第十二章:私が距離を置いたことを知ってる?
冬休みが終わり、彼の近くに座ることがなくなった。それを期に彼と距離を置いてみることにした。LINEもせず、もちろん通話もなし、学校での会話もほとんどなくした。挨拶されても返さないことも多々あった。でも、それで事足りたのは、私の方から話しかけていたからということだった。自分の方からの一方通行の思いに気が付いて、これまでなんとなく気付いていた自分の感情を明るくされてしまってすっごく悲しかった。
彼と距離を置くのは予想通りとても辛かったが、しかしながら心が軽くなった。彼から恋人の愚痴も聞かないですむし、時期の問題もあって彼を見かけないからどういう事かわからないでいられるがゆえに、楽だった。この世に「知らない」っていう事が幸せにつながるなんて嘘だと思っていたけど、そういう幸せもあるんだなぁと思った。
ただ心に引っかかるのは、彼からは全くと言っていいほど接触がないことだ。やっぱり彼にとって私はいてもいなくてもいい存在。居てくれれば、利用価値のある人間。ないならないで、別にどうとでもなる存在なんだね。
そうやって卑屈になっていると、そんなに私にも多少の影響力があったのかなって思わせてくれる話が入ってきた。それは私と話さなくなってきてから、彼とあの女の喧嘩が水面下から表面に出始めているらしい。実は私の大学の友達の一人はみんなにバレてはいないが、彼のグループの一人と付き合っている。だから、話が入ってくるのだが、周りに喧嘩によってでた支障をきたしているらしい。例えば、彼が男友達への愚痴が増えたとか、あの女の彼へのわがままがグループ内の他のメンバーに迷惑かけるとか、随分と状況は変わっているようだった。確かに私はいてもいなくてもいいのだろう。しかし、いた方が彼のガス抜きになっている。
彼が気が付いているかはわからないが、私も彼の人生の一部に影響を与えていることがわかってそれがうれしかった。ただやっぱり私は影のような存在、その価値には気が付いてもらえない……。
必要ではないけど、役に立つ私という存在にあなたが気が付いたときにあなたは私への態度は変わるのだろうか……。そして、私はどのようにすれば彼に近づけるだろうか……?




