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復讐鬼の恋物語  作者: 四守 蓮
殺戮将軍
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復讐鬼の物語

 フェニは自害して果てた。

 ウォルニアはシーヌがその手で摘み取った。


 “隻脚の魔法士”を討った。“竜吞の詐欺師”を討った。“伝達の黄翼”を討った。“悪夢の暗翼”を討った。“葬儀の紅翼”“湖上の白翼”、“盟約の四翼”を討ってもらい、“黒鉄の天使”を墜とした。


 “洗脳の聖女”、“夢幻の死神”、“神の愛し子”、“災厄の傭兵”、“災厄の巫女”、“破魔の戦士”、そして、“群竜の王”。


 あの日クロウにいた、知人たちを一人残らず殺し続けた敵を討った。

 ようやくだ、と思う。長かった、と遠くを見る。


 “奇跡”は終えた。シーヌ=アニャーラという人物の『復讐』という名の“軌跡(人生)”は終わった。


 で、あるならば。

「あ……。」

目の前に暗い何かが迫ってくる。


 避けられない。違う、迫ってくるのではない。


 今までシーヌを動かしてきたのは、復讐を果たすという目的意識だった。


 だが。今シーヌは、それを失った。


 友を失い、家族を失い。彼が己の心を支え続けてきた、その目的意識を……『奇跡(人生)』を、失った。


 何もない暗闇に、心の中が放り出される。これまでは失ったことへの恨みが、『なぜ』という叫びがあったのに、今はそれすらない。

 復讐を果たした先で自分が見える光景は、やはりこれか、と思う。空虚で、何もなくて。


 『人生(未来)』への熱すらも、そこにはなかった。




 魔法概念“達成”。その区分は“空虚”。冠された名は、“我、在らず”。

 それが、僕が復讐を果たし、“復讐”“仇に絶望と死を”、そして“憎悪”“苦痛”を失った果てに得たものだった。


第二部はこれにて終了。シーヌは無事、復讐を果たし、その先に虚無を得ました。

ここからは第三部『恋物語』編です。『神龍伝説』『冒険者組合』そして『アレイティア公爵家』。それらの伏線をメインに、全部回収する予定です。

二月には、完結させたいと思っています。ぜひお付き合いください。

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