第八章:こんなにすぐに仲良くなれるなんて運命だよね?
彼と話し始めて、たった三日後の日から今の今の今まで大体2週間くらい? 全然時間が経ってないのに毎日、私と彼はLINEを使って、話していた。何を話しても気が合う、そんなに少しの気持ちの悪さをお互いに感じながらも、そのLINEは終わりが見えなかった。音楽の話をしても、漫画の話をしても同じ趣味。好きなキャラクターやシーンも同じだった。そこまではよくあっても、私と彼の一番似ていると思える点は、間違いなくその思考回路の酷似だった。
授業や先生という学校関連についての感想、お互いに交遊のない大学の級友に対する人物評価、全部がそっくりで私と彼では同じ世界観で世界を見ているんだなぁって思ったし、その気持ちも伝えることで共有していた。
例えば、学年の中心人物に対する人物評価はみんなは明るく楽しいムードメーカー裏表がなく、快活な人間だったけど、私や彼はその人の暗い側面を見切っていて、その人がたまに見せる暗すぎる死んだような目や誰かが失敗したときに隠れて笑ってるところとか、そういうところを私たちは見ていた。1つ思ったのは私より、彼の方が観察力がある。自分はとても観察力があると思っていたから、ちょっとショックでもある。ただ私の見る目には狂いはなかったと思える。こんなにも聡明の人だったなんて。
でも、すこし嫌な法則に気が付いてしまった。私が気付いてしまったのは彼のサークルがない日は決まって、夜になるまで彼とは連絡が取れない。基本的に返事が早い彼には本当に珍しいと思う。私も気になって、何度か「どうかしたの?」と送ってみるけど、いつも「なんでもないよー」って返されてしまう。まあそれもわからなくもない返事がないのは恐らく彼が彼女といるかである。まだあの女との絡みがあるのはやっぱり気に食わないし、彼が私よりもあの女を優先するのは癪だが、私の思った通り彼は恋人の前では異性と連絡は取らないなどの礼節をわきまえた常識人なんだろうなって思えて少し気分が良かった。まあ彼女がいるのに、別の女の子と毎日連絡をとっているのはまずいとは思うけど。
でもでも、そんなまともな倫理観を持っている人が彼女がいても連絡を取りたいそんな人に自分がなっているのがうれしくもあって、彼とまともに話せるようになってからたった数週間なのにいろんな感情が入り乱れている。自分の心が彼にかき乱されているのが、自明にわかった。