3話
概念
ニートと言いながらお金として実は仕事?はある。
まずここにある魔導書を開きます。
次に、閲覧します。
特に問題なければ閉じます。
これで終わりです。
ふざけているのかと言われそうだけど、金ニートはこれで異世界で存在価値を誇示している。
なにもなければ月々国から報酬という名の水・食糧・生活必需品を受け取れる。
なにかあれば、少々めんどうなことになります。
細かいことは、実際にその時に動くので追々語っていきたい。
今日は、異世界とチートについて思いを馳せたい。
チートとは、俗語になりつつあります、意味がふわふわしているという観点から。
本来は不正改造とかそんな意味だったか。
もし今あなたのところで、チートを使う転生者や召喚者が現れたらどうなるであろう。
ラッキーとかつまらない茶番はやりません。
確率の問題で、神様が何と言おうが一定の確率でおかしな方向へ向かうものもあらわれる。
それは、私の正義とあなたの正義は異なるからである。
例えば、たばこ好きな人から見れば、たばこは正義である。
嫌いな人から見れば悪となる。
チートを使えるヒトだとしても必ずしも勇者に見えるとは限らない。
ある人から見れば、魔王にしか見えない者もいるだろう。
丁度最近起こった出来事から、具体例を紹介したい。
とある国で勇者が召喚されたという。
彼らは非常に正義感の強い優れた自由を愛する勇者たちだった。
今現在も魔王がいなくなったからと言って、勇者は国威に関わる軍事力でもあり、経済力を示す大事な器だ。
その意味では、金ニートも同じかな。
それはさておき、その勇者はテンプレ通りに現代の学問を多々持ち込んだ。
我がハーレム至福のために、一時は国も潤い豊かになった勇者の周りだけは。
しかし、相対的にその縁の外は悲惨な状態に陥る。
なぜなら、変革とは概念の更新であり破壊であるからだ。
また、国同士に大きな格差を与える先進国と後進国。
今まで生産していたもので、買えていたものが買えなくなる。
実際、その勇者の召喚された国の隣国では、勇者の召喚された国との交易で多額の損失を出すことになった。
なんせ特産品の加工物がすべて無価値に近い状態になったからだ。
虐げられた民衆は豹変する。
その矛先はまずは彼らの国自身へ、そして勇者の召喚された国へと。
当然だが勇者の召喚国は勝利した表面上は・・・しかし実態はこうだ。
負けてもなお、その国は特攻し続けたなにかに憑りつかれたように。
惨殺ともいえる帯ただしい血の海と本国まで漂う腐臭に、勇者らの精神は耐えられなくなり姿を消してしまったのだ。
そのまま続けていたとしても世間はどうだろうか、魔王をそこに見るのであろうか。
それとも勇者の国に習って新たな勇者を召喚するであろうか。
どちらにしても争いは終わらない。
表裏一体とはまさによく言ったものだと、魔導書の背表紙にある双頭竜のレリーフを見て思いを巡らせていた。