リアルなRPG
某RPGの村にて
勇者「よし、姫を助けに行くぜ!」
と意気込むが、手持ち金額100g。
「しょうがない、そのへんの家とかからもらっていくか。」
手近な家に入り捜索を開始する。
ガチャッ ゴトッ
「何もないなー…」
洋服ダンスやつぼ、樽も調べたが何も出てこない。
が、壁にはオカルト系のポスターがびっちりと貼ってある。
(うわぁ…。この家ちょっとヤバイぜ…。)
勇者が出て行こうとしたとき、
「キャーーーーーッ!!!」
と勇者の後から絶叫が聞こえてきた。振り向くとみつあみをして眼鏡をかけた少女が
立っていた。おそらくこの家の住人だろう。
(うっわ、この子の格好ほんと「オカルトです。」ってかんじがしてうけるw)
とかなんとか考えているのもつかの間、少女は家を飛び出し兵士を呼んでいた。
「え、ちょ、オーイ…。」
数分もせぬうちに勇者は捕まり牢で取り調べを受けることになった。
「で、なんであんなことしたんだ?」
いかつい兵士に問い詰められる。
「え?俺、何もしてませんけど。」
兵士はフゥとため息をつく。
「あのなぁ。お前がしたのは不法侵入っていって立派な犯罪なんだぞ。」
「不法侵入も何も、俺は勇者なんだから家に入っても普通でしょう?」
兵士は話を聞きながらもう一人の兵士とひそひそ話をしている。
「な、何ですか。」
「そうか、君はRPGオタクなんだな?」
「は・・・?」
「でもそういう人がまた犯罪をしても困るからな…。」
「いや、だから…」
「よし、とりあえず病院に入れておけ。」
「はっ。」
「ちょっと、俺の話を聞いてくれよぉーーーー!!!」
牢に青年の叫びがこだました。
きっと、後にも先にもオタクと勘違いされて病院に入れられた勇者って俺ぐらいだろうな…。