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きの娘!  作者: 風雅
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第二話:狐娘

 あれ? 何時の間にか、主人公がド変態になってる......

 心地の良い温かさに包まれて目が覚める。

 ああ、こんなにも温かく満たされた目覚めは何年ぶりだろか? それはもう、母親に抱かれて眠っているような......まあ、赤ん坊の頃の記憶なんて、一切ないが!

 でも、こんなに心地が良いのだ、もう一寝入りしても問題ない。よし、あと少し寝てしまおう。

 寝ることを決め、寝返りをうってみると目の前にメロンサイズのマシュマロのように柔らかそうなおっぱいがドドン! と現われた!? ありがたや~ありがたや~.......て、何でおっぱいが?

 おっぱいにくぎったけのお目々を嫌々上に向けるとさっき、高エネルギークッキーを美味しそうに食べていた、アマニタさんその人が添い寝のような形で一緒に眠っている。よし、揉もう!

 大胆に一切の躊躇いもなく、大きな二つのおっぱいを揉んでやろうとするが、俺の残りわずかの理性が寸前のところで、いやらしくくねくねと動く指を止めた。

 ......相沢秋宏、二十一歳。おまえはもう大人なんだろ! 女性の乳房を触るなんて大人のやることじゃない!! と、心の天使が叫ぶ。

 え? でも、大人ってさ、ふつうに女の人とセックスして、子供作って、それを養ったり、捨てたりするわけじゃん? え? なら、おっぱいの一つや二つ。

 ......うん、それもそうだな、大人はエッチな動物だ。触りなさい。揉みなさい。

 やったー!


「なあ、もう一回、痛い思いして寝たいんか?」

「め、めめ、滅相もございませんですます......」


 首元に突き付けられた槍が今すぐにでも、俺の命を刈り取ろうとしている。

 恐る恐る、槍を向けているやつの顔を見て見ると、十代なりたてくらいの鮮やかな山吹色の髪をした少女が自分の身長より大きい槍を使って、俺を脅している。これは、我々の業界ではご褒美だな!

 服装はまるで茶摘みのような格好で、頭に被っている頭巾が茶摘みぽさを増進している。だが、一つだけ、ふつうの茶摘みさんとは違うところがある。それは......


「狐耳&尻尾。犬と猫の良いとこ取りだな......」


 狐、それは犬と猫を足して二で割った存在! 犬派も猫派も、狐だけとは喧嘩しない。俺は猫派なのだが、やっぱり狐派とは、喧嘩しない。そんな不思議な存在! 狐耳&尻尾......ご馳走様です!


「何言ってんねん?」

「ああ、すまない......少しだけ第二人格が暴れてしまった」

「いやいや、それが第一人格とちゃいまっか?」

「否定出来ない自分が辛い!」


 狐耳の少女がクスクスと笑いだす。流石は女を泣かせた回数より笑わせた回数の方が多い秋宏さんだ、その記録をまた、更新してやったぜ!


「さっきはすまんかったな、ベニちゃんのおっぱいを揉もうとしているように見えて、躊躇いなく殺そうとしてもうた」

「あ、うん」


 言えない、言えない、君の言葉通り、アマニタさんの胸を弄ぼうとしていたなんて、絶対に言えない!

 溢れんばかりの後ろめたさを心の奥に捻じ伏せて、平常心を保つ。


「アンタ、名前なんて言うんや? うちは狐野この うつぎ、他には、キツネノヤリタケなんかとも呼ばれてるわ」

「またキノコか......俺は相沢秋宏」

「秋宏か、えっと......天国地獄......ハハハハ! あんた、地獄確定やな!」

「うわ~懐かし......」


 小学生の頃は、友人に地獄行だって、笑われたな~、でも、あいつらも、地獄が多かったような?


「お姉ちゃん、お茶とお菓子の準備が出来たよ」

「ああ、つるぎ、ベニちゃんを起こすから、もう少し待っててな」

「うん!」


 槍ちゃんによく似た狐耳の女の子が扉を少し開けてこちらを見ている。

 槍ちゃんと容姿こそ、鏡に映したように似ているが、口調は優しく丁寧でお淑やかな印象を受ける。これは、槍ちゃんはかかあ天下で、剣ちゃんの方は、亭主関白になりそうだ。


「剣に手を出したら殺すで?」

「残念。確かにロリは好きだが、巨乳のネーちゃんの方がもっと好きなんだ。十年経てば、話は変わるんだがな、今はないな」

「変態」

「自覚している自分が嫌だ」


 確かに、俺は巨乳のお姉さん(アマニタさん)のおっぱいを揉もうとしたし、エッチな本はベットの下に隠さず、堂々と本棚に直すし、家では、裸で徘徊するし......でもね! 変態だけど、紳士なんだよ!!

 心の中で叫んではみたももの、逆に心にひびが入ったような気がする。


「ベニちゃん、早う起きなはれ」

「うぅぅん......おはよ~」

「キャメラは! キャメラは何処だ!?」


 寝起きの巨乳美人! これはご飯三杯頂けます!!

 ああ、この無駄に無防備な表情が堪らん! 元々から無防備なアマニタさんでも、その破壊力は通常の三倍! 赤い悪魔か!!


「ああ、アキヒロさん、おはようございます」

「おはようございます。いきなりで悪いですが、俺の胸の中で――」

「お姉ちゃん達! 早くしないとお茶もお菓子も覚めちゃうよ~」

「チッ」


 この双子は俺とアマニタさんのファーストコンタクトをことごとく潰しやがって! 童貞に恨みでもあるのか!? 確かに、童貞が女性を抱くことは、少しばかり難易度が高いと思うが、それでも! 俺は、一度でいいから、アマニタさんとファーストコンタクトしたいんだよ! イーティーしたいんだよ!?

 性犯罪者も真っ青なくらいに心の中でアマニタさんとやりたいと叫び散らかすが、それを言葉にすることはどうしてもできない。だって、そんなことを堂々と言ったら確実に嫌われてしまう。俺は大人の秋宏さんだ、出来る限り大人の対応で......


「大人って、何だっけ?」

「何言っとるねん、早よ来なはれ、お茶とお菓子を用意してんから」

「お菓子、お菓子~」


 子供のように鼻歌を歌いながら、槍ちゃんに付いていくアマニタさん、子供心を忘れない女性は大好きです!

 俺も槍ちゃんに連れれられるまま、剣ちゃんが待つ部屋まで足を進めた。

 狐野姉妹の姉の方の名前は載っていたのですが、妹の方の名前が無かったので、槍の次は剣と勝手な解釈で付けました。

 あと、関西弁は難しい......

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