表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/81

37.狩猟本能

とんでもない展開に嫌な予感が

ドラマの様な展開に頬を染め興奮状態の愛華は、食事そっちのけで田沢さんに質問攻めにしている。人がいいのか苦笑いしながらも真面目に答える田沢さん。


『何この状況?』


そうこうしているうちに料理が運ばれて来て愛華の感心が一気に料理に向き、解放されホッとした田沢さんが私に目を向ける。

慌てて店員さんに料理の質問をして話題を逸らす。田沢さんはゆったりコーヒーを飲んでいて席を立つ気配がない。食べ辛くてせっかくの料理の味がしない。


「田沢さんお忙しいのでは?」

「いえ。店の様子を見に来ただけで特に用事があった訳ではないんですよ。しかし貴女に会えて上に梶井さんのお名前が知れて幸運ラッキーでした」

「はぁ…」

「咲さんは指輪エンゲージをされてませんが独身ですか?」

「えっと…」


もう名前呼びで距離感がない。あまり個人情報を出したくなく返答に困っていると


「咲は没一で未亡人フリーですよ」

「愛華!」


楽しそうに食事しながらぶっ込んでくる愛華。愛華を睨みこれ以上喋るなと念を送る。

すると田沢さんは脚を組み替えて頬杖をついて微笑んで


「やった!俺チャンスあるじゃないですか」

「やっぱり咲は賢斗さんの独占欲で男運無かったんだよ。今解放されてモテ期真っ只中!羨ましいぞ」

「いや、遠慮したい」


“コンコン”


田沢さんが返事すると店員さんが紙袋と花束を持って来た。立ち上がりそれを受け取った田沢さんが愛華と私に渡し


「今日の来店のお礼にお持ち帰り下さい」

「うっわぁ!いいんですか⁈嬉しい!」


愛華は純粋に喜んでいるが私は今後面倒臭い事になりそうな予感がして素直に受け取れない。


「ウチの自家製ドレッシングと今日お出ししたブレットです。是非お家でお召し上がり下さい」


そう言われて紙袋の中を見るとドレッシングとバケットが…


「ん?」


名刺が入ってる。既にもらってるのに?まさか捨てたと思われている?流石に警戒してても捨てたりは…


「あっ!」


よく見ると名刺に手書きで携帯番号とメールアドレスが…うわぁ!マジ言い寄られてる?


「美味しかったからまた別のお友達とも来ますね♪」


愛華は超ご機嫌で最後のデザートを嬉しそうに食べていて片や私は困惑している。


「咲さん。今度デートに誘いたいので連絡先を教えて下さい」

「えっと…」


さっきまで料理と手土産に上機嫌で田沢さん好意的だった愛華が


「田沢さん!咲を気に入って口説きたいのは分かるけど、咲は距離感無い人苦手だからこれ以上は嫌われるよ。今日はこの辺にしときな」

「愛華…」


お得好きな愛華だけどやっぱり親友だ。助け舟を出してくれ携帯番号は守れた。

田沢さんは大慌てで


「やっちゃいました。俺好きなものには真っ直ぐらで、距離感無くなるんですよ!常日頃からツレによく注意されるんです。すみません!嫌わないで欲しい!」

「いえ…私なんかよりお若い田沢さんにはお似合いの女性ひとがいますよ」


するとさっきまで助け舟を出した愛華が


「田沢さんは咲のどこがいいの?正直一回り以上年上のだし、何か下心あると思うよ普通は」


するとコーヒーを一口のみ和かに


「俺ストライクゾーン広いんです。成人してれば上限無しです。流石に未成年はお縄頂戴になりますからね。俺の感性と好みに合えば惚れます。その中でも咲さんはど真ん中です」

「ごめんなさい。私恋愛する気ありません。ですから好意を向けられても答える気は無いです」


はっきり断ったのに何故か頬を染め嬉しいそうな田沢さんは


「俺は狩猟本能が強く逃げられると追いかけて、追い抜き前に立ちはだかりたいタイプなんです。ごめんなさい。だから諦めてください」

「いや!それストーカーじゃん!」

「…」


すかさず愛華がツッコミを入れている。私は遠い目をしながら


『私に絡んでくる男性は粘着質な人しかいないの?もぅ女性しかいない世界に行きたい…』


と久々にこころの旅に出かけました。


“♪♪〜♪”


個室に携帯の着信音。3人が一斉にスマホを取り出すと私だった。

ディスプレイにはジークさんの名前が!

なぜこんなタイミングに?出るとまたややこしい事になるのは必至。スマホを見つめて考えていたら愛華が覗き込んで横から通話を押した。


『咲さん?外ですか?』

「ジークさん!ご無沙汰です!愛華です。今咲とランチに来てます!」

『愛華さん。お元気そうですね。貴女のお綺麗なお顔を拝見できないのが残念です』

「相変わらずお上手ね。咲取り込み中だから後で掛け直させるわ。またね!」

『あっ…はい。では咲さんに待ってますとお伝え下さい』

「はぁ〜い」


固まってる私の代わりに応対し私に指を立てる愛華。確かにあの場で私が出ると上手く誤魔化せずややこしい事になっていた。頼りになる愛華だ。

それより…目の前の田沢さんの視線が痛い!


「咲さん今の男性は…」

「咲に求婚中の男性ひとだよ」

「愛華!」


頼りになると思ったとこなのに!余計な事言わないで!


「恋愛する気ないって…」

「はい」

「もしかして…今の男性に言い寄られて困ってるんですか?」

「はぃ?」


なんか勘違いされている?状況について行けず固まる私に田沢さんが


「俺が撃退しましょうか⁈俺が咲さんを守り俺が咲さんの彼氏になります!」


こころの旅から連れ戻され断崖絶壁にら立たされた気分!誰か何とかして〜


お読みいただき、ありがとうございます。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録&評価をよろしくお願いします。

『いいねで応援』もポチしてもらえると嬉しいです。


今回は少し短めです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ