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第82話 スキルの変化

 冒険者カードから、宙に浮かびあがった白い文字を読んでみる。


************************

名前:クロダグレン

年齢:16

レベル:49

職業:無し

犯罪歴:無し

装備:粗悪な右手の包帯

スキル:言語理解、言語伝達

ユニークスキル:中二病(レベル5)

  派生スキル:スタイル(レベル2)*10

  派生スキル:ポーズ(レベル1)

称号:竜の子

************************


 いやいやいや、これ、なんかおかしいよね!

 いつの間にか【中二病スキル】がレベル5になってるし。

 俺、なんか中二病的なこと、やっちゃったかな?


 それに、派生スキルの【スタイル】が、なぜか1から2に上がってるし。

 もしかして、右手の包帯が原因か?

 それから、その後ろに付いてる「*10」って何よ?

 後、新しく【ポーズ】っていう派生スキルが増えてる。


 とにかく、これはヤバい。

 なにより、レベル。なんだこれ?

 どう見ても、冒険者カード壊れてるだろう。

 だって、49だよ、49!

 

 確か、『剣と杖』のリーダー、金ランクのコウチャンでさえ、レベル38だったよね。

 ……まあいっか。

 黙っとけば分からないし……って、ギルドのレミィさんには、バレちゃうんじゃないかな?

 あの人なら、変な噂は立てないだろうけど。

 とにかく、一度、きちんとスキルを調べる必要があるね。


 ◇


 ということで、次の日、遥々やってきましたよ、『三つ子山』へ。

 今回は、一泊二日の強行軍ということで、ピュウは家に置いてきた。

 王都から駅馬車で二時間。降りたところにある山間の村から、さらに歩いて一時間。かなり遠かった。

 だけど、王都の近くで人がいない場所ってことで、ここを紹介されたんだもん。

 こういうとき、土地勘が無いと、ホント苦労する。

 もっと近くでいい場所あったんじゃないの?


 目の前には、低い木がまばらに生える山が広がっている。

 とんがり山が三つ連なっているのが、『三つ子山』という名の由来だそうだ。

 俺が立っている広場は、かつて何か採掘していた跡なのか、崩れ落ちた坑道の入り口や住居の残骸らしいものが見える。

 乾燥した空気に、土埃の匂いが混じっている。

 

 坑道跡が下部にある、ビルの三階ほど高さがある崖を見上げる。

 ここなら、スキルを試すにはよさそうだ。

 

 とりあえず、使える呪文は二つしかないから、

「ぶっ飛べ!」

「地獄の業火に焼かれちまえ!」

この二つを試してみようか。


 崖の前にうずくまるように、幾つか大きな岩があったので、その一つを狙って呪文を唱えることにする。

 その岩は、先日倒したフォレストボアの特殊個体と同じくらいの大きさがある。

 右手を伸ばし、その岩に狙いを定める。

 

「ぶっ飛べ!」


 ゴンッ


 そんな音がして、岩が斜めに倒れる。

 倒れた岩に近寄って調べてみると、何かがぶつかったような跡は見当たらなかった。

 衝撃波のようなものが、岩全体を押しているのかもしれない。


 もう一度、やってみるか。

 さっきと同じくらいの大きさの岩を狙い、再び呪文を唱える。


「ぶっ飛べ!」


 ゴッ、ドゴンッ


 なんだこりゃ! 

 吹っ飛んだ岩が、崖にめり込んだぞ!?



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