第4話 スキル鑑定
さて、やってきましたよ、冒険者ギルド!
街に冒険者ギルドがあると分かった時には、ホント興奮しちゃいましたよ。だって、ギルドだよ! ギルドっていったら異世界モノの定番でしょ。
思ったより小さく古い木造の建物は、独特の「味」があった。
うーん、いいなあ、最高だ。
ギルドの外で、しばらくニヤニヤしていたら、通行人から怪しい目で見られてしまった。
「こんにちはー!」
ギコギコ音がする両開きのドアを開け、中に入る。
左手には分厚い木のカウンターがあり、右手には丸テーブルが二つ置いてあった。
丸テーブルの一つには、四人のおじさんが座っており、その人たちがジロリとこちらを見た。
カウンターの向こうに座る受付は、唇の左上にホクロがある、やけに色っぽいお姉さんだった。
「は~い、坊や。テラコスギルドに何かご用かしら?」
彼女がカウンターに肘を着くと、胸元が広く開いた服から大きな胸がこぼれ落ちそうだった。
俺は慌てて彼女の胸から視線を上げた。
女性は笑顔をたたえ、そこだけ笑っていない目で俺をじっと見ている。
「ええとあのー、『剣と盾亭』のゴリアテさんから紹介されて来ました。冒険者登録したいのですが……」
「なんだい、『鋼』さんの紹介かい。それならそうと早くお言いよ。登録は、銀貨一枚だよ」
俺はゴリアテさんから借りた銀貨を、磨かれた木のカウンターに置いた。
「じゃ、鑑定するから、この板の上に手を出して」
言われるまま、カウンターに置かれた黒い板に手を置く。板に白く光る文字が浮かびあがった。
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名前:クロダ グレン
レベル:1
年齢:16
職業:無し
犯罪歴:無し
スキル:言語理解、言語伝達
ユニークスキル:???
称号:???
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あー、言葉が通じてたのは、この【言語理解】と【言語伝達】ってスキルのお陰だね、きっと。
「レベル1? あんた珍しいね、その年でまだレベル1なんて。それに覚醒してないんだね」
おー、覚醒か! いい響きだな。
「ええと、覚醒ってどうすればできるんです?」
「そんなことも知らないなんて、山奥の出なのかい?」
「ええ、そんなとこです」
実際に山奥で卵から生まれたもんね。それより、覚醒のこと教えてくれないの?
「まあ、犯罪歴がなければ、冒険者にはなれるんだけどね。あと、ユニークスキルと称号だが、差しつかえなければ教えておくれ」
「ええと、スキルと称号が見えませんが?」
「ああ、これじゃあ見れないよ。これから渡す冒険者カードなら、本人に限り見ることができるからね」
そうなんだ。
黒い板を持って奥に入っていった受付の女性は、端に穴が空いた金属板を持ってきた。ちょっとキャッシュカードを思わせるね。
「はい、これが冒険者カードだよ」
茶色い金属板を手に持つと、空中に白く輝く文字が現れた。
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名前:クロダ グレン
年齢:16
レベル:1
職業:無し
犯罪歴:無し
スキル:言語理解、言語伝達
ユニークスキル:中二病(レベル1)
称号:竜の落とし子
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えっ? ユニークスキルに書いてある【中二病】ってどういうこと? スキルが病気?
いや、病気がスキル?
なにそれ?
さすがに、これはワケ分かんない!
それに称号もタツノオトシゴみたいだし……。
「で、どうだい? ユニークスキルと称号は何だった?」
どっちも言えるわけないだろ!
「ええっと、よく分かりませんでした」
俺は肩を落とし、そう答えるしかなかった。
スキルが「中二病」って何?
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