生活を充実させようと私は今日も世界を駆けまわる
「起きよ、柳リノ」
その声で目を覚ますと、辺り一面真っ白な空間に髭を生やしたダンディーな男性がいた。
「ここはどこ?私はどうしてここに?」
確か私は病院のベッドで不治の病との闘病の末死んだはずだ。
「柳リノ、お主には今から異世界に行ってもらう」
「…はい?」
今なんて言ったこの人?
異世界?なにその中二病チックな言葉。意味わからない。
「ちょっと待って!全然状況がつかめないんだけど?」
「うむ、では最初から説明しようかの」
そうして、てか最初からそうするべきじゃないの?
「お主は闘病と末死んだ。その後お主の魂をこっちに呼ばせてもらった」
やっぱり私は死んだのか…
まぁあの地獄のような生活から抜け出せてよかったけど…
「なんでまた?」
「実はな、わしの世界は魔法と剣の世界なのじゃがな」
だろうな、いかにも異世界って感じ。
「その世界は様々な技術が進んでいなくてな、ぜひともお主にお主の世界の技術をこっちの世界に広めてほしいのじゃ」
なるほどどっかの小説で読んだ通りだな。
「理由はわかったけど、なんで私なの?」
「お主は小さいころから難病と闘ってきてろくに人生を満喫しておらぬと思ってな、それにお主には他の人よりも知識が豊富じゃろ?」
確かにずっと病院のベッドの上で暮らして来た。
ろくに外にも出れず、退屈しのぎにいろんなジャンルの本を読んでいた。
漫画や小説から料理本、なんかの図鑑まで読み漁ったからそこらの同年代よりは知識豊富だろう。
「どうじゃ、この際わしの世界で第二の人生を歩みというのは」
「わかった。自分に何ができるかわからないけどやってみるよ」