたくてたまらなかった恋人を待ち望むように言った。
……あれ?主人公出てない?